フローリングの黒ずみを掃除する方法|洗剤や無水エタノールの使い方を紹介
2022/10/21
掃除をしているのに、いつの間にか黒ずんできてしまうフローリングの床。しかも、その黒ずみがなかなか取れず、どうしたらいいのだろう?と悩んでしまうこともありますよね。床は毎日目にするところですから、気になりだすと、どうにかしたい!と思うものです。でも、ゴシゴシこすって床が傷ついては困るし、自力できれいにするのは無理なのかもとも思ってしまいます。
この記事では、自分でフローリングの黒ずみを除去する方法をお伝えしています。まずは、黒ずみができる要因を解説。それから、洗剤や無水エタノールを使うなど、それぞれの要因に合った掃除の方法やポイントをご紹介しています。フローリングの黒ずみを落として、スッキリきれいな床を手に入れましょう。
フローリングに黒ずみができる要因
普通に生活しているだけなのに、気づけば黒ずみが目立ってくるフローリング。フローリングの黒ずみは、特に汚した覚えがなくても発生していて、原因に心当たりがないことも多いものです。汚れを拭かず、そのままにしてしまったというようなことはないのに、一体どうしてフローリングが黒ずんでくるのでしょうか。理由がわからなければ、対策も取れませんよね。
そこで、フローリングに黒ずみができる主な要因5つを解説していきます。原因は、ひとつだけに限ったことではありません。いくつかの要因が重なっている場合もありますよ。
油によるもの
主にキッチン周りの床に多くできるのが、油による黒ずみです。油汚れには気をつけているし、我が家はキッチンマットを敷いているから大丈夫と安心しているかもしれません。
しかし、料理中の油の飛び散りは、思っている以上に遠くまで及びます。まさかこんなところまで油が飛ぶわけはないよね?と気づかずに放っておけば、それがいつしか黒ずみへと変わってしまうのです。油は予想以上に飛ぶということを覚えておきましょう。
皮脂によるもの
フローリングの黒ずみの最も大きな要因のひとつが、皮脂によるものです。中でも、足裏の皮脂がその原因。
人間の足の裏は汗をかきやすいため、人が歩くことが多いフローリングには黒ずみができやすいのです。リビングや廊下など、人がよく通るところの黒ずみの原因は、皮脂によることが多いでしょう。
特に、素足で過ごすことの多い夏場や、素足でいることの多い小さなお子さんのいる家庭では、注意が必要です。
湿気によるもの
湿気の多い場所でのフローリングの黒ずみは、黒カビであることが多いものです。主に、結露ができやすい窓の近くや、お風呂場や洗面所近くのフローリングなどで発生します。
また、布団をフローリングの上に敷きっぱなしにしていると、寝ている間にかいた汗が湿気となり、カビが生えて床が黒ずんでしまいますよ。こまめに換気をしたり、布団は敷きっぱなしにはしないなど、湿気がこもらないようにすることが大切ですね。
飲料水や雨水の放置によるもの
飲料水を床にこぼしてしまったり、雨で濡れた荷物を床に置いてしまったりなど、日常生活の中で床を濡らしてしまうこともあります。すぐに拭き取ったり掃除をする場合はいいのですが、気づかずにそのまま放置してしまうこともありますよね。
床についた液体を長時間そのままにしておくと、フローリングが腐ってしまい、黒く変色してしまいます。こういった黒ずみは、掃除をしても元のように戻すことができません。
ワックスの劣化によるもの
ワックスは、フローリングを美しく見せたり保護してくれたりしますが、時間が経てば劣化してしまいます。ワックスが劣化して剥がれてくるとムラが目立つようになり、それが黒ずんで見えてくるのです。
ワックスは一回かければ終わりではなく、お手入れが必要ですよ。古くなり黒ずんできたワックスは、一度きれいに剥がし、再度ワックスをかけ直すのがおすすめです。
フローリングの黒ずみを除去する前に行いたいこと
毎日きちんと掃除をしていても、いつの間にかできてしまう黒ずみ。しょうがないと思ってしまいますが、いつもの掃除に加えて行う対策で、黒ずみを除去することができますよ。まずは、フローリングの黒ずみを除去する前に行いたいことを説明します。
