マグロの刺身、伝統的な日本のスタイルで生の魚

「マグロ」の冷凍方法は?上手な保存のコツやおいしい活用レシピを紹介

2023/01/25

生のマグロはおいしく冷凍できるのでしょうか。本記事では家庭でできるマグロの上手な冷凍・解凍方法を解説します。ポイントを押さえればマグロのおいしさを逃すことなく保存でき、解凍後はアレンジレシピを活用することでよりマグロを味わえるでしょう。ぜひ参考にしてください。

マグロをおいしく冷凍するコツ

上手に冷凍するコツを知れば、家庭でもマグロをおいしく冷凍保存できます。

マグロを冷凍する際の基本は、空気に触れさせないよう下処理し急速冷凍することです。また、マイナス50℃以下で保存することで、赤身が黒ずむのを防げます。

おいしさはドリップの中に

ドリップとは解凍時に出る汁のことを言います。旨味が詰まっているため、おいしさを保つためにはなるべくドリップを出さないことが重要です。

家庭用の冷凍庫は約-18℃ですが、生のマグロを冷凍するには高い温度です。家庭の冷凍庫ではいわゆる「緩慢冷凍」「ゆっくり冷凍」になってしまい、おいしさが保てない原因となります。

マグロの温度をゆっくり下げると品質の劣化にもつながり、細胞間の水分が大きな氷粒となり細胞を破壊します。これがドリップの原因です。

家庭用冷凍庫で脱ゆっくり冷凍!

家庭用冷凍庫で「緩慢冷凍」「ゆっくり冷凍」を防ぐには、金属製のトレーや冷凍庫の急速冷凍機能を用いる方法があります。

金属製のトレーやバットは熱伝導率が高いため、食材の温度を素早く下げます。逆に、発泡スチロールは断熱効果が高いため適していません。

もうひとつのコツはマグロをなるべく小さく、薄く切ることです。また、冷凍中に冷凍庫を開けないことでも急速冷凍の効果を高められます。

マグロの乾燥や冷凍焼けを防ぐため食品用ラップや保存袋で包み、なるべく空気に触れさせないことも大切です。

マグロの冷凍保存方法は大きく分けて2つ

購入したマグロを冷凍する方法は大きく分けて2つあります。用途によって使い分けることで、食べるときに時短になり便利です。

また、解凍後に刺身で食べる場合は、サクで購入したものをなるべく早く冷凍しましょう。切り身や刺身は空気に触れる面積が大きく劣化が速いため注意が必要です。切り身や刺身を冷凍した場合は解凍後に加熱調理しましょう。

