「体がなかなか温まらない」「朝起きてから体がポカポカしてくるまで時間がかかる」そんな声をよく聞く季節になりました。
「外が寒くなったから冷えている」そう思いがちですが、実は体の内側の「熱を生み出す力」が不足していることも少なくありません。今回は、40歳を過ぎると不足しがちな「熱を生む力」を高める方法を看護師で薬膳師の薬膳ナースけいこがお伝えします。
熱を作る力ってなぜ落ちるの?
東洋医学では、体の中で熱やエネルギーを生み出す力を「陽気(ようき)」と呼びます。この陽気がしっかり働いていれば、冷たい空気の中でも体は自然にポカポカと温まります。
しかし40代を過ぎると、ホルモンバランスなどの影響で熱を生み巡らせる役割を担う筋肉量が減ったり、ストレスや睡眠不足などが重なり、熱を生み巡らせる力が弱まりやすくなります。
つまり、「温めても温まらない」状態。外側からのケアだけでは、根本的な冷えを解消できないのです。
食べて熱を育てる
巡りを良くして温める
体の中で熱が作られても、巡らなければ温まりません。
おすすめは、生姜・ねぎ・にんにく・シナモン・八角・羊肉など。
香りや辛味の力で巡りを促し、手足まで血流を届けます。
血を元気にして冷えを防ぐ
血の元気度が不足していると、せっかく作った熱が全身に届きません。
黒豆・なつめ・鶏肉・かぼちゃは「血を元気にしながら温める」代表食材です。
貧血ぎみの人や、疲れが抜けない人にもおすすめです。
エネルギーを補給する
いくら代謝を高めようとしても、燃料がなければ火はつきません。
もち米・さつまいも・山芋・栗などの「自然な甘味のある食材」は、消化器系を整え、エネルギーを生み出す土台になります。
糖質を極端に減らすより、温かい主食をほどよくとることが、冬の冷え対策の近道です。
筋肉の力を活用することも大切
筋肉は、熱を生み出す働きと、ポンプのように血液を循環させて熱を巡らせる働きを持っています。つまり、筋力の低下は熱を生む力の低下と直結します。
パーソナルトレーナーについてもらって、筋トレをして鍛えるといったことができれば理想的ですが、年末が近づき忙しくなると、なかなか叶わないのが現実…といった方もいると思います。
日常生活の中で、空いた時間にできる筋肉を刺激して巡りを促す方法をお伝えしますね。
ふくらはぎのポンプ機能を鍛える
ふくらはぎは、「第二の心臓」と呼ばれるほど巡りに関して大きな役割を担います。
エレベーターや信号の待ち時間に、背伸びをするように踵を浮かせてストンと落とす。これだけですが、ふくらはぎの筋肉が刺激されて熱を生み巡らせる力を維持することに繋がります。
座ってできることも
手足は冷えやすい部位の代表格ですよね。筋肉も小さいので、こまめに動かして巡りを整えてあげることが大切です。
手、足で「グー・チョキ・パー」を作るように動かすと、血行が良くなりますよ。
また、足首を回したり、太ももを上下に動かして足踏みをするような動きも効果的です。
カイロや厚着で温めても、根本的な「熱を生む力」が不足していれば、また冷えは戻ってきます。40代からの温活は、外側だけでなく内側も温めること。
食べ方と筋力を維持して整えながら、自分の中の「熱を生む力」を少しずつ取り戻していきましょう。
■執筆/薬膳ナースけいこ
大人女子が疲れにくい体と心で生きていくために東洋医学、西洋医学、脳と心の仕組みを使った暮らしに溶け込む健康習慣を発信。看護師、薬膳師として25年以上の実践経験を持ち令和元年生まれの息子を子育て中のママでもある。
Instagramは「@keiko89zen」。
編集/サンキュ!編集部