ボールペンの書き込みを練習している女性

「御中」の意味とは?御中・様・行の使い方や御中が不要なケースを解説

2022/06/17

御中とは、封書やメールの宛名を作成するときに、法人や役所などの団体に対してつける敬称のこと。

しかし、正しい使い方を理解していない人も多く、実際には誤用しているケースが多く見られるのです。

そこで当記事では、御中の意味や間違えやすいパターンなどを紹介します。初歩的なポイントを理解しておけば間違えることはなくなるので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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  1. 「御中」とは?
  2. 「御中」の意味とは
  3. 「御中」を使うシチュエーション
  4. 郵便物(封筒)における「御中」の使い方
【目次をすべて表示する】

「御中」とは?

まずは「御中」の意味を解説します。さらに、御中を使うべきシチュエーションについても解説していくので、簡単なところから押さえていきましょう。

「御中」の意味とは

御中とは、企業や役所、学校などに対してつける敬称です。

御という文字には、尊敬を表す意味があります。御社や御氏名など名詞につき、その名詞の所有者を敬う場合につく言葉です。

御中は御+中という組み合わせなので、中に対して尊敬を表しているということ。つまり、団体名に御中をつけるということは、団体そのものと、中に所属している人に対して尊敬を示すことになるのです。

「御中」を使うシチュエーション

御中は、団体に向けた封書やメッセージ等の宛名書きのときに使われます。

▼御中をつかうべき宛先
・企業名や部署・課・係
・学校や役所などの公的機関
・返信用封筒や往復はがきの行や宛を書き換えるとき

御中と書かれているとき、受取人は当該組織の中の誰かということです。メンバー全員や特定の誰かではなく、複数人のうち不特定の1人が確認すればOKという意味で扱われます。

郵便物(封筒)における「御中」の使い方

女性の手は郵便で送信する前に包み込み文字に手紙を入れて
fizkes/gettyimages

封書のアドレスを作成する際、適切な書き方について解説します。

団体宛の郵便物(封筒)に敬称として書く

封書の送り先を記入するときは、企業名や役所名、所属している部署や課の名称のあとに御中と記載します。

〜部〜課と所属名を連ねるときは、最後に1回だけにするのが正解です。

団体の中の担当者名が分からないときは「御中」

担当部署やチームなどがあり、担当スタッフ名が分からないときにも御中が使えます。

▼担当スタッフ名が分からないとき
(法人名) 人事課 御中
(法人名) 採用担当 御中

御中を使うタイミングは、担当チームの中の誰でもいいので、誰か1人のスタッフに目を通して欲しいというシチュエーションです。

送りたい相手が個人なら担当者様、スタッフ全員にチェックしてもらいたいときは担当各位と記載します。詳細を調べて、個人かどうか分からないときには御中を使うとよいでしょう。

団体の中の担当者名が分かるときは「様」

担当スタッフの名前が分かるときなど、個人に宛てているときには様を使いましょう。スタッフの名前が分からないケースでも、個人であると想定されるならご担当者様とするのが適切です。

▼様の使い方
(法人名) ◯◯部◯◯課 □□ □□様
(法人名) ◯◯係 ご担当者様

注意したいポイントは、個人か集団かということ。担当者と書かれているときには様、採用担当や担当チームと書かれているパターンでは御中と使い分けるとよいでしょう。

メールにおける「御中」の使い方

marchmeena29/gettyimages

封書だけでなく、メールでも御中が使われます。メールにおける敬称も誤用されることが多いので、適切な書き方をしっかりとチェックしてみてください。

団体の中の不特定の個人宛に「御中」を使う

団体宛にメッセージを送るとき、複数いるメンバーの中の誰かに確認してもらいたいときに御中を使います。

御中をつける送り先は、本文の一番上に記入するのが適切です。件名はメッセージ本文の内容を簡潔に示すところなので、件名のところに書かないようにしてください。

宛名(個人名)が分かるときは「様」を使う

特定の個人にメッセージを送るときは、名前に続けて様と書きます。

所属している法人や部署などを連ねるとき、団体名に御中とつける必要はありません。複数の敬称を重ねるのは不適切なので、個人名があるときは様だけを記載するのが正解です。