最初に、フローリングのホコリを完全に取ります。ホコリが残っている状態では水拭きをしても逆に汚くなってしまいますよ。フロアシートで表面のホコリを取り、それから掃除機を使って溝の奥の汚れを吸い取ります。ホコリが取れたら、黒ずみの原因に合わせた方法で、それぞれ掃除をしていきましょう。
フローリングの黒ずみを除去する方法
フローリングの黒ずみの要因は、主に5つであることをお話しました。要因が違えば、掃除の方法も違ってきます。油汚れの黒ずみがきれいになったからといって、同じ方法で他の黒ずみが必ずきれいになるわけではありません。
きちんと黒ずみを除去するには、それぞれの要因に適した方法で行うことが大切ですよ。また、同じ汚れでもアプローチがひとつだけではなく、洗剤を使う場合と使わない場合など別の方法で行える場合もあります。
ここでは要因別に、フローリングの黒ずみを除去する方法を解説していきます。
油による黒ずみを掃除する方法
キッチンの床など油による黒ずみには、オレンジ油が入った洗剤がおすすめです。オレンジ油には「リモネン」という成分が含まれていて、油脂との親和性が高いという特徴があります。ですから、オレンジ油入りの洗剤は、油汚れを浮かせて落とす効果が高いのです。
オレンジ油入りの洗剤で黒ずみを落としたら、丁寧に水拭きをして、洗剤分をよく拭き取りましょう。最後にワックスをかければおしまいです。
皮脂汚れによる黒ずみを洗剤で掃除する方法
皮脂汚れによる黒ずみには、食器用洗剤を使うのがおすすめです。食器用洗剤は強い成分も入っておらず、油汚れに効果を発揮してくれます。それは皮脂汚れにも有効ですよ。泡立ってしまうのでは?と思うかもしれませんが、通常の水拭きに少し加える程度で大丈夫です。
それでも落ちない頑固な黒ずみには、メラミンスポンジを使い、傷をつけないよう気をつけながら掃除をしてください。溝の部分など細かいところには歯ブラシや爪楊枝を使いましょう。
皮脂汚れによる黒ずみを高温スチームクリーナーで掃除する方法
床の素材によっては、洗剤を使いにくかったりする場合もあります。そんなときには、高温スチームクリーナーを使うのがおすすめですよ。洗剤を使わずに黒ずみを落としてくれます。
高温で掃除をするため、除菌効果も期待できますよ。小さなお子さんがいるなど、なるべく洗剤は使いたくないという人にもいいですね。
高温スチームクリーナーが使えないフローリングもありますので、よく確認してから使うのが大切です。
カビによる黒ずみを酢やクエン酸で掃除する方法
カビによる黒ずみは、酢やクエン酸で除去することができますよ。酢やクエン酸を雑巾に含ませて、カビを拭き取ります。カビによる黒ずみ部分が拭き取れたら、その後はきれいに水拭きをしてください。
それでも取れない頑固な汚れには、フローリング専用の洗剤を使うのがいいでしょう。専用洗剤を使うと、汚れだけでなくワックスも取れてしまいます。掃除の後はワックスがけも忘れないでくださいね。
カビによる黒ずみを無水エタノールで掃除する方法
カビによる黒ずみ除去は、無水エタノールを使う方法もあります。まずは、雑巾による水拭きで、取り除けるカビをできるだけ落としておきます。それから、80%の濃度に希釈してスプレーボトルに入れた無水エタノールを吹きつけます。最後に雑巾で拭き取っておしまいです。
無水エタノールを使う場合、フローリングが色落ちすることがあります。使用前に目立たないところで試してみるなど注意して使ってくださいね。
フローリングの黒ずみを除去するポイント
嫌なフローリングの黒ずみは、しっかり掃除してスッキリきれいにしてしまいたいものですよね。しかし、黒ずみを落とす際の掃除方法によっては、きれいにするどころか逆にフローリングにダメージを与えてしまう場合もあるんです。
せっかく苦労して黒ずみをきれいにしたのに、フローリングが傷んでしまっては悲しいですよね。でも大丈夫。以下のポイントに気をつけて黒ずみを除去していきましょう。
・フローリングは毎日掃除する
・点のように固まった汚れは綿棒を使う
それぞれのポイントを詳しく解説していきますよ。
フローリングは毎日掃除する
フローリングは基本的に毎日お掃除することが大切です。週に一回しっかりと掃除しているから大丈夫!と思うかもしれません。ですが、週に一回大掃除をするよりも、毎日モップやフロアシートをかける方がきれいを保てますし、手軽です。
