あなたが捨てられない理由、間違っているかもしれません

2018/07/28

物を捨てられない人の多くは、捨てられない自分を正当化するための「理由」を探しがち。しかし、本当にそのせいで片づけられないのでしょうか。

『サンキュ!』では、捨てられない人への取材でよく耳にする6つの理由を検証。あなたの「捨てられない心」を解放するため、ミニマリストの筆子さんからのメッセージをお届けします。

■教えてくれた人……
筆子さん(ミニマリスト)
50代主婦ブロガー。持たない暮らしを実践するミニマリスト。物に執着してため込む過去を断捨離®し、ミニマルライフに。夫、大学生の長女と3人家族。カナダ在住。著書に『それって、必要?』(KADOKAWA刊)など。

いつか使うかも……

*例えばこんなもの*
●やせたら、また着るつもりの服
●〝時短〞が売りの調理器具
●お菓子の空き箱
●使っていない収納ボックス

■筆子さんからのメッセージ
「持っていればいつか役立つ日が来る」と信じているのですね。でも、その「いつか」は残念ながら永遠に来ないでしょう。使わないものを大事に持っていても暮らしの質は向上しません。今同じものを同じ金額で買うか考え、買わないと思うなら手放して。空いた場所に今使うものを使いやすく置くほうが、うんと心地よく暮らせるはず。

持っていないと不安で処分できない

*例えばこんなもの*
●永遠に減らないべんとうグッズ
●使いこなせないほどのタオル類
●使わずにどんどん劣化するアイシャドウやマスカラ
●「腐らないから」とストックした洗剤類

■筆子さんからのメッセージ
「ないと後で困るかも」という不確定な未来の心配は、損を生んでしまうもの。過剰なストックは購入費がふくらむうえ、保管する場所と時間もよけいに取られます。出番がなく新品のまま劣化するデメリットも。まずは劣化したものから断捨離し、損の連鎖を断ち切って。今後はまとめ買いは控え、使う分だけその都度買うと◎。

捨てるのは相手に申し訳なくて…

*例えばこんなもの*
●結婚式の引き出物
●義母からもらったものだけど、ズバリ不用品
●誕生日プレゼントだけど、気に入っていないもの
●海外旅行のお土産の置物

■筆子さんからのメッセージ
相手を気づかう心の奥に、嫌われたくない願望が隠れていませんか。相手に遠慮して自分の家に好きなものを置けないのなら、自分の人生や暮らしはいったいどこにあるのでしょう? 贈り物を捨てることは、相手を粗末にすることではありませんよ。物に込められた気持ちをありがたく受け取れば、物は手放しても大丈夫。

大切な思い出は捨てられない

*例えばこんなもの*
●昔もらって感動した手紙や年賀状
●学生時代の日記帳
●古い人形やぬいぐるみ
●学生時代によく聴いていたCD

■筆子さんからのメッセージ
思い出は物ではなく「心のなか」にあるもの。記憶のなかで淘汰され、本当に大事なものは心に刻まれ、いつまでも残ります。たとえ思い出の品をたくさん取っておいても、見返すこともなくしまい込むだけなら、粗末にするのと同じです。もし忘れるのが心配なら、写真に撮るか一部だけ保管し、思い出すきっかけさえ残しておけばOK。

もったいなくて捨てられな〜い!

*例えばこんなもの*
●いつ使ったか、思い出せないスキー板
●ローンで買った英語教材
●結婚式の2次会で1回だけ着たワンピース
●放置されている美顔ローラー

■筆子さんからのメッセージ
支払ったお金ごと捨てる気がして手放せないのですね。でも、ただ持っていても一生お金は戻りません。そもそも価格と価値は別もの。物の価値は、生活に役立つなど「使うことで生じる価値」と、満足感など「持つことで生じる価値」で決まります。そのどちらでもないなら、今の自分には価値のないもの。処分してもきっと後悔しないはず。

せっかく集めたのに手放せない!

*例えばこんなもの*
●昔好きだったアイドルのコンサートグッズ
●好きなテレビ番組を録画したビデオテープ
●買いそろえてうれしかった、お菓子やジュースのおまけ
●いつか高く売れるような気がする、レアグッズ

■筆子さんからのメッセージ
過去の自分の頑張りを否定したくないのかもしれませんね。でも、集めていたときは楽しかったのだから、それでよしとしましょう。今の生活に必要ないなら処分しても、もったいなくありません。むしろ執着すると昔の自分のまま停滞してしまいます。思い切って手放せば、新たな趣味に出会えるなど人生に新しい風が吹くはず。

物を捨てる前に、まずは「捨てられない心」の整理から始めてみましょう。もったいないと思う心は大切ですが、使わないものを置きっぱなしにしては持っていても意味がありません。捨てられないとあきらめる前に、これまで自分が「捨てられなかった理由」を考えてみましょう。

参照:『サンキュ!』8月号「夏中スッキリ!が叶う捨てる!新基準」より。掲載している情報は18年6月現在のものです。監修/筆子 構成/竹下美穂子 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部

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