【サヘル・ローズさん】お金というエネルギーを、応援したい人や物やお店に手渡す。そんな気持ちでお買い物を楽しんでいます」

2022/09/28

「お得」や「簡単に買える」ではなく、その物を作っている人や企業、そして地域を応援したいという思いを込めた買い物、それが「応援消費」。誰かへの思いをお金という形で届けながら、買う自分もうれしくなる。それはただの「消」費ではなく、笑顔を生み出す活動。そんな「応援消費」を始める人が、今、増えています。俳優のサヘル・ローズさんの「応援消費」を聞きました。

Profile
1985年イラン生まれ。幼少時代を児童養護施設で過ごし、8歳で養母とともに日本に移住。俳優業と並行し、国際人権NGOや困難にある子どもたちの支援活動も続ける。10月より放映開始の連続テレビドラマ「相棒season21」にゲスト出演。

「安くてお得な物を買う」だけでいいのかな……?

先が見えない状況を前に、世の中の節約志向が高まっていますよね。でも「安くてお得な物を買う」という視点だけで消費を続けると、消えていく会社や産業、お店が増え、困る人も増え、今以上にみんなが共存できない社会になってしまう気がします。たとえば鉛筆1本でも、そこには鉛筆を作る人、運ぶ人、売る人など大勢が関わっていて、鉛筆1本を買うことが関わるみんなを応援することにつながります。

 だから私は小さな買い物でも、応援したい物を応援したい人から買うよう心掛けるようになりました。ネットでポチッとすれば明日届くのは魅力的だけど、それだけではなく「応援」の視点で選ぶ買い物の割合を、少しずつ増やしていきたいです。

サヘルさんの「応援消費」

ホームレスの人々の仕事をつくり、自立を応援する雑誌「ビッグイシュー日本版」

ホームレスの人が販売員をつとめる英国発祥の雑誌。「いつも通る駅の顔なじみの販売員さんから買っています。記事の読み応えがすごい」。1冊450円で230円が販売員の収入に。

児童養護施設や里親のもとで暮らす子の学費援助などを支援 オンライン古着屋「SAJI」

サヘルさんが舞台の仕事で知り合ったスタイリストが関わる古着店。「服が再利用されて、それが誰かの支援にもなるって最高。海外と日本の古着を扱っていて、セレクトも素敵ですよ」

児童養護施設のOB・OGに、安心して働ける場を提供する「ゆずりは工房」のジャム

「ゆずりは」は児童養護施設などを巣立った人を支援する相談所。利用者とスタッフが手作りしたジャムは見た目がスタイリッシュでギフトにも。売り上げは相談所の活動資金に。

「『ビッグイシュー日本版』の記事はいつも、社会の課題を読み解く視点をくれます」と話すサヘルさん。着ているワンピースは『SAJI』で買ったアメリカの古着。

撮影/久富健太郎(SPUTNIK) 取材・文/宇野津暢子、『サンキュ!』編集部

「“ゆずりは工房”のジャムを買うのは応援の視点だけでなく、シンプルにおいしいから。私は食べて幸せになるし、それが工房で働く人の笑顔につながれば、お互いがうれしいですよね」いちごジャム\800

参照:『サンキュ!』2022年11号 特集「応援消費を始めてみよう」より。掲載している情報は2022年9月現在のものです。

※記事内の表示価格は、とくに記載のない場合、税込表示です。軽減税率の適用により価格が変動する場合もあります。

 
 

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