団体のメンバー全体宛には「各位」を使う

送り先のメンバー全員に内容をチェックして欲しいときは、各位を使いましょう。

各位のみでも使えますが、関係者各位や取引先各位、セミナー参加者各位などの書き方にすると、より丁寧な印象を与えられます。

御中は、誰でもいいので確認して欲しいときに使われるもの。各位と御中はどちらも団体宛であり、誤用しやすいので、間違えないように注意してください。

「行」から「御中」に書き換えるときの消し方・書き方

封書の送り先が行になっているときは、御中に書き換えるのが正解です。ここでは行の消し方や、書き換えるときの適切な位置などを詳しく解説していきます。

「行」は2本線で消す

行が書かれているときは、黒インクのペンをつかって二重取り消し線で消します。

ペン先が太いサインペンを使うと、封筒が汚れて見にくくなってしまうので、普段から書類に書き込むようなボールペンを使いましょう。

修正するからといって、修正液や修正テープなどは使用しません。

修正液や修正テープで消すということは、書き間違えたものを修正しましたという解釈をされてしまうことがあります。失礼な行為にあたるので、必ず二重取り消し線で消すようにしてください。

縦書きで「御中」の位置は「行」の真下か左側

縦書きのときは、右上から左下にかけた斜め二重取り消し線で行を消します。

御中の位置は、二重取り消し線で消した行の真下、または左斜め下が適切です。

二重取り消し線は真上から真下でも間違いではないのですが、行と縦方向の二重取り消し線が被り、消したことが分かりにくくなってしまいます。斜め二重取り消し線であれば消してあることがはっきり分かるので、斜め二重取り消し線の方が相手に対して親切な消し方です。

横書きで「御中」の位置は「行」の右側

横書きのときは、真横の二重取り消し線で行を消しましょう。

二重取り消し線で消した行の右側に、御中または様と書いてください。

「御中」と様・行・宛・各位の使い分け方

御中と様・行・宛・各位の使い分け方を簡潔に解説していきます。どちらを使えばいいのか迷ったら、この項目を参考にしてみてください。

「御中」と様の使い分け方

様は、送り先が個人のときに使われます。

御中は、送り先が団体のときに使う言葉です。重複して使うことができず、個人名があるときには様が優先されます。

「御中」と行の使い分け方

行は、返信用の封書に自社名を書くときに使います。自社に対して敬った言い方をするのは不適切なので、自社に対してへりくだった言い方です。

行が使われるのは、送り先が団体のとき。

封筒や往復はがきに行と書かれているときは、二重取り消し線で消して御中に書き換えましょう。

「御中」と宛の使い分け方

宛も行と同じく、返信用の封書に自分の名前を書くとき、自分をへりくだるために使われます。

宛が使われるのは、送り先が自分や担当社員など特定の誰かであるときです。

封筒や往復はがきに宛と書かれているときは、二本線で消して様に書き換えましょう。

「御中」と各位の使い分け方

各位は団体宛で、かつメンバー全員に確認してほしいときに使います。

御中も団体宛ですが、メンバーの中で不特定の誰かに読んでもらいたいときに使う言葉です。各位と御中は似ていますが、明確な違いがあることを覚えておきましょう。

「御中」の間違えやすい使い方

kk-istock/gettyimages

御中は、誤用されることも多くあります。使い分けが難しいケースもあるので、間違えないようにしっかりチェックしておきましょう。

担当者(個人名)に「御中」はつけない

担当スタッフが特定の誰かであるときは、様を使うのが適切です。

◯ 担当者様
✕ 担当者様 御中

送り先が担当チームのときは、担当スタッフが複数人いるので御中を使いましょう。

「御中」と「様」の併用はできない

御中と様は同時に使えません。

送り先の相手の名前が分かっているとき、団体名にまで敬称をつけると、メッセージを贈った相手に対して失礼にあたります。スタッフ名が分かっていて様をつけるときは、団体名に何もつけなくても失礼な言い方にはなりません。

個人名が分かるときは様を優先し、団体名+名前+様とするのが正しい表記方法です。

「行」を「御中」に直さないのは失礼にあたる

行を書き直さないのはマナー違反です。

行は相手が自分をへりくだるために使っているため、そのまま送り返すと失礼にあたります。送り返す先が自社や公的機関であっても、行と書かれているときは必ず二重取り消し線で消して御中と書き直しましょう。

