原因別にみる排水口の臭いを取る6つの方法|場所別の対策を解説
2023/02/12
料理をしているとき、お風呂に入っているとき、洗濯物を回しているとき、顔を洗っているとき……「なんか臭いな」と思うことはないでしょうか?嫌な臭いがしてきているときは、異常発生のお知らせのサインです。
嫌な臭いはするけど、そのままにしておいても、そのうち臭いも消えるだろうと思っていませんか?それは間違いです。臭いには必ず、何かしらの原因があります。汚れが溜まっているのか、雑菌が繁殖しているのか、排水パーツに隙間ができ、下水の臭いがあがってきているのかなど、原因もひとつではありません。
原因がひとつではないということは、対処方法もひとつではないということです。原因に合った対処方法があります。間違った対処方法をすることで、排水パーツを傷めてしまう危険性もありますので、注意しましょう。ここでは、排水口の嫌な臭いの原因を場所別に紹介していきます。
排水口の臭いを取るにはどうすればいいの?
排水口から嫌な臭いがしてくるなという経験をされたかたは、少なくないと思います。気持ちよく湯船に浸かっていても、お風呂の排水口からドブ臭いようなにおいがしてくると、リラックスしきれません。
また、キッチンシンクの排水口から生臭いようなにおいがすると、せっかく料理をしていてもつくる楽しさも薄れてしまいます。家の中にはいくつも排水口があります。各所から発する嫌な臭いには、さまざまな原因があり、原因によって対処方法も変わってきます。何が原因として考えられるかをまずは知ることが大切です。
原因別にみる排水口の臭いを取る6つの方法
ここでは、原因別に排水口の臭いを取る方法を6つ紹介していきます。排水口から嫌な臭いがでてきたなと思ったら、まずは、どのような原因なのかを突き止めていきましょう。
悪臭の原因もたくさんあります。原因を突き止め、そこをピンポイントで解消しなければ、悪臭は食い止められません。ふだん目にしないようなパーツが原因の可能性もあります。
以下に紹介する6つの方法を把握していれば、スムーズに対処することができますので、参考にしてみてください。
1:排水管にごみが溜まっている
油汚れやごみなどが蓄積すると、排水管の中の水の流れが悪くなります。そして、これが悪臭の原因にもなります。排水管の掃除は、パイプの詰まりを解消してくれる専用の洗剤を使用してみてください。強力な洗剤になりますので、取扱説明書をよく読み、用法用量を守りながら掃除してみてください。
それでも詰まりや悪臭が解決しない場合は、専門業者に依頼して、溜まっている汚れを取り出してもらわなければなりません。そうならないように注意していきましょう。
2:排水ホースと塩ビ管の間に隙間がある
排水ホースと床下の塩ビ管の連結部分に隙間があると、下水の臭いが上がってくることがあります。確認するためには、シンク下の収納部分を確認してみてください。排水カバーを外すと、排水ホースと塩ビ管の連結部が見えます。この連結部に隙間がないかチェックしましょう。
隙間がある場合は、塩ビ管の口径にあった防臭ゴムを取りつけましょう。または、配水管用のパテを購入して隙間を埋めましょう。どちらもホームセンターかネット上で購入することができます。
3:配管に不具合がある
排水パイプと排水管のつなぎ目に隙間がある場合は、その隙間から下水の臭いが漏れてしまいます。この隙間を埋めることで悪臭を解決することができます。もし自分で隙間を埋めるのであれば、防臭ゴム、パテ、補修テープが有効です。これらは、ホームセンターで購入することができ、簡単に取りつけることができます。
隙間を埋めるパテは、粘土のように形を整えることができ、隙間の大きさに柔軟に対応することができますので、おすすめの補修道具です。
自分でやるのが難しい場合は、プロの業者にお願いしましょう。
4:ワントラップがしっかり取りつけられていない
ゴミの受け皿を取ると、凸凹のお椀のようなパーツの部分が見えます。これを、ワントラップといいます。このワントラップの取りつけがあまいと、排水口が臭う原因となります。一般的に、ワンとラップは、左に回すと外れ、右に回すとロックできます。ワントラップがきちんと取りつけられているか確認をしましょう。もしも破損していたら、型番を調べ、メーカーに問い合わせをして、交換をしましょう。
5:封水がなくなっている