マグロ以外の、カツオやアジ、サバといった傷みやすい魚は冷凍保存には向かないため、気をつけてください。

そのまま冷凍保存

そのまま冷凍する方法では、マグロをなるべく小さく薄く切り(サクで購入した場合)、金属製のトレーやバットに重ならないよう並べて冷凍庫に入れます。

冷凍前に、キッチンペーパーで身を軽く押さえドリップを取り除きましょう。ドリップが残っていると生臭さの原因になります。

ラップでぴったりと包んでから冷凍用保存袋に入れて、できるだけ空気を抜き冷凍します。

下味を付けて冷凍保存

刺身のマグロは下味をつけて冷凍するのがおすすめです。

冷凍用保存袋にマグロを入れ、混ぜ合わせた調味液を入れます。空気をしっかり抜いてから袋の口を閉じてバットの上で急速冷凍しましょう。

調味液はマグロ160gにつき、醤油大さじ1、酒大さじ2、みりん大さじ2が目安です。酒とみりんを煮切り、冷めてから使うと味わいがまろやかになります。

煮切りとは、みりんや酒のアルコールを蒸発させる和食の調理法です。大さじ1程度の少量の場合は、電子レンジで加熱(600Wで50~60秒程度)する方法があります。

マグロの解凍方法

まぐろの刺身肉のスライス
popovaphoto/gettyimages

前述のように、旨味が詰まったドリップをなるべく出さないことがおいしく解凍するコツです。ここでは、おいしさを逃さない解凍法を2つご紹介します。

また、マグロを解凍する際は、なるべく食べる直前まで空気に触れさせないようにし、必ず一度で使い切りましょう。味や色が劣化するため、再冷凍はしないでください。

誤った方法で解凍すると、マグロの鮮度が著しく落ちたり、腐ったりすることがあるため気をつけましょう。

温水解凍の方法

温塩水を用いるやり方は昔から利用されてきた解凍法です。海水に近い濃度の塩水を使うことで、旨味を逃さず解凍できます。

温水で解凍するにはまず、温水(お風呂の温度くらい)に塩を入れ3%程度の塩水を作ってください。その中にマグロを1~2分程度浸したあと、水道水でざっと洗い流します(洗いすぎると水っぽくなる)。

キッチンペーパーできちんと水気を取ったら新しいキッチンペーパーで包んで皿にのせ、食品用ラップをかけて冷蔵庫で半日ほど寝かせます。

氷水解凍の方法

氷水解凍ではマグロをー3℃~0℃で解凍します。氷温で解凍することで、細胞を傷つけず、ドリップが出るのを防げます。マグロ以外の食材にも応用できるため、覚えておくと便利でしょう。

まず、海水より少し薄めの塩水で凍ったマグロを洗います。これは解凍後に旨味を感じやすくするためです。キッチンペーパーで水気をよく拭き取り、保存袋に入れたら空気をしっかり抜きましょう(食品用ラップは不要)。

ボールに氷水を用意し、保存袋に入れたマグロを1時間程度沈ませておきます。解凍させたマグロを袋から取り出し、水分をキッチンペーパーで拭きます。新しいキッチンペーパーでマグロを包み皿にのせ、食品用ラップをかけて冷蔵庫で半日寝かせましょう。

寝かせることで熟成し旨味が増しますが、寝かし過ぎるとマグロが黒ずんできます。

冷凍マグロの保存期間は?

そのまま冷凍したマグロは2~3日程度、下味をつけた場合は2週間程度保存可能になります。

しかし、冷凍したあとも鮮度が落ちていくため、できる限り早めに使い切るようにしてください。

冷凍したマグロの活用レシピ

冷凍したマグロはそのままでもおいしく食べられますが、アレンジしても楽しめます。アレンジレシピによって冷凍の方法を使い分けると、さらに便利に活用することができるでしょう。

まぐろの漬け丼

出典:白ごはん.com

下味冷凍しておけば、解凍してすぐに食べられるのが嬉しい、マグロの漬け丼レシピです。

家で作ることで、薬味や漬けダレの味付けなど、好みに仕上げられるのがメリットです。赤身と中トロを組み合わせたり、酢飯と合わせてみたりなど、アレンジも広がります。

まぐろのカツ

出典:E・レシピ

マグロをいつもとは少し変えて、おかずとして楽しみたいという人におすすめのレシピです。

外の衣はこんがりカリッとするまで揚げ、中はレアになっています。塩やウスターソースなど、好みの薬味や味付けで食べてみましょう。

アボカドとマグロのカルパッチョ

出典:E・レシピ

カルパッチョはさまざまなアレンジで作れるのが魅力ですが、アボカドとマグロのカルパッチョは定番とも言える一品です。

食感が似ているアボカドとマグロの相性がとてもよく、おもてなしにもぴったりでしょう。

赤身のマグロは、醤油やニンニクなど濃いめのソース、玉ねぎなどとの組み合わせもおすすめですが、ドレッシングや薬味、野菜など、好みにアレンジして作ってみましょう。

マグロを正しく冷凍しておいしく食べよう

この記事ではマグロをおいしく冷凍・解凍するコツを解説しました。急速冷凍や適切な下処理、解凍方法を用いることで、家庭の冷凍庫でもおいしさを逃すことなく保存できます。

解凍後はアレンジレシピを活用すれば、いつもとは違ったマグロの食べ方を楽しめます。本記事を参考に、冷凍したマグロをおいしく食べましょう。

参考にしたサイト

 
 

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