毎日掃除をする時間がない場合は、フロアコーティングで汚れや傷がつきにくい環境を作ることも有効ですよ。キッチンとリビングを合わせた約20畳のフロアコーティングで、価格は10万~20万円ほど。種類によりますが、だいたい20年くらい効果が持続します。
点のように固まった汚れは綿棒を使う
たまに見かける黒い点のように固まった汚れは、力任せに無理に取ろうとせずに、綿棒を使いましょう。ヘラなどで剥がしたくなるかもしれませんが、床を傷つけることもあるので、綿棒がおすすめですよ。
まず綿棒を洗剤に浸してから、汚れの塊にちょんちょんと洗剤を含ませます。そのまま2~3分ほど待って汚れが緩んできたら、雑巾などで拭き取りましょう。ゴシゴシこすらずに落とすことができますよ。
フローリングの黒ずみを除去するときの注意点
フローリングの黒ずみは、洗剤や無水エタノールなどで除去できることがわかりました。それなら案外簡単に落ちそうだと自己流でもやってみたくなりますが、それがかえってフローリングを傷つける原因になってしまうこともありますよ。
洗剤の代わりに、市販の洗剤よりも優しいイメージのある重曹やセスキ炭酸ソーダを使いたくなる人もいるかもしれません。ですがそれらはフローリングの掃除には向きません。
使わない方がいいアイテムや、黒ずみを除去した後の注意点をご紹介します。
セスキ炭酸ソーダの使用を控える
ナチュラルなイメージがあるセスキ炭酸ソーダですが、じつは洗浄力が強くアルカリ度が高いという特徴があります。重曹よりもセスキ炭酸ソーダの方がさらにアルカリ度は高いのです。
そのため、フローリングの掃除に使用すると、ワックスやコーティング剤を剥がしてしまいます。他の部分の掃除には使いやすく便利なものですが、フローリングには向きません。床の黒ずみ落としには、セスキ炭酸ソーダの使用は控えましょう。
重曹の使用を控える
重曹もまた、ナチュラルで優しい洗剤というイメージですよね。頑固な汚れを優しく落としてくれそうな感じがします。
確かに、キッチンなど頑固な汚れに強い重曹ですが、それは研磨力が強いという特徴があるためです。
こびりついた汚れを取ってくれるかもしれませんが、床掃除に使用すると、ワックスが剥げるだけでなく、床を傷つけてしまう可能性もありますよ。フローリングの掃除には、重曹の使用は控えましょう。
メラミンスポンジによる色落ちに気をつける
洗剤を使わずに使えて、汚れ落ちもいいメラミンスポンジは手軽で便利ですが、汚れ落ちがいいだけに床を傷めてしまう場合もありますよ。
また、色が濃いフローリングに使うと、色落ちのリスクもあります。そのようなフローリングには使わない方がいいですね。
他の場合も、目立たないところで試してから使用するなど、メラミンスポンジを使用する際には注意が必要です。
ワックスがけは塗り方と事前の掃除残しに気をつける
床を保護しながら美しさを保ってくれるワックスですが、注意して塗らなければ、せっかくの掃除が台なしになってしまうこともあります。
まずは、ワックスをかける前に、見えにくい汚れまで残さずに掃除をすること。汚れが残ったままワックスをかけると、ワックスの中に汚れを閉じ込めることになってしまいます。また、塗り方や乾燥時間を守ることも大切ですよ。間違った塗り方や不十分な乾燥時間ではワックスが剥がれやすくなり、そこが黒ずみの原因となってしまいます。
フローリングの黒ずみの掃除方法と注意点を理解しましょう
今回は、フローリングの黒ずみを掃除する方法をご紹介しました。
人が生活していれば、ある程度は仕方がないフローリングの汚れ。黒ずみが発生しても要因別に対処をすれば、多くは普通の洗剤で掃除をすることが可能です。もう諦めるしかないのかな?と思っていた黒ずみも、それぞれの汚れに合った掃除方法できれいになりますよ。
毎日の掃除はもちろんのこと、床を傷つけるおそれのあるものの使用を避けるなど、注意点を理解しながら黒ずみを掃除して、きれいな床を手に入れましょう。
■執筆/マミさん…以前家政婦として活動していた知識と20年超えの主婦業で培った経験を生かした、簡単な掃除や料理アイデアが人気の家事クリエイター。インスタグラムは@m.a.m.i.a
編集/サンキュ!編集部