排水口には、ゴミ受けの下にプラスチック製のワントラップがあります。そのワントラップを外すと、排水口の中央にパイプが見えます。そのパイプのまわりには、水が溜まるようになっています。その水を封水といいます。
長期間水を使わないと、封水が蒸発してなくなってしまい、悪臭の要因になります。この場合は、すぐに水を流せば、悪臭は解消されます。しかし、頻繁に水を使用しているのに、封水に水が溜まらない場合は、ワントラップが壊れているか排水管が詰まっている可能性があります。その場合は、業者に相談しましょう。
6:ごみ受けにごみが溜まっている
排水口のごみ受けには、食べカスや油などの汚れが付着します。こまめに汚れを取り除く必要があります。汚れを放置していると、ヌメリとなり、悪臭を引き起こします。そして、雑菌も繁殖してしまいます。これは、日々のこまめな掃除で解決することができます。ゴミ受けに排水ネットを取りつけると、溜まったごみもすぐに処分することができます。最低でも週に1回は掃除しましょう。夏場などは、悪臭とともに、虫が発生することもありますので、週に3回くらいは掃除することをおすすめします。
ごみ受け掃除――塩素系漂白剤を使う場合
汚れがひどい場合は、塩素系漂白剤を使用しましょう。ヌメリ汚れをしっかりと取ることができます。塩素系漂白剤は、強力な洗剤ですので、使用する際は、必ずゴム手袋や眼鏡を着用しましょう。掃除の際は、ごみを捨て、パーツを分解します。それぞれのパーツに洗剤を吹きかけ、5分~10分程度放置します。取りにくい汚れの箇所は、ブラシでこするなどして、洗います。最後は、洗剤が残留しないようにしっかりと洗い流しましょう。
ごみ受け掃除――台所洗剤を使う場合
日々の掃除であれば、台所洗剤で十分きれいになります。まずは、ゴミを捨て、パーツを分解します。掃除用のスポンジに台所洗剤をつけて、洗います。スポンジで取り切れない汚れは、ブラシなどでこすり落としましょう。その後、しっかりと水で洗い流しましょう。こまめに台所洗剤で日々掃除をしていると、悪臭を予防することができます。
エリア別による排水口の臭いにおいを消す4つの対策
排水口は、家の中にいくつも存在します。そして、場所によって、悪臭の原因は異なります。洗面台ひとつをとっても、悪臭の原因は複数あります。エリア別に排水口の臭いの原因について紹介していきます。エリア別だけでなく、さらにこまかく、原因別に対処方法を紹介していきます。
いろいろ試してみたけど、悪臭が解消しないという場合は、専門の業者に相談する必要も出てくるかもしれません。自分で解消できる範囲なのかを確かめるためにも、以下の方法を参考にしてみてください。
1:洗濯機の排水口の場合
洗濯機の排水口の悪臭の原因はさまざまです。排水口の汚れ、カビや雑菌、封水がない、排水パイプと排水管の結合部に隙間があるなどが考えられます。洗濯機の排水口の掃除手順を紹介していきます。
まず、作業前は、必ず電源プラグを抜き、蛇口を締めましょう。そして、排水口の部品を外し、ゴミを取り除きましょう。このときに、割りばしやキッチンペーパーなどがあれば、掃除しやすいです。ごみを取り除いた後は、スポンジやブラシで洗いましょう。排水口は、排水管用の洗剤で洗浄しましょう。
2:お風呂の排水口の場合
お風呂の排水口も悪臭がしやすい箇所です。皮脂汚れ、髪の毛、石鹸カスなどが毎日流れ込みます。お風呂の排水口のフタとゴミ受けを取ると、ワントラップが設置されています。ワントラップのまわりには、封水と呼ばれる水が溜まっています。これは、下水からの悪臭を防ぐためです。封水の水がなくなっている場合は、水を溜めましょう。ワントラップがない場合や封水があるのに、臭いがひどい場合は、排水管の奥の汚れが原因かもしれません。その場合は、排水管用の洗剤で掃除してみてください。
3:洗面所の排水口の場合
洗面所の排水口の臭いの原因にもさまざまなものがあります。まずは、髪の毛や石鹸カスなどの汚れにより、雑菌が繁殖した場合。まずは、排水栓を取ります。そしてごみを取り除き、排水栓と排水口に塩素系漂白剤を吹きつけ、数分放置した後に、スポンジやブラシでこすりながら洗い流して完了です。次に、封水がなくなり、悪臭がする場合。洗面台の場合は、封水がなくなっているかは、目視では確認できませんが、悪臭がしたら、ひとまずゆっくり水を流して悪臭が解消するか確かめましょう。最後に、排水管に異常があり、悪臭がする場合。洗面台の下の収納部分にある、排水パイプと排水管の結合部に隙間がないかチェックします。隙間があると、下水の臭いが上がってきますので、パテなどで隙間を埋めてみてください。
