【連載】熟れすぎMANGO VOL.138

2018/02/05

ちはるの老眼鏡!?「ノンフィクション人生」

月のもの

 私は早生まれで中学生になるまでクラスで一番小さく、中学生になっても胸なんて一向に膨らまず、モンチッチみたいな髪型で、よく男の子に間違われた。

 高校生になる前の春休みでやっと初経がきて、お母さんが必要以上に大騒ぎしお赤飯を炊いてくれて、あまり必要ないのに小さなブラジャーをプレゼントしてくれた。うれしかったけど、なんだか妙に恥ずかしく、素っ気ない態度を取ってしまったことを今でも覚えている。

 高校生になり髪の毛を少し伸ばし女子らしくなると、男子の視線も少しずつ感じるようになった。芸能活動を始めたのもこの時期だ。彼氏と呼べる男の子もできて、ルンルンの高校生活!

 ただ、1ヶ月に一度くる女の子の日、月経が異常に辛かった。お腹の痛み、貧血が酷すぎて、学校に行けない日もあったぐらいだ。一度無理して学校に行き、授業中に冷や汗をかきながら生理痛と格闘していたら、あまりの痛みと貧血で気絶してしまい、盲腸と間違えられて救急車で運ばれたことがあった。

 そうそう、タレントの仕事中も似たようなことが。今も続く人気長寿番組「タモリ倶楽部」に18歳でレギュラーが決まった。役どころは、タモリさんが妄想しながらヤカンをこすると出現するヤカンの精(笑)。ナースだったり、キャビンアテンダントだったり、コスプレしたタモリさんの理想の女が現れるという設定だ。かなりエロい匂いもするが、私にとっては大役で、毎回体当たりで頑張っていた。その日は、『巨人の星』という往年のスポ根漫画に登場する主人公の姉の役。ところが魔の生理日と当たってしまい、嫌な予感はしていたが、やはりあの鈍痛がキター!

 美術さんが作ってくれた発泡スチロールの電柱を抱えながら、青白い顔をして痛みを必死でこらえた。タモリさんが「おまえ、具合悪そうだけど大丈夫か?」と、優しく声をかけてくれたが、駄目だった。私はあまりに痛みに嘔吐してしまい、その場に電柱ごと倒れてしまったのだ。もうろうとする意識の中、タモリさんの移動車で病院へ運んで頂いたが、その日を最後に番組は卒業。

 その後、「笑っていいとも!」に出演するたびにタモリさんが「あの時は驚いたぞ」と、笑って話してくださって、随分と救われたけど。ありがたや。

 若い時はそのぐらい酷かった私の生理痛。ところが、妊娠・出産をきっかけにして、酷い生理痛はピタリと治まってしまった。強い薬も全く効かなかったのにそういうことって、あるんですよ!

 最近は、お終いまで秒読みになってきた私の月のもの。憂鬱なのには変わらないけれど、女なんだなぁという実感がわく瞬間を懐かしい思い出と共に大事にしたいと思う今日この頃です。

文/ちはる

ちはる/テレビ、CF、著書の企画などで活躍中。12年、14歳年下の旦那くんと再婚。目黒でカフェ「チャム・アパートメント」を経営

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