ホワイトアスパラガスをレストラン仕様に!下ごしらえ編

2019/06/18

大きめのスーパーの産直コーナーや、道の駅、地域の物産市などでときどき見かける、あまりなじみのない野菜。旬のときだけに登場することも多くておいそうだし、たまにはチャレンジしてみたい! とは思うものの、レシピはおろか、下ごしらえの方法さえ知らないから、なんとなく躊躇してしまうものです。ネットで検索すれば、使い方やレシピは出てくるから作ってみたはいいけれど、なんだかおいしくない……、なんてことも。

やっぱり、使ったことがない野菜だからこそ、ちゃんとプロに使い方を教わってチャレンジしたいですよね。だから、信頼感抜群の料理家、大庭英子さんにお願いし、野菜の特徴や味わい、下ごしらえから、その野菜がいちばんおいしく食べられるレシピまで、しっかり教わりました。

「はじめて野菜」に挑戦すれば、食卓を彩る野菜が増えるので、凝ったことをしなくてもいつものごはんに新しい風がふきます。献立のバリエーションも増えるので、自然にたくさんの野菜が食べられ、きっとからだも整うはずです。

教えてくださるのは、大庭英子さん。
『サンキュ!』をはじめとして、数々の雑誌や書籍でレシピを発表。料理編集者やカメラマン、スタイリストなどが個人的に大好きと語ることの多い凄腕の料理家で、携わった書籍はすでに数えきれないほど。知らず知らずのうちに、大庭さんのレシピが我が家の味になっている人も多いはず! 

ホワイトアスパラガス 下ごしらえ編

今回の「はじめて野菜」はアスパラガス。
ヨーロッパでは春の訪れをつげる大人気の高級野菜ですが、日本でも栽培されており、北海道や長野、佐賀などが産地として有名です。春から初夏にかけて登場します。グリーンアスパガラスと同じ野菜ですが、光を当てないよう、土を盛って育てるから、光合成されず、真っ白に育ちます。

ーーライターK
レストランで食べた、ホワイトアスパラガスの甘さとほろ苦さが忘れられないんです! でも、案外、高級食材だから、手が出しにくて……。でも、自分でゆでるとなんだか味が薄い仕上がりになるんですよ。それから繊維が口にあたって、食べにくくかったんです。

大庭先生、どうしたら、もっとおいしくなりますか?

ーー大庭先生
いくつかコツがあるんですよ。
まず、皮むき。
グリーンアスパラガスは、下のほうの硬い部分だけ皮をむけばいいですが、ホワイトアスパラは意外に繊維が気になるから、穂先のすぐ下、かなり上のほうからむいたほうがいいですよ。アスパラガスをまな板に横に寝かせ、ピーラーを横に動かすようにむくと楽です。

ーーライターK
なるほど〜。下1/3 くらいしかむいてませんでした! だから、シガシガした感じが残ってしまったんですね

ーー大庭先生
切り口が乾燥してますから、根元も5mmくらい切り落としてくださいね。
そして、これが大事! 皮と根元は捨てないでください。

ーーライターK
これを先生、フライパンに?レモンの輪切りもいっしょにゆでるんですか?

ーー大庭先生
はい。アスパラガスの皮と根元を4〜5分煮てだしをとるんです。レモンの輪切りや絞った残りなどがあれば、いっしょに入れると臭みがとれるし、ホワイトアスパラガスの白さがキープできます。なければ、無理に入れなくても大丈夫です。塩と白ワインも入れるから、おいしいだしになりますよ。

ーーライターK
そして、この「皮のだし」でホワイトアスパラガスをゆでるんですね。どうして、フライパンを使うのかしら?と思ったら、切らずに丸ごと入れられるからなんですね!
アスパラガスの専用の細長い鍋とか、持っていないから、前は切ってゆでてました。

ーー大庭先生
丸ごとゆでれば、切り口からアスパラガスのうまみが逃げないですし、「皮のだし」でゆでれば、味や香りがアスパラガスに戻って、しっかり味わいが楽しめますよ。

ーー大庭先生
根元に竹串がすっと通るくらいになったら、ゆで上がりです。
ざるにあげて、そのまま冷ましてください。水にとると水っぽくなりますからNGです。
こうやってさますと、ほろ苦さがしっかり残ります。
ゆで汁の中でさます方法もありますが、そちらはアクがなくなり、ほろ苦さもやわらぎます。さます方法は好みで変えるといいかもしれません。

ーーライターK
なるほど、さます方法にもコツがあるんですね!
ここで味見をしてみると、本当に味が濃いですね。こんな風にゆでたかったので、うれしいです。こんなにおいしいと、なにもつけなくてもごちそうですね。

ーー大庭先生
だから、まずは、シンプルにわさびじょうゆで。
ホワイトアスパラガスは卵との相性がいいから、温泉卵をひとつ落として、混ぜながら食べるとおいしいですよ。

ーーライターK
わ〜、シンプルな食べ方なのに、すごくごちそう感があります!
ホワイトアスパラというと、なんだか洋風にしなければいけない気がしていましたが、しょうゆともよく合いますね。ゆでるだけなのに、ごちそうつまみですね〜

ホワイトアスパガラスの温泉卵のっけ

【材料:2人分】
ホワイトアスパラガス…6本(200g)
レモンの輪切り…2〜3枚
白ワイン…大さじ2
塩…小さじ1/2
温泉卵…2個(市販品)
おろしわさび…少々
しょうゆ…適量

【作り方】
❶ホワイトアスパラガスは、根元を5mmほど切り落とし、ピーラーで穂のすぐ下のあたりから皮を厚めにむく。
❷アスパラガスが入る大きさのフライパンに、水、アスパラガスの根元、皮を入れて強め中火にかける。煮立ったら、レモン、白ワイン、塩を加え、火を弱めて4〜5分煮る。
❸アスパラガスを加え、途中転がすように裏に返して5〜6分ゆでる。根元に竹串がすっと通るようになったら、ざるに広げるように取り出し、粗熱をとる。ラップをかけて冷蔵庫に入れて冷ます。
❹食べやすく切って器に盛り、温泉卵をのせる。わさびのせ、しょうゆをかけて全体を混ぜていただく。

この連載は、第2土曜と第4土曜日の昼に 配信しています。さらにおいしいホワイトアスパラガスのおいしいレシピをご紹介します。次回をお楽しみに。

Have a try!

□スーパーで、買ったことがない野菜がないか見渡してみる
□ホワイトアスパラガスを買ってみる

料理・監修/大庭英子 
『サンキュ!』をはじめ、数々の雑誌で料理を紹介している。本当にシンプルで潔い簡単レシピなのに、そのおいしさといったら! いっしょに仕事をするスタッフたちから、絶大なる信頼を集めている。キャリアはすでに約40年。

撮影/安部まゆみ 

構成・文/加藤郷子
出版社にて料理・生活情報誌編集を経てフリーに。得意ジャンルは暮らしまわりいろいろ。趣味は食べること。一部の編集者から、「加藤さんの行った店をチェックしたグーグルマップが欲しい」と熱望されるほどの食べ歩き好き

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