不完全な自分を受け入れて、“まっいっかぁ”の精神で前向きに過ごせばハッピーに~連載「はじめよう!フェムテック」vol.12

2022/02/03【 連載 】

2021年10月26日(火)から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』(毎週火曜~木曜 午後7時53分~58分頃)。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた3回分の内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

●パーソナリティー

伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。バツイチ29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当する。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

●ゲスト

臼井愛美さん Itsumi Usui
2008年から、生活情報誌『サンキュ!』の読者モデルに。16歳で結婚、17歳で出産を経験し、35歳の今、夫と18歳の長男、15歳の二男、12歳の長女の5人家族で暮らす。また、フードコーディネーター、Webライターとしても活躍する。今春は、子どものトリプル卒業&入学があり、大忙しの毎日。近年、女性特有の体調の変化を感じはじめている。
https://39.benesse.ne.jp/style/writer/2658/
https://www.instagram.com/itsumiusui/ https://itsumiusui.hatenablog.com/


まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第12週。ゲストは、『サンキュ!』のモデルとしてもおなじみの臼井愛美さんです。「臼井ちゃんには、15年くらい前から、読者モデルとして活躍していただいています。子育てとお仕事を両立され、家族もとっても仲よし。そんな彼女の前向きな生き方や言葉に励まされ、元気をもらっているという読者さんも多いんです」(伊久美)

【Talk 1】
■東島アナ「16歳で結婚され、17歳で初めての出産をご経験されたそうですね。10代からいろいろな経験をされて、ご苦労も多かったのではないでしょうか」

■臼井「振り返ると、いろいろ大変だったなぁ~と思いますが、当時は若くて体力もありましたし、保育士になりたいと思っていたくらい子どもが好きなので、子育ては楽しかったです」

■伊久美「臼井ちゃん、最初に『サンキュ!』に登場してくださったのは、もう15年くらい前ですよね~。ご長男もおチビさんだったけど、もう18歳になられたんですね」

■臼井「気がついたら、長男も二男も私が結婚&出産したころの年齢になっていて(笑)」

■東島アナ「子育てでいちばん大変だったことは、どんなことですか」

■臼井「夫は私より一つ年上。通学しながら働いて、出産費用から生活費まで賄っていました。結婚生活は何もかもが初めてのことばかりだったので、二人とも心の余裕がなくなって、よくささいなことでケンカをしていました」

■東島アナ「お子さんと向き合う上で、苦労した点はどんなことですか」

■臼井「子どもは自分の思い通りにはなりませんね。自分が思い描いている感じとは違う、予想外の反応や行動をすることにショックを受けたこともよくありましたが、人には、一人一人のペースがあるんだなぁと悟りました(笑)。子育てを通して忍耐力が鍛えられ、同時に責任感も自覚して、私自身が成長させてもらったなぁと感じています」

【臼井 Voice 1】

子育てを経て、自分自身も大きく成長したことを実感!

10代で結婚&出産を経験し、私自身が人間として成熟していなかったので、子育てを通して大人になっていったという実感があります。子どもは想像しないような反応や行動をとることもある。一人一人の考え方や個性、ペースがあることを受け入れ見守っていくなかで、私自身は忍耐力が身に付き、視野も広がっていったと思います。

【Talk 2】
■東島アナ「この番組をきっかけに、フェムテックという言葉や概念を知ってくださったとのこと。とってもうれしいです!」

■臼井「そうなんです。最初、“女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する”と聞いて、“ハードルが高そう”って思ってしまったんです。でも番組を聴いたり、ネットで調べていくと、吸水ショーツや月経周期アプリなどもフェムテックだとわかり、案外、自分の生活に身近なものなんだなぁと思いました」

■伊久美「そうですよね~。女性でもまだフェムテックという言葉を知らないかたが多いですから、まして男性にはほとんど浸透していない、というのが現状。だけど、フェムテックが目指す“女性が幸せを実感する社会”に近づくためには、男性にも興味を持ってもらわないと始まらないんです。臼井ちゃんは、男性にフェムテックを理解してもらうには、どうしたらいいと思いますか」