メールの件名に「御中」をつけるのはNG

件名は、受け取った人が内容を把握するために、本文の内容を簡潔に示すところです。

件名には“会議日程について”や“来週のセミナーの詳細”など、具体的な内容を短く書きます。件名に〜御中と記載するのは誤用です。

口頭では「御中」と言わない

御中は、封書やメッセージなどで使う言葉です。

口頭で企業名を言うときに(法人名) 御中とは言いません。会議やセミナーなどで企業名を呼ぶときには、御中と言わないように注意してください。

ビジネスマナーにおいて、口頭で企業名を言うときに何かしらの敬称をつける必要はありません。しかし、法人名を呼び捨てにすることに抵抗がある場面では(企業名)様や(企業名)さんなど、様やさんをつけるのが一般的です。

「御中」がいらないケースはある?

団体宛であれば、送り先に御中とつけるのが基本です。では、イレギュラーなケースとして、御中がいらないケースもあるのでしょうか?

自分の会社宛の郵便物(封筒)やメールに「御中」は不要?

自社宛であっても、必ず敬称をつけましょう。

ただし、送りたい相手を特定しているときは、役職や様のみでOKです。

役所宛の郵便物(封筒)やメールに「御中」は不要?

役所や税務署などの公的機関宛であっても、敬称をつけるのがマナーです。

ただし、送り先の相手の名前が分かっているときは様が優先されます。様をつけるとき、役所や課に対する御中は不要です。

学校宛の郵便物(封筒)やメールに「御中」は不要?

送り先が学校のときも、送り先の後には御中と記載します。

ただし、受け取る相手の名前が分かっているときには様や先生などの敬称をつけるので、御中は不要です。

社内メールに「御中」は不要?

社内メールであっても、集団に対して送るときには御中を使いましょう。

御中は、当該チームの中で誰か1人でもいいので読んでもらいたいときに使います。チームのメンバー全員にチェックしてもらいたいときは、各位と記載してください。

「御中」を英語で表現するには?

忙しい現代の職場の若い白人女性の肖像画
monkeybusinessimages/gettyimages

英語のビジネスレターを送るとき、英語で御中と表現する方法はあるのでしょうか。ここでは、英語でアドレスを書くときの適切な表記方法を紹介します。

ほとんどの場合「Dear」でOK

英語には、日本語のように敬称にあたる言葉がありません。

そのため、ほとんどのパターンでDearを使っておけば間違いないでしょう。Dearは御中・様の両方の意味を持ち、プライベートからビジネスシーンまで幅広く活用可能です。

▼Dearの使い方

Dear △△ Company,(△△カンパニー 御中)
Dear Customer Service,(カスタマーサービス 御中)
Dear Sales Manager,(営業部長)
Dear □□□□,(□□□□様)

上記のように、Dear+社名やDear+名前として使います。Dear〜の後には,(カンマ)または:(コロン)をつけましょう。

ビジネスレターでは「To Whom It May Concern」

英語のビジネスレターでは、挨拶文の1つとしてTo Whom It May Concern(ご担当者様)がよくつかわれます。

To Whom It May Concernがつかわれるのは、受取人の名前が分からないパターンです。また、受取人を特に指定しないときにも慣用的に記載されます。

▼To Whom It May Concernがつかわれるケース
・求人募集に応募するとき
・紹介状や推薦状
・新規顧客への案内
・見込み客へのレター

ただし、送り先の相手の名前や役職が分かるケースではDearで表現する方が好印象です。To Whom It May Concernは、受取人が分からない場合に記載するとよいでしょう。

宛名(個人名)が明確なときは「Attention」

ビジネスレターにおけるアドレスでは、受取人の名前の前にAttention:とつけるのが一般的です。

Attention:を省略してATTN:と記載されるケースもあります。Attention:名前で□□□□様、Attention:部署名で◯◯部御中という表記です。

手紙や荷物の送り先として使われることが多い書き方ですが、英文のメッセージで使われることもあります。

まとめ

御中とは、団体に対する敬称として使われます。

企業や公的機関など、相手が複数人いる集団であれば御中が適切です。

御中と様の重複など、誤用されているケースも多いので注意してください。御中の使い方を正しく理解して、コミュニケーションをより円滑に進めていきましょう。

参考サイト

 
 

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