【管理栄養士監修】「緑茶」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/02/13
ふだんから何気なく飲んでいる緑茶ですが、その緑茶にはいろいろな栄養素が含まれています。どのような体への効果があるかを知って、緑茶を日ごろから飲むようにしましょう。また、緑茶を毎日取り入れるために、飲むだけでなく、料理に使う工夫もしてみましょう。
緑茶の種類
緑茶とは、チャノキから葉を摘み取ったあとに、蒸す・炒るなどの方法で発酵を止めてつくったものを指します。蒸したものは日本の緑茶、釜炒りしたものは中国の緑茶に多いとされています。
日本の緑茶には、栽培時の日光の当て方、茶葉の加熱方法、加工方法などの違いによって、煎茶、玉露、かぶせ茶、玉緑茶、碾茶(抹茶の原料)、抹茶、番茶があります。
さらに、煎茶や番茶を炒ったほうじ茶や、炒った米などを混合した玄米茶といった加工品も含めると、さらに多くの種類があります。同じ木から採れる葉を使っても、緑茶の種類によって味や種類が異なり、栄養価も多少の差があります。
緑茶のカロリーと栄養素
緑茶の一つである玉露の茶葉100gあたりのカロリーは329kcal、お茶としていれた玉露は5kcalです。お茶として飲む場合は、使う茶葉の量によっても異なりますが、ほぼカロリーはありません。そのため、「ノンカロリー」と表記して販売されていることがあります。
カロリーは低い緑茶ですが、さまざまな栄養素が含まれています。緑茶を飲むことで、次のような効果を期待できるでしょう。
緑茶の栄養素
・ビタミンC
・カリウム
・葉酸
・カテキン
・カルシウム
緑茶の栄養素1:ビタミンC
ビタミンCを含む食材といえば、レモンのような柑橘系の印象が強いでしょう。しかし、緑茶にもビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、肌の細胞をつなぐコラーゲンの生成を補助したり、しみなどの元となるメラニン色素の過剰生成を抑制するなど、肌環境を整えてくれる役割のある栄養素です。紫外線が強くなる時期や、日差しを浴びる機会が多い人は、積極的にとるようにしましょう。
また、ビタミンCには抗酸化作用もあり体を若々しく保つ効果が期待でき、老化を防いでくれる効果があるといわれています。
緑茶の栄養素2:カリウム
緑茶には、体内の塩分を排出する効果があるといわれているカリウムが含まれています。カリウムは、高血圧や脳卒中の予防などにも効果があるといわれているため、塩分の高い食事をする際に緑茶を飲むことはおすすめです。
また、カルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
なお、WHO(世界保健機構)からは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患などの生活習慣病のリスクを減らすために、カリウムの摂取量を増やすことが強く推奨されています。
緑茶の栄養素3:葉酸
葉酸は、体内での細胞の分裂や成長に影響し、とくに妊娠を望んでいる人や妊娠・授乳中の人に必要量が増加する栄養素です。
胎児が正常に発育するために重要な働きをするといわれています。葉酸には、ビタミンB12とともに赤血球の形成を助ける造血作用もあるため、造血のビタミンとも呼ばれます。
貧血や動脈硬化の予防効果もあるので、性別や年齢に関わりなく十分に摂取するようにしましょう。
緑茶の栄養素4:カテキン
カテキンはポリフェノールの1種で、緑茶の苦味や渋みの元になっている成分です。緑茶には主に、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどが含まれています。
これらのカテキンには、活性酸素の害を減らす抗酸化作用があり、コレステロールや糖質の吸収を抑える役割もあるとされています。また、抗ウイルス作用や殺菌・抗菌作用もあるため、緑茶を飲むことでいろいろな病気への予防効果が期待できるでしょう。
緑茶の栄養素5:カルシウム
カルシウムは骨や歯の構成成分で、丈夫な体づくりには欠かせない栄養素です。
不足すると発育障害や骨粗しょう症の原因となるため、とくに発育期の子どもや妊娠中・授乳期の女性、高齢者は積極的に摂取するようにしましょう。
また、骨に適度な負荷がかかることで、骨をつくる細胞が活発になって強い骨がつくられる性質があるため、カルシウムをとると同時に適度な運動を取り入れることも大切です。
緑茶はダイエットに効果がある?
緑茶には、むくみを解消する効果のあるカリウムが含まれています。また、カテキンによってコレステロールの吸収を抑えて排出を促したり、糖の吸収を抑える効果が期待できるでしょう。さらに、カテキンは継続的にとり続けることによって、消費エネルギーを増加させる働きもあります。
そのため、緑茶はダイエットのサポートに適した飲み物といえるでしょう。
緑茶を使ったおすすめのレシピ
ふだん何気なく飲んでいる緑茶には、いろいろな栄養素が含まれています。また、カロリーも低く、健康の面だけでなくダイエットのサポートにも適した飲み物といえるでしょう。しかし、毎日緑茶を飲み続けることはむずかしいと感じる人も多いのではないでしょうか。
緑茶を茶葉で購入すると、使い切るまでに時間がかかってしまいます。簡単に傷む物ではありませんが保存期間や状態によっては、味や香りが悪くなってしまう可能性があります。
ここからは、緑茶を飲み物だけでなく料理にも活用する方法を紹介します。
緑茶のおすすめレシピ1:緑茶のスコーン
スコーンといえばチョコレートなどが入っているイメージがありますが、緑茶を使ってもおいしいスコーンがつくれます。緑茶のさわやかさがほんのり香る、和風のスコーンです。
和三盆や抹茶といった食材を加えることで、いつものスコーンとは違ったやさしい味わいが感じられるでしょう。
緑茶のおすすめレシピ2:緑茶ご飯
緑茶の茶葉を煎って炊きたてのご飯に混ぜれば、緑茶が香る混ぜごはんができます。
色味もきれいなので、お弁当用のおにぎりに利用してもよいでしょう。また、混ぜごはんにしなくても、緑茶を煎っておき、ふりかけのようにして使うのもおすすめです。
緑茶のおすすめレシピ3:たこわさ茶漬け
緑茶は、お茶漬けに使ってもおいしく食べられます。また、緑茶だけでなく少し出汁が加わるので、よりおいしいお茶漬けに仕上がっています。
今回はたこわさを使ったちょっと大人向けのお茶漬けを紹介していますが、好みに合わせて具材を工夫すると飽きずに何度も楽しむことができるでしょう。
緑茶を日々の生活に取り入れよう
ふだんから飲む機会のある緑茶には、さまざまな栄養素が含まれています。健康効果も期待できるため、日ごろから緑茶を飲む習慣をつくるのがおすすめです。
また、緑茶は飲むだけでなく料理にも使えるので、さまざまな工夫をして日々の生活に取り入れてみましょう。
監修者ミニコラム:お茶には甘味や旨味がある?おいしい飲みどき&選び方のポイントとは?
お茶には、苦味&渋味を感じさせるカテキンと、甘味&旨味を感じさせるテアニンという成分が含まれています。
これらは、一番最初に湯を注いだ一番茶にはカテキンが少なく、テアニンが多く抽出されるのだとか!二番茶、三番茶になると、カテキンの量が約2倍に増えるのに対し、テアニンが少なくなるため、味わいは別物に……。
また、緑茶の種類によっても含有量が左右され、日を浴びた茶葉よりも、遮光して栽培された茶葉でつくる玉露・かぶせ茶・抹茶(碾茶)の方が、カテキンが少なくテアニンが多くなっています!
ほかにも、早摘みの茶葉や深蒸し茶としてつくられたものも、甘味を感じやすいので、おいしいお茶を堪能したい人は参考にしてみては?