桜の花

【桜前線北上中】お花見はいつまで可能?注目すべき桜の「赤信号」を気象予報士が解説

2024/03/20

年々早まっているような気がする桜前線の北上。
今年2024年は開花が平年より遅れたところもありましたが、それでも今後の暖かさによって一気に咲き進むところが出てきそうです。

近所の公園で桜が咲いた、あるいは気になっていた観光地の桜開花がニュースで報道されたというとき、「次の週末までお花見できるのかな?散ってしまわないかな?」と心配になる人もいるのでは。

今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、そんなとき注目すべき桜の「赤信号」について教えてもらいます!

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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注目は花の中心部分!

桜の花の注目ポイント

ソメイヨシノの花を見ると、咲いてからまだ間もない花は花びらが全体的に白っぽく、中心部分の雄しべや雌しべは黄色っぽく見えます。

一方で時間が経つと、花びらが先端から中心に向かってほんのり赤っぽくなっていて、雄しべや雌しべも赤に染まっている花が増えてきます。こういった、中心部分が赤みをおびてきた花が、間もなく散ってしまう花。

ソメイヨシノの木全体に「赤信号」の花が増えてきたら、まもなく見頃が終了するサインです。

たとえば、週末にちょっと大きい公園まで足をのばしてお花見したいなというときは、同じ市や町の中で標高が同じくらいであれば、わざわざ現地まで確認しに行かなくても近所の桜の木をチェックすれば目安になります。

どうして赤くなるの?

散りかけたソメイヨシノ

ソメイヨシノが薄いピンク色をしているのは、大部分がアントシアニンという色素のためです。

このアントシアニンは、ソメイヨシノの体の中で合成され作られているのですが、花の老化が進むとともに合成される量が増える傾向にあります。

それと同時に、ソメイヨシノが細胞の中にもっている液体が酸性に変わることで、アントシアニンによる発色がより赤みを帯びていくのです。

増加したアントシアニンは次第に花の中心部分へと集まっていく性質があり、その結果、花の中心部分が赤く染まったように見えるというわけです。

開花後の気温も重要

自然と花の背景に対する温度計の接写
VITALII BORKOVSKYI/gettyimages

ソメイヨシノは開花から1週間~10日ほどで満開を迎え、そこからさらに1週間~10日ほど見頃が続きます。

そうはいっても、1週間なのか10日なのかでも話が違いますし、自分がお花見に行きたい週末に間に合うかどうかギリギリで悩むこともありますよね。

この期間は、開花後の気温にかなり左右されます。そのため、お花見に行きたいスポットの天気予報をしっかりチェックして、平年より気温がどのくらい高いか低いか、天気予報のコメントにも耳を傾けてください。

ちなみにもちろん気温は低ければ低いほうが咲き進むのに時間がかかりますが、それだけではなく、寒いほうが花の状態がきれいに保たれやすいです。

美しい桜の写真をしっかり撮りたい!という人にも、気温のチェックはおすすめです。

春の心が忙しいのは今も昔も変わらない!

満開のソメイヨシノ

平安時代に和歌に「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」というものがあります。

もしこの世に桜なんてなかったら、いつ咲くのか?もう散ってしまわないか?とヤキモキする必要もなく春をのどかにすごせるのになぁ…という意味で、人の心を支配する桜を逆説的に称賛した歌です。

桜が待ち遠しい!桜が見たい!という気持ちは1000年経っても同じ。ぜひ「桜の赤信号」に注目して、お花見のタイミングを逃さず楽しんでください。



■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。

編集/サンキュ!編集部

 
 

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