【旬食材】じつは名前の由来です!サプリにも入っている栄養素は春野菜が出身だった:野菜ソムリエ解説
2024/04/12
栄養素の名前って、だいたいカタカナで書かれているし、ふだん使わない言葉だし、あまり身近には感じられない単語ですよね。
でも、じつは誰もが食べたことあるような春野菜が名前の由来になっていたりして、由来となった野菜をおいしく食べるだけで栄養がしっかりとれる…なんてこともあるんです。
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、今の時期におすすめの春野菜と、栄養を効率よくとるための食べ方を解説します。
そのままのネーミング!アスパラギン酸
栄養ドリンクにも入っていることがあるアスパラギン酸、という栄養素の名前を聞いたことがあるでしょうか。
初めて聞いた人も、「たぶん、それアスパラガスの栄養だよね」と想像がつくかもしれません。
まさにそのままのネーミングで、アスパラギン酸はアスパラガスから発見された栄養素。
アミノ酸の仲間で、エネルギーを生み出す効率が非常によい栄養素です。
疲労回復に効くほか、デトックス作用もあり、さらにはそもそもアミノ酸なので旨味成分でもあり、おいしくて役に立つ優等生なのです。
旬のアスパラガスを短時間で調理!
アスパラギン酸は熱に弱いため、栄養を逃さずとるには加熱時間を短くするのがポイント。
じつは、旬以外の季節に出回るアスパラガスは輸入品が多く、皮が固いものが多いためにしっかり加熱しないと食べづらいことも…。
しかし3月から5月にかけては国産が最盛期を迎えるため、やわらかくて短時間の加熱で食べられるものが手に入ります。
つまり、国産が手に入る春は、アスパラギン酸をしっかりとるのに最適な季節なのです。
キャロット、カロット、カロテン…
にんじんは英語でキャロット。
キャロットのつづりはCで始まるので「カロット」と発音することもできますが、この「カロット」は「カロテン」という栄養素の語源になっています。
カロテンと言えば、にんじんやかぼちゃ、さつまいもに豊富に含まれているβカロテンもその一種。
ちなみにβカロテンは体の中でビタミンAに変換されます。
ビタミンAと言えば皮膚や目の粘膜を守ってくれる、重要な栄養素。
美肌にかかせない栄養素としても知られていますよね。
美肌にかかせない栄養をとるチャンス
にんじんは名前のとおりβカロテンが豊富な野菜ではありますが、じつはβカロテンの多くが皮の近くに含まれているため、皮をむいて調理するとせっかくのβカロテンを捨ててしまうことに…。
そのため、皮ごと食べるのがおすすめです。
にんじんは春と秋の2回、旬を迎える野菜ですが、とくに春のにんじんはみずみずしくて皮ごと食べやすいのが特徴。
つまり春はβカロテンをしっかりとれるチャンスなのです。
これから紫外線が強まる季節、ぜひ逃さず食べておきたい食材です。
■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。