「拝受」はどう使う? よく使う日本語の正しい使い方と間違った使い方を解説
2022/01/27
日常生活やビジネスで使う日本語、正しく使えているか不安なことってありませんか?よく調べないまま使っていると、間違った使い方をしているかもしれません。
多くの人が意味をよく理解せずに使っている言葉がけっこうあるので、注意が必要です。
意味を間違えやすい日本語の言葉や言い回しについて、国語科教員免許を持つ ライターのdanngoさんが解説します。
「拝受」の意味とは?
「拝受」という言葉は、「受け取る」という意味の謙譲語です。
「拝見」や「拝聴」などの言葉にもあるように、「拝」は相手に対する自分の行動をへりくだって言うときに使う言葉です。相手からのものを大切に受け取る、といったニュアンスがあります。
「拝受」の正しい使い方、例文は?
「拝受」という言葉は、目上の人から何かを受け取ったときに使います。具体的には、以下のように使うといいでしょう。
・本日、お送りくださった書類を拝受しました。
・玉稿、拝受いたします。ありがとうございました。
目上の人に使ってもいい?だめ?
「拝受」は謙譲語なので、目上の人に使ってよい言葉です。「拝」が「拝む」という言葉にも使う字なので、うやうやしく受け取る雰囲気が出ますね。
間違いやすい「拝受」の誤った使い方
謙譲語である「拝受」は謙譲語であるため、自分側の動作に使う言葉。相手の行動をあらわすときには使えないので注意しましょう。
したがって、以下のような使い方は誤りです。
・弊社の商品のカタログを、山田様に拝受していただきたく思っております。
・さきほど、御社にメールを送付しました。よろしく拝受くださいませ。
以上のようなケースでは、かわりに「ご査収」「ご受領」を使えば大丈夫です。自分側の行動は「拝受」、と覚えておいてくださいね。
みなさんは「拝受」という言葉を正しく使えていましたか?
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に対して使うときは特に気をつけましょう。
ただ、間違って使われているうちに言葉の意味が少しずつ変わっていく可能性もあります。
正しい意味を理解したうえで、相手が間違って使っている時は柔軟に受け入れるのが大人の対応かもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・ danngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの 主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。