「レジュメ」とは?意味や書き方・作り方まで英語版も含めて解説
2022/07/09
レジュメとは、摘要や要約の意味をもつ言葉です。
ビジネスシーンでは
(1)会議資料
(2)履歴書
の2つの意味で使われます。
この2つはどちらも重要な書類ですが、使い分け方を知っておかないと「レジュメ」を依頼されたときに見当はずれな資料を準備することになるでしょう。
そこで、レジュメの意味や書き方、英語での作り方について解説します。
レジュメとは
レジュメとは、要約や大意という意味をもつ言葉です。内容を要約して書いたものというところから、会議や公演、授業で配布する資料を指すこともあります。
レジュメの語源や日本語での言い方をご紹介します。
レジュメの語源
レジュメの語源は、フランス語の「résumé」にあります。『プログレッシブ 仏和辞典 第2版』によると、フランス語でrésuméは要約や概説書という意味をもつ言葉です。
フランス語での発音は「レジュメ」に近いのですが、日本では「レジメ」と呼ぶこともあります。
実はスペルが似ている言葉で「resume」という英語があります。こちらは発音が「レジーム」に近く、再び始まることや回復することを表す言葉です。
レジュメを日本語で言うと?
フランス語が語源のレジュメを日本語で言うと、「要約・摘要」です。また、「研究報告・公演・演説などで、その内容を手みじかにまとめて記したもの」という意味もあります。そこから転じて、ビジネスシーンでは会議の資料、大学などでは講義の配布資料を指すのが一般的です。
フランス語が語源の「résumé」は、英語でも使われている言葉です。アメリカ英語では、レジュメは要約や摘要以外にも、職務経歴書や業績を指します。つまり、使うシーンによっては、レジュメを日本語で言うと「履歴書」を指すこともあるのです。
レジュメの意味は2つ!アジェンダとの違いは?
レジュメには、「概要や要約」と「履歴書」という2つの意味があります。混同しやすい言葉「アジェンダ」との違いも含めて、レジュメの意味を解説します。
(会議や大学の講義で使われる)概要という意味
「概要」という意味から転じて、ビジネスシーンでの会議や大学の講義で使われる配布資料をレジュメと呼ぶことがあります。
それぞれのシーンでのレジュメの使い方や意味を詳しく解説します。
ビジネスシーンで会議やプレゼンでの資料として配布するレジュメ
ビジネスシーンで使われるレジュメは、会議やプレゼンのときの配布資料を指します。会議やプレゼンでは、内容やスケジュールといった要点をまとめて、事前に参加者に配るのが一般的です。
レジュメには会議やプレゼンを補助する役割があり、内容は詳しすぎずに要点をおさえておくようにします。参加者の心をつかみ、話を聞いてもらえるように考えて作成するのが大切です。
大学の講義で配布するレジュメ
大学では、さまざまな配布プリントのことをレジュメと呼びます。たとえば、授業のときに教授が配布する資料や、ゼミの発表時に学生が作成するプリントなどがレジュメです。
大学でよく使われる言葉に「レポート」というものがあります。レポートは、与えられた課題に対して論理的に考察をして報告するものです。一方、レジュメはあくまでも講義や発表の要約であり、補助するための資料となります。レポートは、序論・本論・結論から成り立つため、相応の枚数の資料になるはずです。レジュメは概要なので、1〜2枚の紙の資料になります。
(就職活動で使われる)履歴書という意味
アメリカでは「resume」が職務経歴書や業績を表す言葉なので、日本でも外資系企業などでは履歴書のことをレジュメと呼びます。就職や転職の際にレジュメを求められたら、履歴書のことです。また、海外に留学する際にも、レジュメが提出書類の1つとして指定されることがあります。
アジェンダとの違いは?
