子宮頸がんと宣告された読者モデルの闘病記「がんと一緒に生きていく。」

2016/10/27

井ノ浦香織さん、当時35歳。生活雑誌『サンキュ!』の専属読者モデルです。
小学3年生の男の子と、6歳の女の子を育てるシングルマザー。
今から2年前の2014年、子宮頸がん宣告されました。

47mmにまで拡大したガンを取り除く手術と抗がん剤治療ののち、一度退院するも、再発。
722日にわたる闘病生活で、彼女は非公開でブログを書き続けました。
がん宣告を受けてからの出来事と、その時の心境を教えていただきました。



2014年11月 
がん宣告から子宮、卵巣、リンパ節摘出手術

子宮・卵巣を全摘出になるとは想像もしていなかったので、自分も、家族も、すべての状況・生活が変わり始めます。
手術医との些細な波長が合わないことを見逃さなかった彼女は、セカンドオピニオンという選択をとり、運命の先生と出会います。

突然のがん宣告

お医者さん探しの旅1 セカンドオピニオンに至るまで



215年3月
通院による抗がん剤治療スタート

3週間に1回抗がん剤を投与し、合計6回の抗がん剤治療を受けます。

3.14 初抗がん剤3日目、昼〜夜 副作用が始まる

抗がん剤治療中 こころ



2015年8月
子宮、卵巣、リンパ節摘出手術と抗がん剤治療終了

その時の感情をこう語っています。
「治療はもう、やりきった。不思議なくらいポジティブです。放っておいたら余命5年だったとか。抗がん剤で筆舌につくし難い気持ち悪さと倦怠感、激しい下痢と腹痛。今は抗がん剤治療が終わって体調は不安定だけど、心は元気です」


ところが、この後またもや悲劇が襲います。


2015年10月
リンパ節に再発。抗がん剤治療と放射線治療


放射線治療も開始。短期間でハードな治療に、頑張っていた心が疲れ始めます。
「骨盤に転移。私は死ぬかもしれないんだと、初めて本気で思いました。病院内でがん治療中の患者のケアをする『緩和チーム』によるカウンセリングを受け、そこで言われたことは『がんばらないこと。樫や桜の巨木のように太く揺るがない心は、今要らない。理想は柳の枝のようにしなやかな心。心も体も力を抜き、状況に心身をただゆだねて。』そんなアドバイスをいただきました。」

「今回の再発でわかったのは、がんは甘くないということ。手術や抗がん剤治療で取り去っても再発する場合もある。だけど今は、治す方法がある。だから私も簡単には死なないし、死ねない。これからの人生は、ずっとがんと一緒なんだ。それを少しずつ理解し、覚悟しつつあります。」

10.22 転移、再発の不安の日々、ネガティブ

11.9 病院で大号泣

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2016年9月
退院・現在

やっといつもの生活に戻った井ノ浦さん。これまでのこと、これからのことを教えてもらいました。

「マイナスからのスタートで今やっとゼロですね。だけどこの人生は、前とは違う。なぜならいつも隣に『がん』がいるから。うれしくはないけど、がんと一緒に生きていきます。生きていることのありがたさ。子ども立ちや両親、友達や職場の人、病院で知り合った人たちとの出会いのありがたさ。私の人生は『ありがとう』で満ちている。再発の不安を飼いならしながら、長い道のりをゆっくり歩いていこうと思います」

私の,家族の再スタート2
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2016年10月現在、井ノ浦さんは再発もなく、元気に過ごしています。
井ノ浦さんががん宣告を受けた時から722日間の闘病生活中に綴り続けた非公開ブログが、すべて公開されました。
以下でそのブログをまとめています。

「がんと一緒に生きていく。」


井ノ浦香織さん個人のブログはこちら。


最後に、彼女が今回、この闘病記を公表した理由を。
「がんを宣告されてすぐ、ネットや本で、同じがんと闘った人のブログや闘病記を探しました。でも私と同じ30代半ばの人が書いたものはとても少なく、心細かった。私の体験が少しでもだれかの励みや参考になったらいいな。そう考え、闘病記録を発表させていただくことにしました。」


彼女の闘病記は『サンキュ!』11月号にも掲載されています。

(参照:口コミサンキュ!

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