暑いのに汗をかいていない、手足を痛がる…その違和感、実は病気のサインかも。チェックリストで確認を

2022/09/15

汗をかきにくい、疲れやすい、手足を痛がる…ちょっと気になるけど「体質?」と思っている症状が、実は病気のサインかもしれません。どんな病気の可能性があるのか、まんがで見てみましょう。

きっかけは暑さでぐったり、足の痛みで、かけこんだ総合病院での診断でした

体質かもとあきらめないで!気づかれにくい「ファブリー病」とは?

ファブリー病は遺伝性の病気でその症状は年齢によって異なります。また、男女でも症状のあらわれ方は異なり、男性では子どものころから症状があらわれるタイプ(古典型)と、大人になってから症状があらわれるタイプ(遅発型)にわかれます。
古典型の場合、早い子は2歳ごろから手足に強い痛みがみられることがあり、幼児期・学童期には、暑くても汗をかきにくい・かけない、手足の激しい痛み・しびれ、皮膚に赤い発疹(ぶつぶつ)といった症状。また、大人になってからは、腎不全や不整脈、心不全、脳梗塞(こうそく)などを発症しやすいといわれています。
一方の女性では、発症年齢や症状の進行は男性に比べ遅い傾向がありますが、無症状から重い症状まで、患者さんによって症状のあらわれ方にはさまざまなタイプがあります。

※武田薬品工業株式会社ファブリー病情報サイト「ファブリーツリー」より

症状があらわれてから診断まで10年以上かかることも!

ファブリー病は、最初に症状があらわれてから診断がつくまでに、男性では平均13.7年、女性では平均16.3年かかるという報告もあります(※1)。
なぜこんなに、診断がつくまでに時間がかかるのでしょうか。その理由は、大きくわけて2つあります。

1つめは、医師の間でもこの病気の認知度が低いことがあります。症状があらわれたときに小児科や皮膚科で診てもらっても、ファブリー病の可能性が疑われないケースが多いのです。

2つめは、「体質だからしかたない」と、見過ごしてしまうケースが多いことがあります。ママも似たような症状を経験している場合、「この子もきっと、私と似た体質なんだわ」と見過ごしてしまいがちです。そのため、お子さんがファブリー病だと診断がついたあとに、ママも同じ病気だとわかるケースは少なくありません(女性の場合、遺伝子に変異があっても、症状がほとんどあらわれないケースもあります)。

2013年に熊本大学、福岡大学が共同で実施した新生児スクリーニング調査によると、有病率は7000人に1人と報告されています(※2)。現在診断・治療を受けているファブリー病の患者さんはおよそ1000人と推計されていて(※3)、診断がつかないまま過ごしている患者さんが多くいると考えられます。

まずはチェックリストで!

ファブリー病の患者さんは、学校の先生や周囲の人から「さぼっている」「仮病じゃないか」と思われるなど、理解してもらえず、人知れずつらさを抱えていることが少なくありません。手足の激しい痛みにより運動ができなかったり、周囲の無理解によるストレスから、不登校になってしまうケースもあります。

ファブリー病でなにより大切なのは、早期に診断を受け、適切な治療により症状を改善し、進行を抑えることです。小さいころから症状があっても「体質でしょ?」と見過ごしていると、青年期・中年期に腎臓や脳、心臓などに症状があらわれてから、ファブリー病だと気づくことになりかねません。
「ひょっとしてファブリー病?」と少しでも思うことがあれば、下のバナーをクリックして、チェックリストであてはまる症状がないか確認してみましょう。
あなたのお子さんだけでなく、もし周囲の子で「ひょっとして・・・」と思い当たる様子があれば、このチェックリストのことをその子のママに教えてあげてください。

※1 Mehta A et al. Eur J Clin Invest. 2004;34(3):236-242.
※2 Inoue T et al. J Hum Genet. 2013;58(8):548-552.
※3 宇山英一郎; Brain and Nerve, 2008, 60, 1235-1244.


協力/武田薬品工業株式会社

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