夏の光熱費節約術 調理のひと手間で電気&ガス代はまだまだ減らせる!【節約の専門家が解説】
2024/08/10
夏の節電というとエアコンばかりに目が向きがちですが、毎日使うキッチンの電気・ガス代も重要なポイントです。そこで、節約アドバイザーの丸山晴美さんに、キッチンの光熱費節約術を聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年7月時点の取材情報を基にしています。また、記事内の数字などは東京ガス「ウルトラ省エネブック」および、経済産業省 省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」に掲載のデータを参考にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「キッチンの光熱費節約術」!
キッチンの光熱費節約で押さえたい6つのポイント
2024年8月使用分から政府による電気代、ガス代の補助が始まりました。その名も「酷暑乗り切り緊急支援」。ただし、この補助は2024年10月使用分までの3カ月限定。11月以降の継続は未定なので、これだけではまったく安心できません。
そこで、キッチンまわりの光熱費の節約テクをご紹介します。これらを併用しながら、電気代が高騰しやすい夏を乗り切っていきましょう。
お湯を沸かすときは「給湯器のお湯から」が正解
給湯器はガスコンロよりも熱効率がよいため、お湯を沸かすときには水から沸かすより、給湯器のお湯から沸かすほうが省エネになります。
給湯器:7.4円/回
水道水:7.9円/回
年間の省エネ効果:579円 ※1日3回×365日として算出
※40℃(20℃→40℃まで給湯器)のお湯と水温20℃の水を24cmの鍋で、それぞれ2L沸かす場合(給湯器:5.6分、水道水6.8分)
大きな鍋底の鍋を、ひと拭きしてから使う
鍋底の面積が大きい鍋ほど熱効率がよく、炎の熱をより多く鍋に伝えることができます。煮物やお湯を沸かす際は、底が平らで大きい鍋ややかんを選びましょう。
24cmの鍋:4.8円/回
16cmの鍋:6.0円/回
年間の省エネ効果:1,305円 ※1日3回×365日として算出
※24cm、16cmの鍋で20℃の水1Lを強火で沸かした場合
さらに、火にかける前に鍋底をひと拭きして水滴を拭き取ると、使用するガス量を約2%減らせて省エネです。
年間の省エネ効果:110円 ※1日3回×365日として算出
※やかんに水滴が付着していない場合と5ml付着している場合の比較
トースターの代わりにガスコンロのグリルを使って
冷凍食品を加熱したりパンをトーストしたりする際、ガスコンロのグリルを使うと、オーブントースターで加熱するのと比べて調理時間が約半分になり省エネです。
両面焼き:グリル:3.1円/日
オーブントースター:4.2円/日
年間の省エネ効果:398円 ※1日1回×365日として算出
※両面焼きグリルとオーブントースターで冷凍ピザを焼いた場合(両面焼きグリル:4.5分、オーブントースター:8.0分)
冷蔵庫の周囲に隙間をあけ、設定温度は中か弱に
冷蔵庫のまわり(上、横、裏)が壁に囲まれていると、冷蔵庫自体が充分に放熱できません。周囲に適度な隙間をあけて設置すると省エネになります。
年間の省エネ効果:1,726円
※上部と両側が壁に接している場合と、片側が壁に接している場合との比較
また、冷蔵庫の設定温度は、強から中や弱に設定し直しましょう。冷凍庫やチルド室なども個別に設定できる場合は、中や弱にすることでさらに省エネになります。
年間の省エネ効果:2,363円
※周囲温度22℃で、設定温度を「強」から「中」にした場合
野菜の下ごしらえは電子レンジで
野菜の下ごしらえとして「ゆでる」場合は、鍋より電子レンジを使ったほうが節約になりますし、部屋も暑くならなくておすすめ。
●葉菜(ほうれん草、キャベツ)の場合
ガスコンロ:年間でガス8.32㎥、約1,350円
電子レンジ:年間で電気13.21kWh、約410円
年間の省エネ効果:約940円
●果菜(ブロッコリー、カボチャ)の場合
ガスコンロ:年間でガス9.10㎥、約1,470円
電子レンジ:年間で電気15.13kWh、約470円
年間の省エネ効果:約1,000円
●根菜(ジャガイモ、里芋)の場合
ガスコンロ:年間でガス9.48㎥、約1,540円
電子レンジ:年間で電気22.01kWh、約680円
年間の省エネ効果:約860円
※100gの食材を1Lの水(27℃程度)に入れ沸騰させ煮る場合と、電子レンジで下ごしらえをした場合を比較(食材の量等により異なります)(365日、1日1回使用)
なお、煮込み料理の野菜もレンチンしてから鍋へ入れると、省エネになるうえに煮くずれも少なくすみます。中までしっかり火を通したいときは、焦げ目をきれいにつけたあとにレンチンすると、ガス代の大幅節約になります。
炊飯器で保温するより電子レンジで温め直して
ごはんを炊飯器で保温するのは4時間までが目安。それ以降は保温のためのエネルギーより、電子レンジで温め直すエネルギーのほうが少なくなります。
取材・文/かきの木のりみ