■臼井「ホルモンバランスで、女性の体調は大きく影響されます。ただ、ホルモンバランスって、目には見えないものですよね。だから、不調を男性に伝えても“気の持ちようじゃない?”って軽く受け流されてしまう場合もあると思うんです。でも、女性としては、ちゃんと向き合ってほしい。男性に理解してもらうきっかけに、月経周期のアプリを見せるというのもいいかもしれません。“今、ホルモンバランスがこんなに乱れている時期なの”とグラフや数値を示すと、男性は納得しやすいんじゃないかなぁと…」

■伊久美「確かに男性の場合は、テクノロジーという観点でフェムテックの話をするほうが、興味を持てる人が多いと思います。月経周期のアプリを共有するって、いいですよね~」

【臼井 Voice 2】

男性にもフェムテックを身近に感じてもらうには…、まずは興味が持てる話題から!

女性特有の不調は、男性は身をもって経験したことがないので理解しにくいと思う。うちの夫もフェムテックという言葉を知らなかったので、“今後、世の中に広く浸透していく欠かせないワードだから、理解しておいたほうがいいよ~”と伝えました。男性には社会常識、テクノロジー、データなど、関心を持ちそうな観点からフェムテックの話題を切り出せば興味を持ってもらえるはず。まずは興味を持ってもらうことで、家庭内でも気軽に女性特有の不調について共有でき、当たり前のことになっていくと思います。

【Talk 3】
■東島アナ「フェムテックには、“女性のライフスタイルをよりよいものにしていく”という目的があります。3人の子育てをしながら仕事も充実されている臼井さんですが、人生を楽しく生きる秘訣を教えていただけますか」

■臼井「子育ては一生の仕事ではないなぁと思っているんです。だから自分自身のこともちゃんと大切に考えたい。子育て中は時間の余裕もないし、経済的にも大変かもしれませんが、子どもが自立するときに備えて、自分自身を磨くことが大事。自信につながる資格を取得したりするのもいいと思います。少~しずつ、できる範囲でいいので!」

■東島アナ「家事と仕事の両立に悩まれているかたも多いと思いますが、そんなかたたちにアドバイスはありますか」

■臼井「私自身、イライラしていて子どもを感情的に怒ってしまったり、家事を中途半端にしかできなくて、よく落ち込んでいました。でもあるときから、家事が6割しか終わってなくても、“まっいっかぁ”と思えるようになりました。不完全な自分を受け入れ許すことで、随分気持ちがラクになれると思います」

■伊久美「聞いていて、泣きそうになりました~。全国の家事や子育てに悩んでいるお母さんたち、“まっいっかぁ”を標語にしましょう(笑)。17歳からお母さんになって、毎日を生き生きと過ごしている臼井ちゃんの言葉には説得力があるし、世の中に勇気を与えてくれますね」

【臼井 Voice 3】

理想とする母親像に縛られず、“まっいっかぁ”の精神で日々健やかに

子育て中は、忙しすぎて精神的な余裕がなくなり感情が爆発したり、いろんなことができていない自分を責めたり後悔したり…、悲しくなることも多い。でも子育ては長い道のりなので、すべてを完璧に行おうとすると、疲れてしまい続かない。理想の母親像でなくても“まっいっかぁ”の精神でいることも必要。そして家庭は、自分にとっても、夫や子どもたちにとっても、人間として未熟な部分をお互いに受け入れ合う場所にしたいなぁと思っています。

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!」

●次週のゲストは、株式会社ツルハグループマーチャンダイジング マーケティング部長の掛水久美子さんです。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・火曜日~木曜日の19時53分~5分番組です。火曜日:ニッポン放送をキーステーションに、全国19局ネット、水曜日・木曜日:ニッポン放送をキーステーションに全国27局ネット、で放送中。聴き逃したかたは、お住まいのエリアのradikoでもお聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀

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