例年2月から3月にかけて出荷が本格化する菜の花。ほろ苦い春の味が人気で、売り場に並んでいると、つい手に取りたくなる人も多いのでは。
スーパーに並ぶ菜の花を見ていると、つぼみの先から黄色い花びらが見えかけているものや、ときどき花が咲いている状態のものもありますが、味には関係あるのでしょうか。今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、菜の花を選ぶときのコツを教えてもらいます。
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つぼみが開いているとどうなる?
菜の花は、つぼみの先が開きかけて花びらが見えていたり、あるいは花が咲いていたりすると、特有の苦味がより強くなります。もちろん、菜の花の苦味をしっかり味わいたい!という場合は積極的に選んでいただきたいですが、開花すると食感も悪くなることがあるため、食べる際にあまり歯ごたえが関係ない調理法を選ぶようにしましょう。
つぼみが密集しているものがおすすめ
菜の花のつぼみは、ぎゅっと密集しているものがおすすめです。つぼみ同士のすき間が少なく、花束のようにそろってまとまっているものを選ぶようにしましょう。
また前述のとおり、つぼみの先が開くと苦味が強くなるため、苦味が苦手な場合は、できるだけつぼみの先が固く閉じているものを選んでくださいね。
茎の状態も確認して
菜の花の鮮度を確認するために、ぜひ茎の状態もチェックしましょう。茎の切り口が完全に乾ききっていたり、空洞が多くなっていたりするものは、収穫から時間が経ってしまっていることが多いです。
近隣地域に産地があるかどうかにもよりますが、もし切り口がしっかり緑色で空洞が少ないものを見つけたら、ぜひ積極的に選んでください。
早春の味覚・菜の花を堪能しよう
菜の花は、美肌にうれしいビタミンCやβカロテン、さらにはカルシウムやミネラル、食物繊維なども豊富に含まれていて、一度にかなり幅広い栄養素を取ることができる野菜です。特有の苦味が気になるという人は、油と一緒に取ることで苦味を感じにくくなるため、ゴマ油やオリーブオイルなどお好みの油を調理に使ってみるのもおすすめ。
早春の代名詞のような存在でもある菜の花は、季節が来たら毎年なんとなく食べたくなる…という人も多いのでは。今回ご紹介した選びかたのコツをおさえて、ぜひ新鮮でおいしい菜の花を堪能してくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部