世の中の食品には、賞味期限や消費期限がつけられていて、それを目安に食品選びをしている人も多いのではないでしょうか。
ところが、一部の食品には賞味期限や消費期限が存在しないものもあるそうです。
この記事では、管理栄養士のゆかりさんに賞味期限・消費期限の記載がない食品とその理由について詳しく紹介してもらいます。

賞味期限と消費期限とは?
似たように思える「賞味期限」と「消費期限」。まずは、この違いについて明確にしておきましょう。
「賞味期限」とはおいしさなどの品質が保たれる期限、「消費期限」とは安全に食べられる期限を指しています。
「賞味期限」については、期限を超えたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。それに対し、「消費期限」は超えてしまうと衛生面などで安全ではなくなる可能性があります。
「消費期限」がついている食品自体、傷みやすく長期保存に向かないことが多いため、期限を過ぎた場合は食べないようにすべきなのです。
期限がないものにはどんな食品がある?
食品表示のルールづくりなどをに行っている消費者庁によると、つぎの食品には「賞味期限」の表示義務がないことが定められています。
・でんぷん
・チューインガム
・冷菓(かき氷、アイスキャンディー、シャーベットなど)
・砂糖
・アイスクリーム類(ラクトアイス、アイスミルクも含む)
・食塩
・うま味調味料
・飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。) 又はポリエチレン製容器入りのものに限る。)
・酒類
・氷
「飲料水及び清涼飲料水」については、容器が限定されますが、ミネラルウォーター、ラムネ、サイダー、スポーツドリンクなどが該当します。
意外と多くあることに驚いた人もいるのではないでしょうか。
賞味期限・消費期限がない理由
先述の食品に賞味期限がない理由は、腐敗や劣化を引き起こす微生物が繁殖しにくい条件がそろっているからです。そのため、長期間保存しても品質の変化が極めて少なくなっていますよ。
たとえば、水分が極端に少ない、-18度以下で保存することが前提となっている、アルコールが含まれている、密閉容器中で化学的変化が少ないことなどがこれらの食品に共通しています。
なお、上記以外の食品についても、実質的に賞味期限が存在しない食品も存在します。それが、つぎの食品です。
・梅干し(塩としそ以外使っていない塩分20%くらいのもの)
・はちみつ
・乾燥パスタ
・乾燥豆
・インスタントコーヒー
・紅茶や緑茶などの茶葉
・寒天
・ゼラチン
・片栗粉
・するめ
・乾燥こんぶ、わかめ
パッケージに入れて販売されているこれらの食品には賞味期限の表示義務こそあれ、食品自体の賞味期限は長くなっています。また、適切に保存されていれば「何年も品質が変わらない」ケースも珍しくないと言われています。
【注意】期限がなくても保存状況によっては劣化することも
ただし、表示義務がない食品であっても、消費者に安心感を与えるためにメーカーが自主的に表示しているケースも多く見られます。
また、表示される賞味期限については、開封前であることと定められた方法で保存した場合の期限として表示されています。そのため、開封後の商品の日持ちについては、消費者が個別に判断して食べるかどうかを決めなければならないことを覚えておきましょう。
その際は、見た目や臭いを確認することがとくに大切です。異常が見られる場合は食べないようにすることはもちろん、体調がすぐれない場合も期限が過ぎた食品は避けることをおすすめします。
一度開封した食品については、表示されている期限に余裕があったとしても、空気・光・湿気などに触れて品質の劣化が進みやすくなるため、早めに食べるようにしましょう。
まとめ
食品の中には、半永久的に保存して食べられる食品が存在する一方、保存方法や開封後については賞味期限が大幅に短くなることもあります。
消費期限については必ず期限内に食べるようにする必要があります。一方で、賞味期限については食品ごとに正しい保存方法を守り、期限が過ぎた場合であっても状態をよく確認して安全に食べるようにしてみてくださいね。