日本の中学生の女の子は、彼女のリビングルームで宿題をする動機を失う

〈勉強が嫌い〉声をかけるよりも「見守る」こと、「めんどう」を減らす手助けを

2023/11/14

勉強が嫌い&学習意欲が低下している子どもに、親はどう接すればいい?親世代の頃からどんどん変化する学校教育、ついていけていますか?今どきの教育・進学事情や新しい教育用語を、専門家にインタビュー取材します。

今すぐできる素敵なくらしのアイデアを毎日発信中。お金の貯め方から、時短掃除、洗濯、料理作りなどの家事の知恵、...

>>>サンキュ!編集部の記事をもっと見る

<教えてくれた人>
・学校現場のエキスパート 庄子寛之さん
ベネッセ教育総合研究所教育イノベーションセンター研究員。大学院で臨床心理学科を修了。東京都内の公立小学校に約20年勤務し、「先生の先生」として全国各地で講演。『子供が伸びる「待ち上手」な親の習慣』(青春出版社)など著書多数。

・ジャーナリスト 宮本さおりさん
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と中学生の母。

Q 勉強が嫌いな我が子。モチベーションが下がっているのはうちだけ?

参考書と筆記用具
taka4332/gettyimages

A 全国的に、学習意欲は低下傾向。声をかけるよりも「見守る」ことが大切です

子どもは見守られている安心感や、自分を理解してくれていると感じた時にやる気を出してくれます。「宿題やったの!?」と尋問のように言われても、子どものやる気は下がるばかりです。まずは、見守ることに力点を置いてみてください。
とはいえ、やらない我が子を前にするとイライラしてしまうもの。しかし、そのイライラは本当に子どもが原因でしょうか?「宿題をやらせることができない親」と思われるのが嫌だなど、原因が親側にあることも。何のために宿題をやってほしいのか、親自身もよく考えてみることが大切です。
声をかける時は、必ず問いかけにします。キーワードは「どうしたの?」です。宿題の場合は「宿題はどうしたの?」と問いかけます。子どもがぐずぐず言ってもそれを受容し、子どもが動き始めるのを待ちます。ただし、声だけかけて放置というのも良くありません。声をかけた=親の役目を果たしたわけではありません。むしろ大事なのは、声をかけたあとに、様子をしっかり見守ること。子どもが自分で取り組みはじめた時に、すかさず「頑張ってるね!」と褒めましょう。

コロナ禍以降、子どもの学習意欲が低下している

コロナ禍を経験した子どもたち。小学校中学年から高校生では、コロナ禍以前の調査と比べ、学習に対するやる気が沸かないという子が増えました。
※ 出典ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2019-2021」

自分に合った勉強方法はどうやって見つける?

居間の宿題をしている日本の女の子
mapo/gettyimages

何度も書いて覚えるのが昔ながらのやり方ですが、子どもにより得意な方法は違うもの。大きくは3つのタイプに分かれます。1つ目は、目で覚えるタイプ。繰り返し見ることで覚えられる子ですが、このタイプは稀です。2つ目は、音読するなど耳で覚えるタイプ。ゲームをするときにイヤホンをつけるなど、聴くことに集中したい子はこのタイプです。3つ目は、書いて覚えるタイプです。見たり聞いたりするだけでは覚えられない子は、地道に書くことが記憶の定着につながります(庄子さん)

親が隣で勉強を見るときの注意点は?

間違いやつまずきがある場合、その場で指摘してください。算数などは途中式が間違っていると全部やり直しになり、ただでさえ宿題をやるのもめんどうなのに、さらに「めんどくさい」気持ちが生まれます。消しゴムかけなど「めんどう」を減らす手助けをしてあげるのも有効です。この時、隣にいる親がテレビやスマホを見るのはNG 。隣で楽しまれると気が散ります。読書や仕事をしつつ、見守ってあげてください(庄子さん)

参照:『サンキュ!』2023年11月号「今どきの教育事情どうなってるの?」より。掲載している情報は2023年9月現在のものです。プロップ制作/川村ちゃん 取材・文/宮本さおり 編集/サンキュ!編集部

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND