掃除のプロに聞いた!家の中にあるしつこい汚れ、じつは身近なもので落ちるかも
2024/11/11
掃除をしようと思ったけれど洗剤を切らしている。あるいは、キレイにしたい場所に適した洗剤がわからない……それ、自宅にある身近なもので代替できるかもしれません。
ライターの増田剛己さんが、ハウスクリーニングの仕事に従事している掃除のプロ、土井恵子さんに取材してくれました。
排水溝、水垢、シンク汚れに洗剤は不要!?
今回は、洗剤の代わりに使えて自宅にある身近なもの、というテーマでハウスクリーニングのプロに話を聞いてみました。
「我々はお掃除のプロですから、洗剤を切らしてしまうことはありません(笑)。でも、万が一洗剤がないときでも、なにで代用できるかはわかっています。なぜなら、我々はお掃除のプロ。ちゃんと洗剤の成分から把握しているのです」
なるほど、言われてみればあたりまえのことですが、どんな洗剤であっても、そこにはどんな成分が含まれているかが書かれています。そして、身近なもののなかには、それらの成分を含んだものが意外とあったりするわけです。
排水溝のぬめりには「重曹+お酢」
お料理にもお掃除にも使えるのが重曹です。排水溝のぬめりや嫌な臭いは、重曹とお酢で落とすことができます。
実行する際は、まず排水溝に重曹をふりかけます。排水溝の底面が見えなくなるくらい、たっぷりふりかけるのがポイント。そしてそこへお酢をたらすと……シュワシュワシュワいう音とともに泡が出てきます。そのままで30分ほど放置したあと、お湯で洗い流せばOK。
これだけでぬめりや汚れが取れてしまうんです。さらに、使い古した歯ブラシなどで細かい部分をこすればバッチリ。重曹もお酢も人体には害がないので、安心して使えるのもうれしですね。
水垢は「お酢とアルミホイル」で落ちます
お風呂場の水垢汚れでもお酢は活躍してくれます。やり方はカンタン。水垢がついた箇所にお酢を少しかけて、アルミホイルのピカピカしたほうでこするだけ。これで簡単に水垢が落ちます。
ただし、材質によっては傷がつく場合もありますので、最初に少しこすって様子を見てから、問題ないかどうかを確認するようにしましょう。こすったあとは、水で流すだけでピカピカ。また、この方法でお掃除しておくとその後も水垢がつきにくくなるそうです。
「レモンの皮」でいろいろなところをお掃除
揚げ物や焼き魚にレモンを絞っていただくとおいしいレモンですが、残った皮を捨てていませんか?それはとてももったいない!とっても優秀なお掃除アイテムなんですから。
たとえば、レモンの皮の白い部分でシンクなどをこすれば、くすみなどがキレイになります。また鏡などもレモンの皮でこすると劇的にキレイになりますよ。
電子レンジ内のしつこい汚れにも、レモンの皮は効果的。まず、皮を電子レンジに入れて、1分ほど加熱してください。すると油汚れなどが浮き出てくるので、キッチンペーパーで拭き取りましょう。
レモンの皮は、捨てる前にちょっとお掃除に使ってみましょう。
ただキレイになる以外のメリットも!
お気づきの人も多いと思いますが、今回ご紹介したお酢やレモンはいずれも「酸性」。そして、それらで落ちる汚れはアルカリ性なのです。
土井さんいわく「お風呂場の水垢は、アルカリ性の汚れなので、酸性のものが効くのです。さらに酸性のもので掃除しておくことで、汚れもつきにくくなるので一石二鳥です」とのこと。
わざわざ洗剤を購入しなくても、身近にあるものが使えばけっこうお掃除できますね。レモンの皮などは本来捨てるものを使うので経済的かもしれません。ぜひ試してみてください。
◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。
◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。