町中華のカレーはなぜおいしい?家でもつくれる再現レシピを町中華ライターが解説
2024/05/30
「町中華」という言葉もすっかり定着してきましたが、最近では町中華のカレーライスがおいしいと評判になっています。
なぜ町中華のカレーはおいしいのか? 町中華ライターとして雑誌やWEB数多くの記事を執筆するほか、複数の著書もある増田剛己さんに教えてもらいました。
意外にシンプルだが納得の町中華カレーがおいしい理由
ひとくちに町中華のカレーといってもお店によってそのつくり方はさまざまです。しかし、共通しているポイントがひとつだけあります。
それは、ラーメンのスープを使っているということです。そのため、町中華以外の飲食店や市販のカレールウでつくる家庭のカレーとはひと味違ったカレーになるのです。
つまりラーメンのスープを使うことで、コクがあるのだけれど、しつこくないおいしさに仕上がるわけです。
実際の町中華のカレーライスを紹介しましょう
多くの町中華ではカレーライスを提供していますが、なかでも有名なのが、水道橋にある「北京亭」です。こちらのお店は、注文を受けてから調理を始めます。
つまり、つくりおきのカレーではないのですね。カウンター席に座れば調理の様子を見ることができますよ。
筆者が初めてこちらのカレーライスをいただいたのは2008年で、当時は裏メニュー扱いでした。しかし人気が出て、最近は正式にメニューへ掲載されるようになりました。
具材はシンプルで豚バラ肉と人参、タマネギです。中華鍋でいっきにつくっていきます。
そんなカレーライスのレシピを家庭用にアレンジしてみました。
自宅でつくるなら「鶏ガラスープの素」を使えばカンタン!
家庭で町中華のカレーライスをつくる場合、さすがにラーメンスープは用意できないので、鶏ガラスープの素を使います。これでも十分に味を近づけることができるので、安心してください。もうひとつのポイントは、オイスターソースと砂糖が入る点。これは必ず入れてください。
北京亭のカレーライスのとろみは、水溶き片栗粉になります。中華丼などをつくるときに餡になるとろみですね。
それでは材料を紹介しましょう。
●材料(1~2人分)
・豚バラ肉 100g
・玉ねぎ 1/4個
・人参 1/5本
・水 300cc
・水溶き片栗粉 片栗粉大さじ2を水大さじ4で溶く
・調味料
カレー粉 大さじ1
鶏ガラスープの素 大さじ1
豆板醤 小さじ1
砂糖 大さじ1
醤油 小さじ2
カレー粉 大さじ1
オイスターソース 大さじ1
まずはフライパンで具材を炒めていきます
タマネギはくし切り、人参はいちょう切り、豚バラ肉は一口大に切ります。まずは豚バラ肉を炒め、野菜を炒めます。豚バラ肉の場合はとくに油はひかなくてもいいのですが、豚こまなどはサラダ油を入れて炒めたほうがいいでしょう。
町中華と家庭では、火力が違うのでなかなか味を再現できないという人がいます。それをある町中華の大将にぶつけてみたら、「大丈夫、長く炒めればいいだけのこと」とのことでした。
また、一般家庭では火力が強くないので、町中華のようにフライパンをあおったりしないほうがいいそうです。大将いわく「家庭では火力が強くないので、鍋を火から離さないほうがいい」とのこと。あおる代わりに調理用のヘラなどで天地をひっくり返しながら炒めるといいそうです。
最後に水溶き片栗粉でとろみをつけていきます
具材が炒められたら、水300ccを入れ、沸騰してきたら調味料をすべて入れて2分ほど中火で煮ていきます。そこへ水溶き片栗粉を入れます。
ふつう、水溶き片栗粉は片栗粉と水の割合は1対1ですが、ダマになるかもしれないので、片栗粉1に対して水は2にしましょう。水溶き片栗粉を入れてとろみがついたらできあがりです。とてもカンタンにできます。
まとめ:煮込まない町中華のカレー、ぜひつくってみて!
今回のレシピでは、できあがったカレーが餡かけのような食感になります。もしそうしたくない場合は、片栗粉やカレー粉は使わずに市販のカレールウでも大丈夫です。またけっこう辛いので、お子さん用には豆板醤を入れないほうがいいでしょう。
この町中華カレー、自分で言うのもなんですが、再現とは言えちょっとビックリするほどおいしいです。とても簡単にできるので、ぜひ試してみてください。カレーは煮込み料理という概念を覆すカレーライス体験になるはずです。ちなみにこれを市販のラーメンにかければカレーラーメンになります。
また、今回のレシピをきっかけに「もっと町中華のカレーが食べたい!」となったら、ぜひ北京亭に足を運んでみてください。今回ご紹介したのはあくまで家庭用にアレンジしたものですから、本物の味もぜひ味わっていただきたいのです。
■監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。