ちょっと料理をするだけでも熱中症になってしまいそうなくらい、火を使うのがツライ夏。でもその火を使う時間、少しの工夫で減らせるかも!?
今回は、出張料理人として一般家庭での調理を年間数十件担当している植松愛実が、火を使う時間を1分でも減らして光熱費も節約するために、ぜひとも避けたいNG行動3選を解説します。

【NG1】洗った鍋・フライパンをパッパッと水気を切ってコンロに
鍋やフライパンを洗ったあと、棚にしまうのであればしっかり水気をふいたり乾かしたりすると思いますが、そのあとすぐまた使うのであれば、パッパッと水気をきった状態でコンロに載せて使う人もいるのでは。
でも、鍋やフライパンの底や側面に水滴が残っていると、どうしても加熱時間が長くなってしまいます。光熱費ももったいないですし、何より夏は火を使う時間を少しでも減らしたいですよね。ちょっと面倒でも、しっかり水気をふいてから使いましょう。
ちなみにIHクッキングヒーターを使っている場合は、濡れた鍋やフライパンを置いてしまうと、そもそもすべりやすくて危ないですし、汚れやサビの原因になったり、故障の原因になってしまうこともあるのでやめましょう。
【NG2】ちょっと沸かすだけならフタなしで
鍋にたっぷりの湯を沸かすときはちゃんとフタをしてから加熱を始める人が多いと思いますが、少し沸かすだけだったら、面倒だしそのまま…という人もいるのでは。しかし、ちょっとのことでもやっぱり、フタをするようにしましょう。
鍋はフタをすることで内部の圧力が高まりやすくなり、短時間で水が沸騰します。水が少量だとその差をあまり実感できないかもしれませんが、どうしても光熱費はよぶんにかかりますし、蒸気が逃げ放題になって部屋の温度も湿度も上がってしまいます。
じつは冬であれば、わざとフタをせず沸かすことで部屋の加温や加湿をすることもありますが、夏場は忘れずにフタをして少しでも部屋の不快指数を上げないようにしたいですね。
【NG3】強火は火力MAX
焼きそばや肉野菜炒めなど、強火で調理するメニューが食卓にならぶことが多い夏ですが、「強火」という用語はカン違いされやすい用語でもあります。じつは、強火は「火力MAX」ではないのです。
強火は、正しくは「コンロの炎が、フライパンの底に勢いよくあたるくらい」。たいていの家庭のコンロでは、火力MAXだとフライパンの底だけでなく側面までまわりこむように炎があたってしまうので、強すぎです。
火力MAXで加熱していると、むやみに部屋の温度を上げてしまいますし、光熱費もよぶんにかかってしまうほか、フライパンの寿命を縮めてしまうことも…。炎の範囲を確認して調理しましょう。
やりがちなNGを避けて少しでも料理のストレスを減らそう
夏はただでさえ、キッチンに立つのがストレスになってしまいがちな季節ですが、ちょっとした工夫でNG行動を避けることで、火を使う時間を減らしたり、光熱費節約につなげたりすることができます。今回ご紹介したコツを参考にして、少しでも夏の料理ストレスを減らしていきましょう。
■執筆/植松愛実
本業の気象予報士と副業の料理人、2足のわらじを履く主婦。誰かに教えたくなるお天気の豆知識や災害に備えるコツ、「食」に関する情報を中心に発信中。
編集/サンキュ!編集部