【管理栄養士監修】賞味期限切れの「ジャム」はいつまで大丈夫?開封状態に分けて解説
2020/07/22
ジャムは糖度が高いので日持ちすることで知られています。しかし、賞味期限がすぎたジャムは、食べることができるのでしょうか。
今回は、賞味期限切れのジャムはいつまで大丈夫なのかを、開封状態に分けて日数ごとに解説していきます。また保存方法や傷んだジャムにも言及していきます。
ジャムは賞味期限がすぎても食べられる?
ジャムは砂糖がたくさん使われている保存食なので、正しく保存されていた場合は、賞味期限が切れても食べられると考えられています。
しかし、賞味期限がすぎたジャムは未開封でも風味が落ちている可能性が高いので、よく確認してから使用しましょう。
もしも、賞味期限がすぎて味や香りに満足できないジャムがあった場合は、加熱してつくる焼き菓子などの材料として利用したり、料理のソースに使ったりと工夫しながら消費していくとよいでしょう。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
【保存方法別】ジャムの賞味期限は?
ジャムの賞味期限を保存方法別にみていきましょう。市販のジャムには大量の砂糖が使われています。砂糖は水分を抱え込む保水性があり、腐敗に繋がる微生物やカビなどの増殖に必要な水分も奪ってしまうことから、保存性を高めるのに役立っています。
砂糖が多く含まれている高糖度のジャムや、微生物やカビの増殖を抑える保存料が含まれている市販のジャムの賞味期限は、長いもので1年から2年あります。
未開封のジャムの賞味期限
未開封で正しく保存されていた場合のジャムの賞味期限は、糖度の高いびん詰めタイプで約2年。糖度が低いダイエット仕様などのジャムの賞味期限は、びん詰めタイプで約1年半です。
国内のジャムは、糖度によって4段階に分けられ、甘味が強いほど賞味期限も長くなります。
開封済みのジャムの賞味期限
開封されたジャムの賞味期限は、冷蔵庫で保存した状態で開封から約2週間といわれています。冷蔵庫からジャムを出し入れするたびに結露が起こり、水分が増える恐れがあるからです。
結露が繰り返されると水分が溜まりやすくなり、カビや微生物の増殖をうながします。また、容器のふたを開けるたび空気にふれるため、酸化が起こり、ジャムが傷みやすくなるのです。
冷蔵庫で保存したジャムの賞味期限
冷蔵庫で保存したジャムの賞味期限は、未開封の場合は表示されている賞味期限のとおりになります。開封したジャムはだんだんと風味が失われてしまうので、開けてから冷蔵庫に入れて2週間が賞味期限だといわれています。
ジャムを開封したら10度以下で保存し、ジャムを容器から出す場合は清潔なスプーンを使用して、異物の混入を防ぎましょう。
冷凍庫で保存したジャムの賞味期限
冷凍庫で保存したジャムの賞味期限は、開封後でも1年以上は日持ちするといわれています。
ジャムのように糖度の高い物質は氷点がたいへん低いため、家庭の冷凍庫の温度では完全に凍りません。そのため、風味が落ちないので賞味期限が長くなると考えられています。
賞味期限がすぎて傷んだジャムの特徴
賞味期限がすぎて傷んだジャムの特徴は、水が溜まっている・カビが発生している・変色・苦味・臭いの発生などです。傷んだジャムは見た目ですぐにわかるでしょう。
なお、ジャムはふたの開け閉めや冷蔵庫からの出し入れで空気にふれたり結露ができたりと傷みやすい状況に陥りやすい食品です。そのため、清潔なスプーンを使う、素早く出し入れするなどの工夫が必要です。
特徴1:カビ
ジャムにはさまざまな色のカビが発生します。ジャムに入っている果物や成分によって、発生するカビの種類が違ってくるからです。なかには毒性のないカビもありますが、カビが発生した段階で口にしないほうがよいです。
特徴2:臭い
ジャムからシンナーのような臭いがしたら、酵母菌に侵されている可能性があります。酵母菌が発生したジャムは、酢酸エチルという臭気成分を生成するからです。たとえ開封前でも、外からの衝撃でふたになんらかの不具合が生じて隙間ができる恐れがあります。そこから細菌が入り込み、腐敗することもまれにあります。
【日数別】賞味期限切れのジャムはいつまで食べられる?
賞味期限切れのジャムはいつまで食べられるのか、日数を目安にみていきましょう。ジャムは糖度が高く保存料が使われているものも多いため、比較的安全に食べられる食品です。また、びんに詰めて脱気することでより防腐性を高め、保存食として古くから親しまれてきました。
もしも、ジャムの賞味期限が切れてしまった場合は、経過日数・糖度・保存状態・保存料の添加の有無など、よく確認してから使用しましょう。
賞味期限が1カ月すぎたジャム
賞味期限が切れてから1カ月がすぎたジャムは、未開封の状態で正しく保存されていたのであれば、食べられると考えていいでしょう。しかし、ジャムの状態をよく見て、必ず傷んでいるかどうかをチェックしてから食べてください。
賞味期限が半年すぎたジャム
賞味期限切れから半年が経過したジャムは、冷蔵庫や冷凍庫に保存してあるか、冷暗所できちっと管理されていた未開封のものであれば、ぎりぎり食べられる状態にあると考えられています。
ただし、保存料が添加されていたり糖度が高く、しっかりと密閉されているびんに詰められた賞味期限が長いジャムに限ります。食べる際は味や臭い、カビなどをよく確かめてください。
少しでもおかしな点がある場合は、絶対に口にしないでください。
賞味期限が1年以上すぎたジャム
賞味期限が1年以上経過したジャムは、たとえ見た目に問題がなさそうでも口にするのを控えたほうがいいでしょう。
糖度が高く保存料が添加されていたり、正しい保存状態で、密閉性が高く賞味期限が長いびんに詰められたジャムであっても、思いがけない理由で傷みます。
ジャムの正しい保存方法
未開封のジャムは、高温多湿や直射日光を避けて冷暗所で保存します。砂糖が多く使われた高糖度のジャムや、微生物やカビの増殖を抑える保存料が添加されたものは傷みにくく、長期の保存が可能になっています。
開封後のジャムは冷蔵庫に入れて保存します。結露ができやすいので、ふたの開け閉めや取り出しは素早く行ってください。
また、ジャムにほかの物質が混入すると腐敗の原因になります。ジャムを取り出すときのスプーンは清潔なものを使うように心がけてください。
冷凍庫で保存する
ジャムは冷凍保存ができます。ただし凍る温度はとても低いので、家庭の冷凍庫でかちかちに凍ることはまずありません。
ただし、びんに入れたままの冷凍保存は、ジャムが膨張して割れる危険性があります。必ず、家庭用冷凍庫の温度以下に耐えられる耐冷性のびんや、ジッパーつきの密閉袋などを利用してください。
賞味期限切れのジャムには要注意!無理して食べないようにしよう!
ジャムは糖度がとても高く保存料が添加されているものもあるので、日持ちすることで有名な食品です。
しかし、賞味期限が切れて保存状態が悪いジャムは、カビや酵母菌などが発生する恐れがあります。賞味期限内でもびんの状態や保存の仕方によってジャムが傷む可能性があります。
ジャムの品質をよく見極めて、少しでもおかしいと感じたら口にしないほうがよいでしょう。