アジェンダはレジュメと同様、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。どちらも会議の際に作成する資料なので、混同しやすいでしょう。
アジェンダは英語の「agenda」が語源で、直訳すると「計画・予定表」という意味です。会議資料としてのアジェンダは、実施すべき計画や予定、議事日程や協議すべき内容などを盛り込んだもの。会議開催の連絡をする際に、同時にアジェンダも通知し、参加者全員に周知することで会議を円滑に進められるようにします。
アジェンダとレジュメは、どちらも会議の前に配布する資料です。アジェンダは議事日程表、レジュメは発表する内容を要約した資料という意味合いが強くなっています。
とはいっても、レジュメとアジェンダは混同しやすい言葉です。もし会議用のアジェンダやレジュメを作成するように求められたら、依頼してきた人にどういった内容を盛り込んだらよいのかを確認し、事前に認識を合わせておくことをおすすめします。
会議の議事次第としてのレジュメの書き方・作り方
会議の議事次第としてのレジュメの書き方や作り方をご紹介します。議事次第とは、『実用日本語表現辞典』によると、「会議や会合などにおいて、協議する議題とその順序のこと。または、それらを記載した書類などのこと」と説明されています。
ビジネスシーンでさまざまな会議に出席した経験のある方なら、一般的に配布される会議の資料を想像するとわかりやすいでしょう。
前提:会議の議事次第としてのレジュメの使い方
会議の議事次第としてのレジュメは、会議の内容をわかりやすくまとめた資料です。会議の参加者がレジュメを読んで会議の流れを把握しておけば、議論中に話が脱線したり無駄な時間を使ったりすることを避けられます。
レジュメは、参加者全員が共通認識として話し合いの方向性を知っておくために必要なものです。また、会議の司会者が進行するときも、レジュメがあることで段取りをしやすくなります。
レジュメに書くべき内容
会議資料のレジュメには、事前に会議の内容を把握したり、あとからどのような会議だったのかを確認したりできるように大まかな内容を記載します。レジュメに書くべき内容を具体的に挙げると、以下の通りです。
・会議のタイトル(例:〇〇期予算会議)
・開催日時と場所
・会議のテーマや目的(例:新製品〇〇の原料をどこの会社から調達するのか)
・会議内容の要約
・別途配布する参考資料や添付資料があれば紹介
場合によっては、会議内容の要約やテーマに予定時間の目安を記載するとよいでしょう。各テーマの議論にどのくらいの時間をかけるべきかがわかりやすくなり、時間の無駄を省けます。
レジュメを作成するポイント
レジュメを作成するポイントは、読んだ人にとってわかりやすいように、簡潔すぎたり細かすぎたりしないことです。だいたいA4サイズの用紙1枚におさまる程度で書くのがよいでしょう。
会社によっては、会議用のレジュメのテンプレートが決まっている場合もあります。一般的なレジュメのサンプルは以下の通りです。
2022年〇月〇日
〇〇年度 △△会議
日時:2022年〇月〇日
午後〇時~□時
次第:
1.開会の挨拶
2.協議
(1)__________
(2)__________
(3)__________
(4)__________
(5)__________
3.その他連絡事項
4.閉会の挨拶
履歴書としてのレジュメの書き方・作り方
履歴書としてのレジュメの作成方法をご紹介します。履歴書としてのレジュメは、企業によって求められている内容がかなり異なります。
また、外資系企業だと英語のレジュメが必要な場合もあるでしょう。このため、実際にどのようなレジュメが必要なのかは、事前に確認する必要があります。
一般的な履歴書はテンプレートを埋めればよい
一般的な履歴書をレジュメと呼んでいる場合には、履歴書のテンプレートを埋めるだけで作成できます。レジュメに書く主な内容は以下の通りです。
・氏名や住所、連絡先の電話番号
・学歴
・職歴
・保有している免許や資格
・志望動機
・趣味や特技
・希望の職種や条件など
手書きの場合は市販の履歴書を購入して、丁寧な字で書きましょう。オンラインで応募する際は、履歴書のフォーマットをダウンロードして作成します。
外資系企業で求められるレジュメでは自由に自己アピール
外資系企業で求められるレジュメは、日本の企業で使われている履歴書とは内容が異なります。一般的な履歴書のように決まったフォーマットがあるわけではなく、自由に自己アピールをするのがレジュメです。
たとえば、一般的な履歴書では、学歴を「〇〇大学△△学部■■学科卒業」といった書き方をします。一方、外資系企業では大学の名前よりも、何を学んだのかを重視します。このため、具体的な研究テーマや論文などを記入したほうが、アピールにつながるでしょう。
また、外資系企業に提出するレジュメは、手書きではなくパソコンで作成するのが一般的です。フォントの種類やサイズに配慮したり、重要な部分を太字にしたりと、採用担当者が読みやすい文章で書くことが求められます。
そして、レジュメを提出する際は、表紙になるカバーレターを添えましょう。
英語のレジュメを書くときのポイント
英語のレジュメを求められた場合のポイントをご紹介します。入れるべき項目の例は、以下の通りです。
・Name(名前)
・Birth date(生年月日)
・Languages(話せる言語)
・Nationality(国籍)
・Resides(住所)
・Mobile Phone Number(携帯電話の番号)
・Home Phone Number(自宅の電話番号)
・Email(Eメールアドレス)
・Education(学歴)
・Qualifications(保有している資格)
・Technical Skills(技術的なスキル:EXCELの操作など)
・Summary(概要:志望動機や自己PRなど)
・Career History(職歴)
名前や国籍など、迷いなく書けるものもありますが、学歴・技術的なスキル・概要・職歴はそのまま自己アピールにもつながる項目です。応募先の企業がどのような人材を求めているのかをしっかり研究して、わかりやすい文章でなるべく詳しく書きましょう。
また、学歴や職歴は日本の履歴書とは異なり、新しい方から順番に書くのが一般的です。学歴では研究テーマを、職歴では業務内容などを具体的に書きましょう。
まとめ|レジュメは仕事上欠かせないアイテム
ビジネスシーンで求められるレジュメの意味や書き方について解説しました。レジュメは、摘要や要約という意味のフランス語由来の言葉です。大意を書いたものという意味もあり、ビジネスシーンでは会議やプレゼン用の配布資料や履歴書としてレジュメが使われています。
レジュメは同じくビジネスシーンでよく使われるアジェンダと混同しやすい言葉です。また、外資系企業への応募で必要になるレジュメは一般的な履歴書とは形式が異なります。どちらのレジュメを作成する場合も、どのような内容を盛り込むことが求められているのかを確認し、わかりやすく書くことが大切です。
参考書籍・サイト
自由国民社『現代用語の基礎知識 カタカナ外来語/略語辞典 第4版』772頁