年金帳簿

年金制度って破綻しそうなの? 65歳になったら自動でもらえる?【意外と知らない年金のウソ・ホント】

2021/09/10

老後のお金が心配……と思っている人は多いですが、老後の暮らしを支えてくれる「年金」について、どれくらい正確に知っていますか? 知ってるつもりで案外知らない年金の疑問をお金のプロにきいてみました。

お話を聞いた人・・・井戸美枝さん
ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演を通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金、社会保障問題を専門とする。『私がお金に困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)ほか著書多数。

Q.年金制度ってこのままだと破綻しちゃうんでしょ!

A.ウソ「破綻しません!そもそも日本の年金財政は黒字なんですよ」
「少子高齢化で年金がなくなるのでは?」と心配する人が多いのですが、年金に使われるお金の大部分は、現役世代と企業が納める保険料と国の税金。積立金という「年金専用財布」には2020年度末時点で約186兆円も入っていますが、メインで使ってはいないのです。国の長期計画でもおよそ50年程度は取りくずす必要がない資産なので、お金が足りなくて破綻する心配はありません。

Q.年金って65歳になったら自動的に支給されるんですよね?

A.「手続きして請求しない限り、支給は始まりません!」
65歳になる3カ月前に、年金を受け取るための書類が届きます。この書類を年金事務所に提出しないと年金は支給されません。65歳から受け取らない場合は、繰り下げをいつからにするのかを考え、70歳(22年4月からは75歳)までに手続きしましょう。なお、記入事項が多いので、年金事務所で質問しながら書くのが無難。今までの加入歴も調べられるので安心を。

Q.学生時代の国民年金の猶予分、今からでも払うべきなんでしょうか

A.「60歳以降も加入し、追加で払う形で埋めればよいと思います」
学生時代に国民年金保険料を猶予してもらった人は、追納(後払い)しないと老齢基礎年金が満額支給されません。ただ、追納は10年以内で、期間によっては保険料が加算されるのがネック。追納の代わりに60歳以降も国民年金に任意加入し、そこで納めてもいいでしょう。会社員なら定年後、厚生年金に入って働く形でも猶予分を解消できます。

参照:『サンキュ!』2021年10月号「ところで私の年金、いくらもらえますか?」より。掲載している情報は2021年8月現在のものです。 監修/井戸美枝 編集/サンキュ!編集部

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