肉を食べると健康リスクが高まる!?現役医師が教える「肉を食べるデメリット」
2020/11/17
現役医師が、みなさまの健康に役立つ情報をお届け!今回のテーマは「肉を食べるデメリット」についてです。医療法人丸岡医院の丸岡悠氏に解説してもらいます。
肉は思っている以上に身体に悪い!?
今回のテーマは「お肉」についてです。
食生活においてなくてはならない存在のお肉。それを食べることのデメリットと言われても、ほとんどの人は「食べすぎると太る?」「体臭がきつくなる?」くらいのことしか思い浮かばないと思います。
しかし、結論を先にお伝えすると…肉は思っている以上に身体に悪いです。医師の立場から言えば、多くの人にとって肉は「現時点で食べている量よりも減らすべき」ものなのです。
現代人は肉を食べすぎている?
現在、もっともエビデンス(科学的根拠)が蓄積され、健康に良いと言われている食事法は「地中海食」と言われる食事スタイルです。これは簡単に言うと、4本足の動物は月に1回、魚・鶏肉は週に1回程度、それ以外は未精製の穀類と果物、野菜、オリーブオイルなどをたくさん摂取する……という食事スタイルです。
自身の食生活と照らし合わせてみていかがですか?ほとんどの方は、お肉や魚といった動物性食品を(地中海食の尺度において)過剰に摂取している状態かと思います。
肉を食べるとガンのリスクが高まる!?
地中海食=理想の食事法、なんて言われても「自分は気にせず肉を食べる!」と考える人も多いでしょう。では、少しだけ怖いお話をさせていただきます。
世界保健機構(WHO)の外部組織である国際がん研究機構(IARC)では、さまざまな発ガン性物質がグループ分けされいます。
その中で「人に対して発がん性がある」とされているグループ1に「加工肉」、いわゆるハム、ソーセージ、ベーコンなどが含まれているのです。ちなみにほかにどんなものがグループ1に含まれているかというと、タバコや放射線などです。さらに「赤身肉」が含まれるのは、「人に対しておそらく発がん性がある」とされているグループ2A。我々が日常的に摂取している食品にそんな発ガン性があるだなんて驚きですよね。
具体的に加工肉をどれくらいの量を食べるとリスクが高まるのか、についてはIARCの上記発表などについて農林水産省がまとめたページによれば、1日当たり50gを毎日継続して摂取することで、大腸がんのリスクが18%増加する、としています。
肉を食べるときは「過ぎたるは及ばざる如し」の気持ちで
「ボディメイクには肉!」と考えて、脂が少ない赤身肉をガンガン食べている方もいるでしょうし、タンパク質摂取のために、肉を積極的に食べている人も少なくないでしょう。
もちろん、肉は栄養満点ですから前述のようなリスクがあるとは言え、「食べない」という選択は極端すぎると筆者は考えます。前述した農林水産省がまとめたページでも「農林水産省は、多くの種類の食品をバランス良く食べることが大切だと考えています。私たちの健康な生活のために必要な栄養素を摂ることが重要です。加工肉だけをたくさん食べるなど、特定の食品の食べすぎは控えましょう」という表現になっています。
しかし、現在わかっている事、まだはっきりとわかっていないリスクを鑑みると、過ぎたるは及ばざる如し……で、あることは間違いなさそうです。
昨今はフィットネスブームで、プロテインをごくごく飲んで、ささみをガンガン食べて、卵を何個も消費して……という食生活の人もいるようです。しかし、最初の話に戻りますが、本来の意味で健康的かつ、いい身体になるために必要なのは地中海食のような食事スタイルなのです。
ダイエットやボディメイク“だけ”を目的にせず、自分の生活スタイルにマッチしたうえで、健康的で継続可能な食事を探っていきたいですね。