「71歳、年金月5万円。今がいちばん"健康"です」話題のシニアブロガーに聞くお金への不安がなくなる暮らし方

2023/02/27

心豊かな年金5万円生活が話題のシニアブロガー、紫苑さん。数年前までは「お金と健康の劣等生だった」と語ります。そこからどうやって今の元気な体とミニマムな暮らしを手に入れたのか。知恵と工夫が詰まった体験談をお届けします。

<教えてくれた人>
紫苑さん(東京都 71歳)
築45年の中古住宅で1人暮らし。30代の息子と娘がいる。ブログ「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」、著書『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)。

69歳を過ぎて「食」と「体」を整えたら、人生で初めてお金の不安がなくなりました。

30~40代は仕事も子育てもバタバタ。今ほど健康への関心が高い時代でもなく、自分の体を気づかう余裕も意識もありませんでした。でも50歳ごろから周りで体を壊す人が増え、自分もストレスと乱れた食生活のせいで次々と病気に。そんな私も年金受給額が少ないこととコロナ禍がきっかけで、69歳で初めて家計と食に向き合いました。すると2カ月ほどで体に変化が!食生活が整って体が元気なら、少ないお金でも充実した毎日を送れると実感しています。

紫苑さんの1カ月の家計表

<収入>
国民年金 5万円(臨時収入は家計に含めず、交通費や交際費の足しにします)

特別出費用積み立て 8000円(固定資産税、NHK受信料の月割など)

水道・光熱費 7700円
通信費 7500円
食費 1万円
日用品費 1000円
書籍代 3500円
交通費 3000円
残し貯め 9300円

紫苑さんの"健康劣等生"からの大逆転history

【30代~40代】
・世はバブル。打ち合わせで高級フレンチを食べ贅沢三昧

・子ども2人のシングルマザーとして、仕事に追われるガムシャラな毎日
食卓は「とにかくお腹を膨れさせる」のが優先で、大盛りご飯に揚げものだらけ

【50代】
・ストレスと過労がたたり、乳がんに。手術、治療費130万円超え

・歯の不調を放置し続け、歯周病に。抜けた歯をインプラントにして治療費100万円超え

・月1万円払ってジムに通うも健康効果の実感はゼロ

・ストレス発散で「着物」に目覚め散財が加速

【60代】
・お菓子の食べ過ぎが原因か!?過敏性大腸炎に悩む

【65歳】
・年金受給スタート。築45年の一戸建てを購入し、貯蓄は0円

【69歳】ターニングポイント
コロナ禍をきっかけに、年金月5万円生活を決意。人生で初めて「食」と向き合う

【現在】
お金をかけなくても体と心が「気持ちいい」と感じる暮らしを手に入れる

今のほうがお腹も心も満たされます!

高級フレンチ→月食費1万円

全力で働いた30~40代は、仕事の打ち合わせといえばフレンチやイタリアン。高かったことは覚えているけれど味は忘れました(笑)。今は鶏胸肉などを好んで買います。栄養があって安くて、何より工夫次第でおいしい一品になるのが楽しい!かつては私の主食といっても過言ではなかった100円のスナック菓子も最近は高く思えて、おやつに大学いもなどを手作り。食費が高かった昔よりお金をかけない今のほうが、食生活ははるかに充実しています。

紫苑さんお気に入りのいわしのオイルサーディン。

紫苑さんの月1万円で豊かな食卓にするコツ

□安くて栄養価の高いいわし、鶏胸肉、レバーを定番にする
□調味料や調理法でメニューバリエを増やす
□1人でもキレイに盛りつける
□1日3食、「食事」に集中して食べる

今のほうが足腰が元気に動きます!

月1万円でジム→0円で散歩

がんを患ってからは健康のために週2回ほどジム通い。今振り返ると、運動よりジムのお風呂や仲間とお茶など、ただの気分転換だった気がします。健康効果はさほど感じられないまま、収入減でジムをやめてからは、朝の運動など日常の中で無理せず体を動かすことを意識しています。伸びを習慣にするだけで体の動きが全然違って、腕だって20年前よりスッと上がる(笑)。いつも体調がいまいちだった私が何のストレスもなく過ごせるなんて、夢のようです。

紫苑さんの月0円で健康になるコツ

□毎朝、近所の公園を歩く
□毎朝、土手の階段を駆け下りる
□毎日、スクワット10回
□気がついたら、肩を回して肩甲骨を動かす

これから70代になるあなたへメッセージ

0か100じゃなく、今を"ちょっと"変えるだけで老後は大きく変わります

30~40代って忙しいし生活をガラッと変えるなんて難しいですよね。でもきちんと歯をみがく、ジャンクフードを控えるなど、小さな習慣でも始めれば体は変わると、70代になって実感しました。健康こそ安心な老後の源。みなさんも頑張って!

体と心が元気なら収入が少なくてもいくつになっても何でもできます!

参照:『サンキュ!』2023年3月号「体にいい暮らしはお金が貯まる」より。掲載している情報は2023年1月現在のものです。撮影/林ひろし 構成/出下真紀 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部

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