【管理栄養士監修】「オクラ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/11/12
ねばねば系の食べ物は身体によいというイメージがありますが、詳しくわからないかたも多いのではないでしょうか。オクラは、ダイエットや生活習慣病予防だけではなく、妊婦さんにもオススメな栄養素が豊富に含まれています。ぜひ参考にしてください。
オクラの種類と栄養
夏に旬を迎え、ネバネバ食品の代表格ともいえるオクラにはいくつかの種類があります。
日本でよく食べられる「角オクラ」、沖縄では島オクラとも呼ばれる「丸オクラ」、サヤが赤い「赤オクラ」、小さいサイズの「ミニオクラ」、花びらを食べる「花オクラ」などがあります。
オクラは野菜のなかでも栄養価が高いといわれる緑黄色野菜の1つなので、健康や美容によいとされる栄養を多く含んでいます。
オクラのカロリーと栄養素
オクラのカロリーは100gあたり30kcalです。ビタミンや葉酸、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいます。
オクラに含まれるペクチンはネバネバ食品に多く含まれ、腸内の善玉菌を増やす整腸作用によって便秘を防ぎ、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。
オクラの栄養素
・ビタミンK
・葉酸
・食物繊維
・マグネシウム
・モリブデン
オクラの栄養素1:ビタミンK
オクラに多く含まれる成分の1つが、このビタミンKです。
ビタミンKは油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつで、出血したときに血液を固めて止血する作用があります。また、丈夫な骨づくりには欠かせない栄養素で、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があり、骨粗鬆症の治療薬としても使われています。
さらに、動脈の石灰化を抑制する作用も期待されています。血管(動脈)の健康にも役立つ栄養素です。
オクラの栄養素2:葉酸
オクラに含まれる葉酸は、造血作用を持つ栄養素です。
葉酸は妊娠初期の女性に重要とされる栄養素で、妊娠を望む女性だけでなく、妊婦さんや授乳中の人も必要量が増えるため、積極的な摂取が必要です。
葉酸を適切に摂取することで胎児の神経管の発育不全になるリスクを減らす効果があり、大人の場合も、悪性の貧血や循環器疾患を予防する効果が期待できるといわれています。
オクラの栄養素3:食物繊維
オクラには、便秘予防などに効果的な栄養素である食物繊維も多く含まれています。
食物繊維は、人の消化酵素では消化することができない成分です。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があり、これらを合計したものが食物繊維量です。
どちらの食物繊維も、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、バランスよくとることで便秘の改善に役立ちます。また、糖の吸収を抑えたり、コレステロールや有害物質を吸着して排出することで、生活習慣病の予防にも効果が期待されています。
オクラの栄養素4:マグネシウム
骨をつくるミネラルの1つでもあるマグネシウムもオクラに含まれています。
マグネシウムは、カルシウム、リンとともに歯や骨をつくるミネラルです。マグネシウムの約50%は骨に貯蔵されており、神経の興奮を抑えたり、血圧の維持やエネルギーをつくる助けをしてくれる栄養素です。
オクラの栄養素5:モリブデン
モリブデンは鉄分の働きを高め造血に関わる作用があることから「血のミネラル」といわれています。体の中に入った有害物質を分解する酵素の成分としても働きます。
また、糖質や脂質をエネルギーに変える代謝にも関わっています。
オクラはダイエットに効果がある?
オクラはカロリーが低く食物繊維を多く含むことによって、糖の吸収を抑えたり、腸内環境を整えて老廃物を排出しやすくしてくれます。
ダイエット中の食事にオクラを積極的に取り入れることはダイエットに効果的といえるでしょう。
オクラを使ったおすすめのレシピ
ここからはオクラを使ったおすすめのレシピをご紹介します。
オクラのおすすめレシピ1:トマトとオクラの夏豚汁
最初におすすめするのは「トマトとオクラの夏豚汁」です。
一般的な豚汁は冬によくとれる根菜類をたっぷり使うことが多いですが、こちらは夏野菜を使った豚汁です。暑い季節は、夏バテしてしまい食欲が減退してしまうという人もいるかもしれません。
夏野菜を使ったさっぱりとした夏豚汁はそんな人にもぜひつくってほしいレシピです。
オクラのおすすめレシピ2:オクラ納豆
オクラは生のままで食べたいときには「オクラ納豆」がおすすめです。
調理時間は5分程度と簡単につくることができ、同じネバネバ食品である納豆とオクラの相性は抜群です。いそがしい朝の一品にいかがでしょうか。
オクラのおすすめレシピ3:お弁当にもおつまみにも。オクラの豚肉巻き
オクラのコリッとした食感がおいしい「オクラの豚肉巻き」はいかがでしょうか。
味つけはシンプルに塩コショウだけですが、その分食材の旨味をしっかりと感じることができます。切り口の見た目もよいのでお弁当にもピッタリです。
オクラをおいしく食べよう!
オクラの旬は一般的に夏から秋にかけてです。大きすぎないもの、表面の産毛がしっかり生えているもの、ヘタの切り口が黒ずんでおらず角がしっかりしているもの、濃い緑で色が鮮やかなものを選ぶとよいでしょう。
オクラに含まれる栄養素は健康や美容の維持に効果を発揮します。積極的にお食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:やわらかい「オクラ」の選び方は時期?品種?大きさ?
ゆでて刻んでネバネバさせるイメージのあるオクラですが、色つき品種の場合は加熱すると鮮やかな色も残念なことに……。赤オクラなどは、色を生かすためにも生食がすすめられていますが、じつはそのほかのオクラもおいしく生食できるのです!
生食するのに適したオクラを見つけるポイントは以下の3つ。
・国産もので出回り始める初夏は、青臭さが少なめ
・20cmくらいの大きさでも硬くなりにくい、丸オクラ/島オクラ
・生食向きの白オクラ/ミニオクラ/八角オクラ
一般的な品種は、10cmくらいまでが食べごろで、大きく育ちすぎるとどんどん筋張って食べにくくなるとか。少し硬さがあっても、刻んだり薄切りすることで食べやすさUP。
ただし、表面の産毛が残っていると舌ざわりがよくないので、塩をつけてこすり落とし、新鮮なうちにどうぞ!