「厚着」するだけじゃ意味ない!?寒さにも“種類”があった!タイプ別コスパのいい防寒を気象予報士が解説
2023/11/28
日に日に寒さが増す時期。「そろそろもっと厚着しなきゃ」と身支度を始めた人、ちょっと待ってください。
その「寒さ」、厚着ではコスパよく解決できないかもしれません。
じつは寒さ対策は寒さの“種類”を見極めるのが重要。
今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、寒さのタイプ別対策を教えてもらいます!
とにかく風を防げ!「風冷え」
風が吹くことによって感じる寒さを「風冷え(かざびえ)」と呼びます。
そのときの気温にもよりますが、だいたい風速1m/sごとに体感温度は1度ほど下がるとされています。
つまり風速5m/sの風が吹いているときは、 実際の気温-5度が体感温度になるわけです。
風速5mの風は、たいていの人にとっては「強い」と感じる風ではありません。
たとえば高速道路脇でよく見かける吹き流し(小さな鯉のぼりのようなもの)が真横になびくのが風速約10m/sですから、5m/sはその半分。
その程度の風でも体感温度が5度も下がれば相当寒く感じるので、風を防ぐことは重要です。特に天気予報で「北よりの風」と言われたときには一層寒さを感じやすいので要注意。
風を通しにくい素材の上着や、首元や袖口があまり開いていない服装を選んだり、マフラーやストールを使ったりしてしっかり風を防ぎましょう。
濡れるのを阻止せよ!「しけ寒」
雨や、足元の露などで体が濡れてしまうことで、実際の気温以上に寒く感じてしまうのが「しけ寒」てす。
「しけ寒」の日はとにかく体を濡らさない、そしてもし濡れてしまったらしっかり拭くのが肝要。
ほかの季節だったら少しくらい濡れても気にならない人でも、冬の雨の日はタオルを持ち歩くなどして対策しましょう。
ひたすら寒い!「底冷え」
風も吹いていないし、雨も降っていないのにとにかく寒い…。気温そのものが低くて感じる寒さを「底冷え」と言います。
「底冷え」に対してはとにかく寒く感じなくなるまで防寒具を重ねていくしかありません。手首・足首・首元の「3つの首」をしっかり守りつつ、インナーも含めて重ね着をしましょう。
これから先、年明け1月〜2月頃にかけて「底冷え」の日は増えていきます。
目安としては、平地にお住まいの場合はだいたい最低気温が5度以下になってきたら最大限の防寒を。持っている中で一番暖かいコートを着て、マフラーも手袋も全部使って、寒さに対して完全防備しましょう。
寒さのタイプ別に効率よく対策しよう!
たとえ「寒い」と感じても実際にはあまり気温が低くない、ということはよくあります。そういうときにひたすら防寒具を重ねて着込んでも体が重くなってしまうだけ。そのため、寒さの種類別の対策が有効です。
特に太平洋側ではこれから雨が少ない時期に入り、また日中は日ざしで気温が上がることもあるため、主な寒さは「風冷え」になります。
「風冷え」になりやすい風向きは北より(北西〜北東)なので、テレビやネットで天気予報をチェックして効率よく防寒対策しましょう。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部