シニア料理研究家が、17歳から作り続けて60年。進化し続ける逸品「運命のつまみ」とは?

2019/09/09

企業を退職後、70代からアシスタントを経て、料理家に。その朗らかな性格で大人気となり、今やシニア界の星となっている小林まさるさん。彼が選ぶ「運命のつまみ」は、その名も「まさる漬け」です。こよなく愛する焼酎とともに、まさる漬けのルーツと作り方を教えていただきました。

17、18歳の頃から作っているんだ

うまい!今回もうまく漬かっているよ(笑)。この青唐辛子の漬けもののルーツは、俺が17、18歳の頃にさかのぼるんだ。母親が裏の畑でたくさん作っていた唐辛子を、焼いて裂いてご飯のおかずに食べたのが始まり。

その後、しょうゆ漬けにしたり、みそ漬けにしたり、するめやかに缶でうまみをつけたりして作り続け、いつしか家族から「まさる漬け」と呼ばれるようになったんだよ。


青唐辛子250gにフォークで穴をあけ、油を塗ってトースターで12分焼く。しんなりしたらしょうゆ100ml、かに缶(スーパーで300円弱)1缶を混ぜ、冷蔵室へ。

料理しながら、飲むのがしあわせ

夕飯の一品を頼まれ、にんじんを切りながら、茶碗酒をグビリ!

家で酒を飲むのは、たいてい家族に夕飯作りを頼まれたとき。昼すぎからゆっくり3〜4品作るけど、その間に「まさる漬け」をかじりながら焼酎を飲むのが、俺の楽しみなのさ。飲み方は、湯のみ茶碗でストレート。口の中に広がる青唐辛子の香りと辛みがなんともいえないんだな。

最近は韓国産や温室ものなど、寒い時期でも青唐辛子が手に入りやすくなったね。合わせるものは、だし昆布やツナ、おかかでもいいんだよ。60年たってもまだまだ進化しているつまみ、もちろん白いめしにも合うから、ぜひ作ってほしいなあ。

漬けてから10日目、左の容器のようなべっ甲色に漬かったら食べごろ。
飲むのはもっぱら焼酎。今日飲んだのは、田崎酒造の「薩摩 黒七夕」。黒麹ならではの風味で、重厚な味わい。

Have a try!

□「いつものあれ」をちょっとリニューアルしてみる
□ 料理中の自分に「ちょっとごほうび」をあげてみる(お酒でなくてもよい)
□ 夕食の一品を、他の誰かに頼んでみる

紹介してくれたのは……小林まさるさん
シニア料理研究家。料理研究家の小林まさみさんの義父。70歳から調理アシスタントを務めて78歳でデビュー。家にある材料で手軽に作るつまみが得意。

『サンキュ!』2018年4月号より
撮影/松島均 取材・文/白江あかね

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