日本の春の風物詩でもある菜の花。スーパーに並び始めると、まだ寒い時期でも「もうすぐ春だな」と感じることができますよね。
栄養も豊富な菜の花ですが、じつは意外と「もったいない」食べ方をしている人も…。今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、菜の花の「もったいない」食べかたとおすすめ解決策を教えてもらいます。

油と一緒に食べなきゃ「もったいない」!
緑黄色野菜である菜の花は、美肌にうれしい抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンEが豊富に含まれています。これらの栄養素は脂溶性といって、油と一緒に取ることで体への吸収効率がよくなります。
そのため、βカロテンやビタミンEをしっかり取るには、油で炒める料理や、茹でた菜の花をゴマ油などで和えるナムルなどがおすすめ。また、お肉と一緒に食べることも有効で、豚肉や牛肉などと相性がよいので、ぜひ一緒に炒めてみてください。
また、油と一緒に取ることで、菜の花特有の苦味も感じにくくなります。ふだん菜の花の風味が苦手な人は、オリーブオイルやゴマ油などお好みの油を使って調理してみてください。
最短時間で茹でないと「もったいない」!
菜の花の定番料理のひとつが、茹でて醤油や出汁などでいただくおひたしですよね。でもこのとき、できるだけ短い時間で茹でないと、「もったいない」のです。
菜の花には前述のβカロテンやビタミンEのほかに、ビタミンB1・B2や葉酸といったビタミンB群やビタミンCも豊富に含まれているのですが、それらは長時間茹でてしまうと失われてしまう栄養素。そのため、できるだけ短い時間で茹でましょう。
菜の花はほうれん草や小松菜などと比べると、葉と茎とで火がとおるのにかかる時間の差が大きくなるため、茎の部分だけ先に茹で始めてあとから葉を加えたり、茎の部分の太さを半分や1/4に切ってから茹でるなどすると、葉の部分を茹ですぎずに済むのでおすすめです。
「春の味」を栄養とともにしっかりいただこう
早春を彩る野菜の代表格である菜の花は、出回る期間が短い分、シーズン中にぜひ一度は食べておきたい「春の味」。もちろん好きな食べかたがある場合は、お好みに合わせて調理してかまいませんが、もし「ちょっと思いつかないから適当におひたしかな…」と思っていた人は、ぜひナムルや肉料理も試してみてくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部