ベッドで寝ている間にアジアの女性のいびきと口を開く

心臓や脳の病気に発展するリスクも⁈危険な「いびき」を放置してはいけないのはなぜ?

2023/10/18

自分ではわかりにくい「いびき」。たとえ気づいても「疲れているのかな?」くらいに思って、そのままにしていませんか?

いびきをかきやすい人の特徴や、放置してはいけない危険ないびきについて、たいや内科クリニック院長の加藤大也氏に聞きました。

Q.いびきをかきやすい人の特徴には、どのようなものがありますか

いびきをかきやすい人には、以下のような特徴があります。

・肥満
・睡眠時無呼吸症候群
・鼻腔やのどの気道が狭いなどの身体的特徴
・睡眠時の姿勢が仰向け
・アルコールの摂取
・筋弛緩剤(筋肉の動きを弱める医薬品)の使用

これらの要因が鼻腔や気道の狭窄に関与し、いびきの原因となります。

Q.以前よりいびきが大きくなった場合、どのような理由が考えられますか

腕を組む女性

いびきが以前より大きくなる理由としては

・体重増加
・アルコールの摂取量増加
・筋弛緩剤の使用
・扁桃肥大(のどの奥にあるリンパ組織の肥大)やアデノイド増殖症(鼻の奥にあるリンパ組織の肥大)
・睡眠時無呼吸症候群の進行

などが考えられます。

Q.健康面で危険ないびきは、どんないびきでしょうか

健康面で危険ないびきには

・長時間いびきが持続する場合
・いびきとともに一時的な呼吸停止(無呼吸)がある場合

があります。
いびきが長時間続く場合は、深刻な睡眠障害の原因になり得ます。
いびきとともに無呼吸がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、未治療のまま放置すると心血管疾患(心臓の血管などに起こる病気)や脳血管疾患(脳の血管の異常で起こる病気)のリスクが高まります。

Q.自分のいびきの状態を知るためには、どうすればいいでしょうか

自分のいびきの状態を知るためには

・パートナーによる観察
・録音アプリの利用
・センサーで睡眠中の状態を調べる睡眠検査(睡眠ポリグラフ検査)

などが効果的です。
これらによって、いびきの大きさ・頻度・持続時間・睡眠の質などを評価することができます。

Q.いびきで病院を受診したほうがいい目安はありますか

医者のオフィス
Image Source/gettyimages

次のような場合は、病院を受診することをお勧めします。

・いびきが非常に大きく断続的である
・日中の過度な眠気や集中力の低下がある
・頭痛やイライラ、高血圧などの症状がある

これらの症状は睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、早期診断と治療が重要となります。

いびきに気づいたら放置せず、病院を受診する

自分ではわからなくても、パートナーに指摘されていびきをかいてると知ることもあるでしょう。また「自分のいびきで目が覚めた」なんて経験があるかたもいるかもしれません。

いずれにせよ、いびきが続くようであれば「たかが、いびき」と思わずに、一度病院を受診してみるのがよさそうです。


教えてくれたのは・・・

加藤大也さん

1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2010年5月、JA愛知厚生連豊田厚生病院 内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー。藤田医科大学医学部客員講師、医学博士、日本内科学会認定 総合内科専門医、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医

取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND