ついついやっちゃうムダ買いはこうして防ぐ!お金のプロが提言する3つのメッセージとは?
2021/11/22
ついついやってしまう衝動買いやムダ買い、どうすればいいの?行動経済学に詳しい専門家がムダ買いの理由と回避テクをご紹介します。ぜいたく上手になるためのアドバイスは今日からでも試してみて。
<教えてくれた人>
経済コラムニスト 大江英樹さん
オフィス・リベルタス代表。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演や執筆などで活躍中。著書に『その損の9割は避けられる』(三笠書房)。
トリさん
行動経済学に詳しい、羽衣セキセイインコの女の子(6歳)。大江さんの相棒として活躍中。
ちょっといい調味料が「お1人様1本まで」だった日、私、夫、子どもで3本も衝動買いしちゃいました
S・Mさん(埼玉県 43歳)
スーパーで「期間限定」のロールケーキを購入。でも、いつもガマンしているケーキ屋のスイーツも同じ価格と気づいて、ちょっと後悔……。
らんらんさん(鳥取県 39歳)
人って手に入れにくい物ほどゲットするために燃えちゃうんです
販売数や期間(時間)を制限されると、「価値が高い」と思い込んだり、「今しか買えない」と焦ってしまいがち。結果、冷静さを失い、「つい」「うっかり」買ってしまうのです。
これは希少性原理といいます
手に入りにくい物=希少性が高い物ほど、魅力的に感じる心理現象。数量の希少性の例は、限定〇個、旅行先の特産品、コンサートの最前列席など。時間の希少性の例は、閉店セール、通販番組の「今回に限り」など。
限定の表記がなくても買いたいかを、考えてみて
限定品が魅力的に見えたら、まず「必要以上に欲しくなっている」ことを自覚しましょう。「限定じゃなくても欲しいか」「明日、売れ残っていても欲しいか」を考え、商品自体の価値でジャッジするのが大切!
お得に買い物したくてキャッシュレス決済を始めたら、あとから「あれ? こんなに買ったっけ?」と気づくことが増えて、食費や日用品費がちょっとヤバイ(汗)
ニャッキさん(福岡県 33歳)
人って現金払いよりキャッシュレス決済のほうが心の痛みが少ないんです
キャッシュレス決済は、上手に活用すればお得なサービスです。しかし、現金が目の前で出ていく"心の痛み"が減ることで、買い物のハードルも下がってしまう人も少なくありません。
これは支払いの実感度の違いです
実際に、現金に比べて、キャッシュレス決済のほうが「支払いの実感度」が低くなるため、買い物の頻度も多くなる傾向があるという研究結果があります。
オートチャージをやめて、現金チャージで慣れてみよう
支払いを体感するには、使った分の管理はもちろん、予算を決めて"現金チャージ"で使うのがおすすめ。家計のためには、お得よりもお金の使いすぎを防ぐことを優先しましょう。
定価3万円のバッグが1万円に値下がりしていたので「ラッキー」と購入♪よく考えたら、予算は5000円でした(汗)
エトアールさん(神奈川県 39歳)
人って元の値段が高いほどお得!って思いがちなんです
"値引きされた1万円の商品"と"定価1万円の商品"を比べると、支払額は同じでも、値引き商品のほうが「安い」と感じやすく、「2万円得をした」と勘違いしてしまうんです。
これはアンカリング効果といいます
先に見た数字や情報が、その後の判断や行動に影響を与える心理現象。船のいかり(アンカー)が語源で、基準値が決まると影響を受けやすくなることになぞらえています。
定価の表記は、わざと残していることもあるから惑わされないで!
店側は、商品の価値を高めるために、通常価格、希望小売価格、参考価格などを併記しています。店頭でブレないために、"予算"をよく確認してから買い物に行くことが大切です。
化粧品は、割高でもなんか肌によさそうなのでとりあえず「オーガニック成分配合」を選んでいます
ひぃさん(静岡県 40歳)
人って商品イメージや言葉の響きで「よい商品」と思い込んでしまうんです
CMの雰囲気やパッケージのデザイン、有名人の評価などから「よい商品だ」と思い込み、好感を持つことがあります。その結果、価格が高くても手に取るハードルが下がってしまうのです。
これはヒューリスティックといいます
経験やイメージ、先入観から、直感的に答えを出すこと。買い物などで悩む時間を短くするメリットもあるけれど、選択の誤りに気づきにくく、視野が狭まり選択が偏ることもあります。
自分にとっていちばんよい物を選ぶために、成分や効果を調べてみて
評判のいい商品は信頼性も高い物が多いですが、その商品が自分にも合うとは限りません。意味を知らない言葉は自分で調べたり、ほかと見比べることがムダ買いしないコツです。
大江さんから「ぜいたく上手」になるためのMessage
ムダ買いエピソードに共感した人、やっぱり買い物が好きな人、ぜいたく上手になりたい人へ、お金づかいで悩まない方法を伝授します!
たまにしてしまう買い物の失敗はそこまで気にしなくて大丈夫です!
行動経済学でも明らかなとおり、たまにムダな物を買ってしまうのは人間の性なので、自分を責めすぎる必要はありません。楽しく買い物をするために、ムダ買いを少しずつ減らしていきましょう。
ムダ買いを減らすコツ3
1 「自分ごほうび」と言い訳しない
「失敗した」と思った買い物を、正当化するのはNGです。自分ごほうびは、失敗を次に生かせない無敵の言い訳。悔しい思いを繰り返さないために、きちんと向き合いましょう。
2 「うっかり買いノート」を書く
人は忘れちゃう生き物なので、うっかり買って後悔した物は、家計簿やノートに書き残しましょう。見返すのを忘れないように、買い物前にチェックするなど、習慣にしてくださいね。
3 じわじわ払い続ける固定費を見直そう
買い物をガマンするより、固定費を見直すほうが心の負担はないし、家計にも効果大。通っていないジムの会費や使っていないサブスクの月額料など、無意識にしているムダづかいは即やめましょう。
参照:『サンキュ!』2021年12月号「私らしい、あたらしいぜいたくのすすめ」より。掲載している情報は2021年10月現在のものです。監修/大江英樹 編集/サンキュ!編集部