白い背景に孤立した栗

【管理栄養士監修】「栗」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?

2020/10/14

栗は秋の味覚と言われ、スイーツとして食されることが多いです。主な栄養素は炭水化物ですが、ほかにどのような栄養素や食べ方があるかご存じでしょうか?この記事では、栗に含まれる栄養素や体にうれしい効能、おいしく簡単に食べられるレシピをご紹介します。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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栗の種類

チェスナッツの殻
scisettialfio/gettyimages

栗には日本栗と中国栗、ヨーロッパ栗、アメリカ栗の4種類があると言われています。

日本栗は甘味が少なく、ゆでて料理に使われることが多いですが、中国栗は甘みがあり、むき栗の天津甘栗として親しまれています。ヨーロッパ栗はマロングラッセなどお菓子の材料に使用されることが多く、アメリカ栗は市場ではほとんど流通していないようです。

この記事では、主に日本栗の栄養素についてお伝えしたいと思います。

栗のカロリーと栄養素

Đorđe Banjanin/gettyimages

日本栗のカロリーは、100gあたり164kcalです。

主な栄養成分は炭水化物が36.9g、カリウムが420mg、ビタミンB1が0.21mg、ビタミンCが33mg、葉酸が74μgです。

栗の栄養素1:炭水化物

炭水化物は主に米やパンに多く含まれる栄養素で、栗にも多く含まれています。炭水化物は糖質と食物繊維に分けられるため、栗100g中の炭水化物36.9gのうち、糖質32.7g、食物繊維4.2gです。

糖質は脳の重要なエネルギー源となるだけでなく、いちばん効率よく体を動かすエネルギーに変わり、体温を維持したり、生きるうえで欠かせない栄養素です。不足すると、エネルギーがたりなくなって疲れやすくなったり、判断力や集中力が低下しやすくなります。

栗の栄養素2:カリウム

カリウムは、野菜や果物に広く含まれる栄養素です。細胞内の水分バランスを維持するのに必要で、塩分濃度を調節して、心臓や筋肉の働きをよい状態に維持する効果があると言われています。

塩分をとりすぎたときにも、カリウムが体内のバランスを維持するので、むくみを予防できたり、血圧を下げてくれたりすると言われています。

栗の栄養素3:ビタミンB1

ビタミンB1は、豚肉、ごまを含むナッツ類などに多く含まれており、糖質の代謝に欠かせない栄養素です。不足すると、糖質がエネルギーに変換されず、疲れやだるさの原因となることもあります。

栗には糖質とビタミンB1の両方が含まれているため、効率よく糖質からエネルギーをつくり出すことができます。

栗の栄養素4:ビタミンC

ビタミンCは野菜や果物に多く含まれており、抗酸化作用やコラーゲンの生成、鉄の吸収を助けてくれる効果があると言われています。

一般にビタミンCは熱に弱いとされていますが、栗のビタミンCは、でんぷんを含むため安定しており、加熱しても失われにくいと言われています。

栗の栄養素5:葉酸

葉酸は、レバー、緑黄色野菜、のりなどの食品に多く含まれています。あまり知られていないようですが、栗にも100gあたり74μgの葉酸が含まれています。成人1日の推奨量が240μgなので、栗100gで1日の約1/3は摂取できると考えられます。

葉酸には造血作用や、胎児の正常な発育に関わることから、妊娠を望む女性だけでなく、妊婦さんや授乳中の人も必要量が増えるため、積極的な摂取が必要であると言われています。

栗にはダイエット効果がある?

白い背景で隔離のチェス ナット
chengyuzheng/gettyimages

中くらいの大きさである1個20gの栗の場合、渋皮も剥いた可食部分は約15gになります。その場合、1個あたりのカロリーは約25kcalで、4個食べると100kcal程度になります。

しかし、でんぷんを多く含む栗の糖質は消化吸収が緩やかなため、長時間のウォーキングやランニングなどの前に食べると、スタミナが持続しやすくなります。また、ダイエット中の間食、運動や筋肉トレーニングのあとの補食として適度に糖質をとることで、筋肉がエネルギーとして分解されるのを抑えてくれます。ただし、糖質がエネルギーとして消費しきれない場合は、体脂肪として蓄えられてしまうので、とりすぎには注意しましょう。

栗を使ったおすすめのレシピ

栗はそのままゆでて食べる以外にも、さまざまなレシピの材料として使われています。

ここでは、代表的な栗を用いたレシピを紹介していきます。

栗のおすすめレシピ1:栗ごはん(炊き込みご飯)

出典:白ごはん.com

定番の栗ご飯のご紹介です。しっかりと塩を効かせることで、そのままでもおいしく食べられるレシピになっています。

画像や動画で、栗の皮のむき方がわかりやすく掲載されているため、初めてのかたも挑戦しやすいでしょう。

栗のおすすめレシピ2:安納芋の栗きんとん

出典:つくおき

秋の味覚の栗とさつまいもを使った栗きんとんは、甘露煮を使用することから、手間のかかる下処理や調味料は不要です。甘露煮とさつまいもの自然な甘さが合わさって、ほんのりやさしい味がしそうです。料理が苦手な人も簡単につくれるレシピです。

栗のおすすめレシピ3:栗の揚げドーナツ

出典:E・レシピ

定番の栗ご飯や栗きんとん以外にも、ホットケーキミックスを使ってドーナツとしても楽しめます。

ここでは甘露煮を使って紹介されていますが、ゆで栗や天津甘栗を使っても楽しめます。アレンジとして、チーズやチョコなどを入れる方法もあるようです。

栗をおいしく食べよう!

栗には、魅力的な栄養素が豊富に含まれています。皮をむくのはたいへんですが、好物という人も多いでしょう。

モンブランやマロングラッセのような洋風のスイーツも人気ですが、自分でもつくれる定番の栗ご飯で日本栗を味わったり、おやつに栗きんとんやドーナツもおすすめです。

つい食べすぎないように気をつけて、栗の旬である、秋の食事やおやつの時間を楽しみましょう。

監修者ミニコラム:食べている部分は○○だった!知られざる栗の正体

ホクホクで甘みのある栗は、木の上に実るため農林水産省の定義では果物に分類されます。栗は水分が少なく、果物という印象が弱いかもしれませんが、実はわたしたちが食べている部分は、果実ではなく種の部分なのです!

・イガ→ 皮
・鬼皮(硬い殻)→ 果肉
・渋皮・食用部分→ 種

このような事実からすると、どちらかと言えばナッツのような?ちなみに栄養学的には、種実類としてナッツなどと同じ分類されます。ほとんどの種実類は脂質が多く、100gあたり約700kcalあるものも。

その点、エネルギーとして利用されやすいでんぷんが多い栗は、種実類のなかでは低カロリーで、高脂質なナッツにはないビタミンCを含むことから、栄養成分としては芋に近いと言えます。

参考サイト

 
 

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