ゴキブリが原因で火事に!?ゴキブリの噂、ウソ?ホント?を解説
2022/04/29
生命力が強いといわれるゴキブリ。「家に1匹見つけたら、100匹はいる」「殺虫剤が効かないゴキブリがいる」など、ゴキブリが苦手な人には聞くだけでもゾッとするような噂がいくつもあります。
そこで今回は、ゴキブリにまつわるさまざまな噂について、家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに検証してもらいました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
ゴキブリを1匹見つけたら、100匹いる?
日本には約60種類のゴキブリがいると言われていますが、家庭でよく見かけるのが「クロゴキブリ」と「チャバネゴキブリ」。クロゴキブリの寿命は1年半~2年程度で、その間一回に20~30個の卵を15~20回産卵します。
さらに恐ろしいのがチャバネゴキブリで、寿命こそ6ヶ月程度と短いものの、約2ヶ月程度で成虫となり、一回に30~40個の卵を3~7回産卵します。
つまり、1匹のゴキブリが一回産卵するだけで数十匹のゴキブリが生まれるわけで、1匹見つけたら、100匹いても決しておかしくはないと考えておいた方がいいでしょう。
また、西日本を中心に生息する「ワモンゴキブリ」は、なんとオスがいなくても繁殖できてしまうそう。オスがいない状況下では、メスだけでも卵を産む「単為生殖」を行うことがあることがわかっています。おそるべしゴキブリの繁殖力。
ゴキブリは水さえあれば生きられる?
ゴキブリは水さえあれば…どころか、水も餌もなくても、一週間以上生きられるという報告があります。成虫よりも幼虫の方が、オスよりもメスの方が水も餌もなしで長く生存でき、水さえあれば、それよりも長く生きていられるとのこと。
さすがのゴキブリも水だけで永遠に生き続けることはできませんが、飢餓にも乾燥にも相当に強いことがわかります。
ゴキブリは雑食性で、なんでも食べると言われています。パンくずやご飯粒などの食べこぼしはもちろん、油や髪の毛、人間の皮脂なども餌にします。人が暮らしていれば、どうしても出てしまうゴミや汚れですが、できるだけこまめに掃除をし、清潔を保つことがゴキブリの居つきにくい環境につながります。
ゴキブリを叩き殺すと、卵をまき散らす?
ゴキブリの卵は、卵鞘(らんしょう)という固い殻に包まれています。これは叩いたくらいでは潰れず、その中に入っている卵がまき散らされることはありません。
ただし、死に際に卵鞘(らんしょう)を産み落とすることも。また、ゴキブリによっては孵化するまで卵鞘をお腹につけているものもおり、危機が迫ると、これを切り離すことがあるとも言います。
卵鞘は叩殺虫剤も効きにくく、ゴキブリ自体が死んでも、卵鞘が残ってしまえば、そこから繁殖が始まる可能性があります。卵鞘は小豆のような見た目をしており、家電の裏や収納の奥、コンロの下などに産み付けられていることが多いです。見つけたら、ビニール袋などに入れて棒などで叩きつぶすか、熱湯をかけて、しっかりと駆除しましょう。
殺虫剤が効かないゴキブリがいる?
従来の殺虫剤では効果がないゴキブリが増えていると言われています。駆除剤の使用後に生き残った個体が子孫を残し、どんどん耐性を強めているとのこと。特にチャバネゴキブリに殺虫剤耐性ゴキブリとなるものが現れやすいと言われています。
一般家庭よりも飲食店によく出るゴキブリなので、同じ建物内に飲食店が入っていたり、隣接していたりする場合は出やすいと考えられるでしょう。殺虫剤を使ってもあまり効果が感じられないという場合は、成分の異なる別の殺虫剤を試してみるなど、工夫する必要があります。
なお、殺虫剤以外でもゴキブリ撃退には洗剤類やアルコール除菌スプレーも効果的。ゴキブリにかけると、空気を取り込む気門が塞がれ、窒息死します。家庭に常備されているものなので、殺虫剤が見つからないときにも使えます。
ゴキブリが原因で火事が起こったことがある?
ゴキブリなどの虫がエアコンや電気ブレーカーの内部に入り込んだことで漏電が起こり、火災につながった例があります。エアコンや電気ブレーカーの中は暗くて狭く、温かいため、ゴキブリにとって居心地のいい場所です。電気ブレーカーはまめに確認する場所ではないので、難しいかもしれませんが、エアコンはゴキブリを居つかせないためにも、定期的なお手入れを忘れないようにしましょう。
ゴキブリがエアコン内部に入り込む原因のひとつに、エアコンから出る水を外に排水するドレンホースが考えられます。外から室内機につながっているため、そこをつたって侵入してくる可能性があります。ドレンホースの先にキャップやネットをかぶせておくと、ゴキブリに限らず、小さな虫の侵入も防ぐことができ、安心です。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。