抗菌性アルコール消毒剤を噴霧する女性白人の手

カビ、ニオイ対策にも有効!?梅雨時の上手なアルコール消毒液の使い方

2023/05/26

コロナ禍以降、感染症対策のひとつとして定着したアルコール消毒液。その用途は手指などの消毒だけでなく、湿気が多い梅雨時のカビやニオイ、食中毒の対策にも使えます。

そこで今回は暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、梅雨時に役立つアルコール消毒液の効果的な使い方を解説してもらいました。

暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...

>>>暮らしスタイリスト 河野 真希の記事をもっと見る

梅雨のカビ対策にはアルコール消毒液が効く

プラスチック製の窓の隅にカビします。
Andrei310/gettyimages

カビの胞子は目に見えませんが、室内の空間に常に浮遊しています。これが物にくっつき、温度や湿度、栄養といった条件が整うと繁殖して、いわゆる“カビ”として認識されるようになります。ただし、人がわかるほどの色やニオイがあるカビは、相当繁殖が進んだ状態と考えられます。

カビは温度が20~30度前後、湿度が60%を超えると活発に増殖します。雨が多く、気温も高くなる梅雨は、カビにとって最適な環境。見た目が汚いだけでなく、健康にも影響を与えるため、できるだけ手早く対処しなければいけません。

そんなときに便利なのがアルコール消毒液。多くのカビはアルコールに弱く、殺菌だけでなく、予防の効果も期待できます。手指にも使えることからわかるように比較的安全で、さまざまな場所に使用することができるのもアルコール消毒液の良いところです。

なお、アルコールの濃度は高ければ高いほど効果があるように思うかもしれませんが、高すぎるとすぐに蒸発してしまい、その効果が得られません。カビの殺菌には、濃度70~80%のアルコールが最適といわれています。カビ対策として使用する場合には、アルコール濃度を確認するようにしましょう。

梅雨時の上手なアルコール消毒液の使い方

日本の木製弁当箱曲げわっぱ
yumehana/gettyimages

カビ対策にはもちろん、梅雨時の気になるニオイや食中毒の対策にも、アルコール消毒液は有効です。それぞれの効果的な使用方法を紹介します。

●カビ対策
梅雨時のカビは、バスルームやトイレ、キッチンなどの水回り、クローゼットや靴箱などの密閉された場所などに繁殖しやすいです。カビを見つけたら、まず乾いた布にアルコール消毒液をたっぷりと吹きつけてから拭き取ります。次にカビのあった場所に直接アルコール消毒液を吹きつけてから布で拭き取ります。最初からスプレーを直接吹き付けてしまうと、その勢いで周囲にカビの胞子を飛ばしてしまうことがあるので、注意。

日ごろからカビが生えやすい場所があったら、定期的にアルコール消毒液で拭いておくようにすると、予防につながります。

なお、アルコール消毒液には漂白作用はないため、カビそのものを除去できても、すでについてしまった黒ずみは取れません。カビによる変色が気になるときは、カビ取り剤などの塩素系漂白剤を使用してください。

●ニオイ対策
梅雨時は、部屋の中にニオイがこもりがちです。その原因の多くは雑菌。カーテンやカーペット、ソファなどの布物は、湿気を含んだままの状態が長く続くと、そこに雑菌が繁殖して、嫌なニオイを発することがあります。ニオイが気になったら、アルコール消毒液を吹きつけて、そのまま乾燥させると、除菌とともに消臭効果も得られます。

また、気温が上がると、生ごみのニオイも気になります。生ごみをポリ袋に入れたら、アルコール消毒液を吹きつけてから袋を閉じると、雑菌が繁殖するのを抑えることができます。さらに、生ごみを保管しておくごみ箱もアルコール消毒液で拭いておくと、嫌なニオイがしにくくなります。

●食中毒予防
気温が上がると、心配なのが食中毒です。食中毒の原因となる菌をつけないために、調理前に調理器具やその周辺をアルコール消毒液で拭いておきましょう。

特にお弁当など長時間常温で持ち歩くものは、食中毒菌が繁殖しやすいです。おかずを詰める前には、お弁当箱をアルコール消毒液で拭いておくと安心です。冷蔵庫の中など、食品を直接入れるために洗剤をあまり使いたくない場所の掃除にも便利です。

アルコール消毒液を使用するときの注意点

暗い背景に人間の手と消毒スプレーボトルのクローズアップビュー。コロナウイルスの防疫対策
zsv3207/gettyimages

アルコール消毒液といっても、手指用、器具用、キッチン用など、さまざまな用途に分かれた商品が販売されています。手指用のジェルタイプなどは保湿成分などが含まれていることもあり、カビやニオイ、食中毒対策には向かないものも。用途に合わせた商品を使用する以外にも、無水エタノールと精製水4:1の割合で薄めてアルコール消毒液を作ることもできます。無水エタノールと精製水は薬局やドラッグストアなどで購入できます。

また、アルコール消毒液は、汚れていない場所、乾燥した場所に使用することが大切です。最初に汚れを落としたら、一度しっかりと乾燥させ、その上で除菌をします。濡れた場所に使用すると、アルコールの濃度が下がり、効果が薄れてしまいます。

なお、アルコール消毒液を使用する場合は、火気厳禁です。火の近くで使用しないのはもちろんのこと、夏の車内など温度が上がりやすい場所に置きっぱなしにしないようにしてください。さらに、家電やアダプター、コンセントなどの電化製品などからも引火する危険があるので、使用は控えましょう。


◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND