冬こそ自分の“老化現象”に立ち向かうチャンス!~連載『はじめよう!フェムテック』

2024/01/10

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった33歳。

<ゲスト>
●大久保 愛 Ai Okubo
漢方薬剤師、食薬アドバイザー。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室を卒業後薬剤師に。その後、北京中医大学で漢方、薬膳、東洋の美容などを学び、日本人初の国際中医美容師資格取得。年間2000人以上の漢方相談、調剤薬局、エステの経営を経て、医療・美容・食の専門家として活動。AI漢方相談システムCrowdSalonを開発し特許取得。食薬アドバイザー資格養成や商品開発、企業コンサルティング等に携わる。最新刊『心と体がバテない食薬手帳2024』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) も好評発売中。https://crowdsalon.com/

認知が広まりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。ゲストは、漢方薬剤師で食薬アドバイザーの大久保愛さんです 。「2023年5月以来の登場です。毎回、漢方の観点を交えて、季節ごとに心身の健康をキープするための方法を教えていただいています。今回は冬の大敵、私も思い当たる“乾燥”についてです」(伊久美)

冬に悩まされる肌や喉の乾燥。おすすめのケアは?

■東島アナ「ゲストは漢方薬剤師、食薬アドバイザーの大久保愛さんです。“冬を乗り切るエイジングケア”について伺っていきます。年齢に応じたお手入れをすること=エイジングケアと言われていますが、 冬は、どのような悩みを抱えていらっしゃるかたが多いのでしょうか」

■大久保「女性は、肌の乾燥ですね。特に手の甲や首、目もと、口もとなど、年齢が出やすい部分が乾燥し、しわが出てきます。あとは粘膜。口や鼻、そして腸が乾燥しやすくなるので、感染症にかかりやすくなります」

■伊久美「2023年は秋がなく、いきなり冬になった印象ですが、そういう気候の急激な変化も、体の不調に関係があるのですか」

■大久保「大いに関係があると思います。自律神経も乱れますし、寒いとあまり外に出なくなりますよね。例えば、動画を見ながら何かをつまみ食いするような過ごし方をしていると、体のリズムが乱れ、睡眠のリズムも崩れ、夜遅くに寝るような乱れた生活になりがちです」

■東島アナ「そうですね。他には、冬の私たちは、どのような傾向になりがちでしょう」

■大久保「日光の恩恵は、人間にとって非常に大切です。日光を浴びることで心が安定し、睡眠の質を整えるセロトニンが分泌されます。また、ビタミンDの生成にも日光は関わっていて、冬は日照時間が短いので、骨密度が低下する人が増えてきます。肌の乾燥、骨密度の低下、冷え、むくみ、体重の増加、頻尿になるetc.これら全てが老化現象。つまり、冬は老化が加速しやすくなります。漢方医学では、昔から“冬になったらエイジングケア”という習慣があります。体内年齢を決めるのは、肝・心・脾・肺・腎の臓器の「腎」です。「腎」の働きを強化して、冬を健やかに過ごすということです」

■伊久美「エイジングケアと言われると、すーっと耳に入るのですが、“老化現象”、この単語はきついです(笑)」

■東島アナ「冬は、その老化現象(笑)に立ち向かおうというお話でしたが、その一つが乾燥ですね。例えば、肌の外側を潤す保湿のイメージはあるのですが、内側から肌を潤すにはどうしたらよいのでしょう」

■大久保「コラーゲンの合成を促す栄養をとることです。肌の弾力アップや潤いに必要ですから、コラーゲンの原料となる、たんぱく質、鉄分、ビタミンC を含むものをしっかり食べることが大事だと思います。また、たんぱく質や鉄は、胃酸の分泌がしっかり行われていないと消化吸収をすることができないので、消化器系統の管理のために、梅干しとか酢の物など、酸味のあるものを食べ、胃酸の分泌を促す必要があります」

■伊久美「たんぱく質は、1日にどのくらいの量を摂取すればよいのでしょうか」

■大久保「例えば体重が50キロの人なら、1日最低50gの動物性+植物性のたんぱく質量が必要だと言われています。ただ、たんぱく質を摂ろうとすると、毎日同じものばかりを摂取するかたが多いのですが、アレルギーを引き起こす可能性もあるので、できればいろいろな食材から摂っていただくのがよいです。そして、たんぱく質に加え、ビタミンCを多く含むキャベツ、ピーマン、ブロッコリー、さつまいもなども併せた食事にすると、体の内側からの保湿ケアになると思います」

■伊久美「たんぱく質の摂取の必要性はイメージできるのですが、消化しやすくすることも重要なのですね。このことは、知らないかたが多いような気がします」

■東島アナ「そして、乾燥と言えば気になるのが喉です。この時期、調子を悪くされているかたが多いと思いますが、何かかおすすめのケアがあれば、教えていただけますか」

■大久保「粘膜にはIgAという免疫物質があるのですが、乾燥に弱い性質をもっています。腸内環境が乱れていると、IgAがうまく機能しないので、水溶性食物繊維やまめな水分摂取が必要になってきます」

■東島アナ「喉によい漢方薬はありますか」

■大久保「中医学では潤いが足りていないことを “陰虚” と言うのですが、漢方薬としては、保険も適用されている “麦門冬湯” や “六地黄丸” を使うことがあります。アナウンサーやMCをされるかたは、“響声破笛丸” を飲まれているかたが多いです」

■東島アナ「“麦門冬湯” は、寒くなってきて声がかすれ始める頃や咳の症状が長引いた時に処方された記憶があります。困った時には、漢方の力も借りますが、食事で改善できる部分も大きいということですね。この冬、みなさんも肌や喉の老化現象(笑)に、意識して向き合っていきましょう!」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回も、漢方薬剤師で食薬アドバイザーの大久保愛さんをゲストにお迎えします。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/


●撮影/寿 友紀 

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