「ご容赦ください」はどう使う?よく使う日本語の正しい使い方と間違った使い方を解説
2022/02/22
日常生活やビジネスで使う日本語、正しく使えているか不安なことってありませんか?よく調べないまま使っていると、間違った使い方をしているかもしれません。
多くの人が意味をよく理解せずに使っている言葉がけっこうあるので、注意が必要です。
意味を間違えやすい日本語の言葉や言い回しについて、国語科教員免許を持つ ライターのdanngoさんが解説します。
「ご容赦ください」の意味とは?
「ご容赦ください」という言葉は、「容赦」という言葉に丁寧さをあらわす「ご」をつけ「ください」をそえることで相手からの許しを願う表現になります。
漢字単位でみると「容赦」の「容」も「赦」も「許す」という意味を持ち、「容赦」で「許すこと」をあらわします。
相手に対し不快な思いをさせることがらに対して、「大目にみてください」と頼むようなニュアンスを持ちます。
「ご容赦ください」の正しい使い方、例文は?
「ご容赦ください」という言葉は、相手に嫌な思いをさせてしまった場合や、そうなりそうな可能性があるときに使います。
具体的には、こんなふうに使うといいでしょう。
・ご返信が本状と行き違いとなってしまった場合は、ご容赦ください。
・本日雨天のため、運動会は○日に延期いたします。ご容赦ください。
目上の人に使ってもいい?だめ?
「ご容赦ください」という言葉、目上の人に使っていいものかどうか悩ましいところです。
相手の許しを請う言い方なので、受け取り方によっては厚かましく感じられてしまうこともありますね。
相手との関係性にもよりますが、目上の人に使うのはひかえるのが無難です。
間違いやすい「ご容赦ください」のよくない使い方
この言葉は、明らかに自分側に非がある場合に使うと「ミスを許せ」と言っていることになり図々しい印象を与えます。
天候や社会状況、客や取引先との行き違いなど、コントロールできない状況で起こった不都合に対して使うべきなのです。
したがって、以下のような使い方は好ましくありません。
・こちらの発注ミスで現在その商品は欠品となっております。ご容赦ください。
・弊社での会議が長引いたため、御社への到着が15分ほど遅れます。ご容赦ください。
自分側のミスや勝手な都合で相手に迷惑をかけてしまった場合は、まず「申し訳ございません」と謝るのが社会人としてのマナーです。
そのうえで解決策を提示し、最後に「どうかご理解たまわりたく存じます」などと添えるくらいならいいでしょう。「~ください」の表現は命令形なので、こういったケースでは使わないようにしてくださいね。
みなさんは「ご容赦ください」という言葉を正しく使えていましたか?
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に対して使うときは特に気をつけましょう。ただ、間違って使われているうちに言葉の意味が少しずつ変わっていく可能性もあります。
正しい意味を理解したうえで、相手が間違って使っているときは柔軟に受け入れるのが大人の対応かもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・ danngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの 主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。