4:キッチンの排水口の場合
キッチンの排水口の悪臭の原因には大きく4つあります。ゴミ受けやワンがある排水トラップまわりの汚れ、排水ホース内部の汚れ、排水ホースと塩ビパイプの隙間、排水マスまわりの汚れ、以上の4つです。汚れている箇所は、ゴミを取り除き、塩素系洗剤とスポンジ、ブラシを使って洗います。手の届かない箇所の汚れは、排水管用の洗剤を活用しましょう。隙間が生じたことにより、下水の臭いがする場合は、パテや補修テープなどで隙間を埋めましょう。
キッチンの排水口の臭いを予防する4つの方法
キッチンの排水口から発せられる臭いの原因もさまざまです。ここでは、臭いが発生してからでなく、発生しないようにするための予防策を4つ紹介していきます。
日々の家事のなかで、ついで掃除としてできることもあります。いざ汚れが溜まってからでは、掃除も大変です。頑固な汚れにしないためにも、意識をしていきましょう。
とくにキッチンは、料理をする場所ですので、悪臭はより避けたい場所です。紹介する4つの予防策は、どれも簡単で、今日から始められることばかりですので、ぜひお試しください。
1:アルコール除菌スプレーを排水口にかける
排水口の嫌な臭いは、ヌメリや菌の繁殖が原因です。そこで、活躍してくれるのが、アルコール除菌スプレーです。アルコールは、菌の繁殖を抑えてくれる効果があります。キッチンにアルコール除菌スプレーを置き、毎日食器洗いなどが終わった後に、排水口に吹きかけておくことをおすすめします。
除菌効果が持続しやすいアルコールスプレーなら、毎日一吹きするだけでOK。雑菌が繁殖しにくい環境をつくっていきましょう。またクエン酸スプレーにも、抗菌作用がありますので、お好みで活用してみてください。
2:50℃から60℃の湯を排水口にかける
嫌な臭いがする雑菌は、基本的に熱に弱いです。50℃以上で、菌が繁殖しにくくなります。そこで、嫌な臭いがしたときに、50~60℃のお湯を排水口にかけてみてください。臭いの解消に繋がります。しかし、60℃以上の熱湯をかけると、排水管が傷み、破損の恐れもあります。熱湯をかけすぎないように注意をしましょう。
あくまで、臭いの原因となる、ごみや汚れを取り除いた後にお湯をかけて臭いを抑えるという対処方法です。排水トラップまわりの汚れをそのままにして、ただお湯をかけるということは避けましょう。
3:アルミホイルをゴミ受けに置く
アルミホイルは、水にぬれると、アルミニウムイオンを発生します。このアルミニウムイオンが、抗菌作用を発揮してくれます。ヌメリ防止にもいいとされていますので、2cmくらいに丸めたアルミホイルを1~2個、排水口のゴミ受けにいれておくといいでしょう。くれぐれも丸めたアルミホイルを排水パイプに落とさないように注意しましょう。
4:油を排水口に流さないようにする
油をそのまま排水口に流してしまうと、排水パーツにも環境にもよくありません。油は、排水パーツに付着しやすく、付着した箇所が腐敗して悪臭を発生させてしまいます。料理後のフライパンの油は、キッチンペーパーなどでしっかりと拭き取り、排水口に流さないように気をつけましょう。
排水パーツに油が付着すると、そのほかの汚れも油汚れにくっつき、次々と汚れが溜まってしまいます。目に見えない箇所で、汚れが塊となり、水の流れが悪くなったり、最悪の場合は、詰まってしまったりという事態も引き起こしかねませんので、注意が必要です。
排水口の臭いの原因を知って対処しよう
排水口から発生する嫌な臭い。「なんか臭い」という経験はたくさんのかたがあるのではないでしょうか。どこが臭いのか、何が原因なのかで対処方法も変わってきます。キッチン、洗面台、浴室、洗濯機、これら4ヵ所の排水口でも悪臭の原因は異なります。まずは、原因を探るとこから始めてみてください。
原因がわかれば、次に対処方法が決まってきます。やみくもに洗剤を使用したり、排水管を硬いブラシでゴシゴシしたりしてしまうと、排水パーツが破損する恐れもあります。いざというときのために、正しい方法をしっかりと把握しておきましょう。
■執筆/坂田亜希…家の景色を変えるハウスクリーニング士。家事代行のサービス提供者として、日々の小さな心がけで汚れもイライラも溜まらないようなコツを発信。