待機電力を気にする人は古い!?この夏に本当にやっておきたい節電ポイントを節約のプロが解説
2024/08/10
待機電力とは、コンセントに接続された家電製品が、電源を入れていなくても消費する電力のこと。節約アドバイザーの丸山晴美さんは、「節電のために待機電力ばかり気にするのは、もはや時代遅れ」と言います。節電ポイントの昔と今について聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年7月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「節電ポイント今昔」!
家電の中で待機電力がもっとも多いのはテレビ…じゃありません!
リモコンを使用する家電製品やパネル式の給湯器などは、使用していなくてもわずかに電力を消費しています。それが「待機電力」と呼ばれるもの。1つの製品の待機電力はわずかなものですが、チリツモになれば電気代もバカになりません。そのため「節約するには待機電力を減らすことが大切」と長く言われてきました。
昔よく言われていて、今も信じている人が多いであろう「待機電力」と言えば、テレビでしょう。待機電力対策として、小まめに電源プラグを抜き差ししていた(している)かたも少なくないのでは?
しかし、この対策は現在ではほぼ意味がないどころか、データ取得時の消費電力量を考えると、かえって逆効果になる可能性もあるやってはいけないNGテクです。
では、現在の家電の中で待機電力がもっと大きいのは何かというと……なんと給湯器のパネルです。昔は給湯パネルのスイッチを1日中オンにしておくのがふつうだったため、待機電力はかなり大きくなったわけです。
しかし、最近の給湯パネルは、時間が経つと自動でスイッチがオフになるものが増えており、待機電力量も減少傾向にあります。自動でオフになるタイプでないのなら、こまめにスイッチを切ったほうがいいですが、自動でオフになるなら給湯パネルの待機電力はそこまで気にする必要はないでしょう。
とは言え、意識することは大切ですので、家族全員の入浴が終わったら、スイッチをオフにする習慣を家族で共有できるといいですね。
照明器具はつけっ放しにしておいたほうが節電になる!?
照明器具は給湯パネルとは逆で、「スイッチを入れた後がもっとも多くの電気を消費するから、1回つけたらこまめに消さず、つけっ放しにしておいた方が節電になる」と言われていました。
たしかに昔の蛍光灯はスイッチを入れた後、明るくなるまでに時間がかかり、消費電力も大きいものでした。さらに、蛍光ランプはランプ始動時にエミッター(電子放出物質)の消耗が激しく、こまめに消したりつけたりするほど寿命は短くなることもあり、蛍光ランプなどはつけっぱなしにしたほうがよいと言われていたのです。
しかし、最近普及が進んでいるLED照明は、スイッチを入れれば数秒で明かりがつき、立ち上げ時の消費電力もわずかです。LEDは点滅に強く、繰り返し点滅しても寿命にも影響がないので、1分でもその場を離れるのであればこまめに消したほうが節電になるでしょう。
節電テクも時代とともに変えることが大切
このように、今と昔では節電のポイントが変わってきています。
昔の家電は電力効率が悪かったうえに、いろいろな付加機能がついていました。たとえば、電子レンジにタイマーとは別に時計機能がついていたり、冷蔵庫に保温機能がついていたり……。
保温機能つき冷蔵庫は、平成に発売されていたもので、ゆで野菜やみそ汁をアツアツのまま保温しておける部屋がついた冷蔵庫です。その消費電力を現在の電気料金で計算すると、1カ月7500円くらい。今の冷蔵庫の電気代が年間5000〜6000円程度なので、いかに消費電力が大きかったかがわかります。
しかし、地球温暖化対策が叫ばれ、省エネ化が進んだ今は、製品そのものに待機電力を減らすエコモードや省エネ運転といった賢い機能がついているものが主流。待機電力も必要最低限しかかからなくなっているので、神経質になる必要はなくなったと言えるでしょう。
それよりも今は
・エコモードや自動運転機能つきのものは基本的にエコモードや自動運転で使う(省エネ運転や自動運転が電力消費効率がよいとされています)
・使わないときはこまめに切る
・炊飯器や電気ポットの保温機能はできるだけ使わない
・便座の保温機能も夏は切る
など、待機電力よりも使い方に注意をすることが節電ポイントに。
節電テクも時代に合わせてバージョンアップし、上手に節約していきましょう。
取材・文/かきの木のりみ