人気のスイーツ「豆腐花」って知ってる?地域別の特徴やおすすめのお店などを紹介!
2023/08/22
”豆腐花”というスイーツをご存じでしょうか?もしかしたら、”豆花”という名前の方が聞き覚えがあるかもしれませんね。
その名の通り大豆から作られていて台湾風の豆乳プリンというと想像しやすいかもしれません。フルーツや甘いシロップが添えられてたりと見た目にもはなやかなので、日本でも専門店が増えてきています。
今回はその人気スイーツの”豆腐花”について管理栄養士で料理家のhiroさんに紹介してもらいました。
豆腐花とはいったい何?
豆腐花というと、「トウファ」「ドウファ」「ドウホウ」「トウルーファ」などたくさんの読み方があるちょっと不思議なスイーツです。
中国の西南地方では[豆腐脳]、[豆腐老]とよばれていたりとアジア圏の中でも地域によって呼び名が異っているのが特徴のひとつ。
”豆腐花”とよぶのは、主に中国南部やマカオや香港など。豆乳を硫酸カルシウム等の凝固剤で固めたもので硬さや食感などはお店によって異なりますが、日本の絹ごし豆腐にちょっと似ています。
”豆腐花”の由来は、漢の時代に豆乳で丹薬を作る際に偶然できたものなど諸説ありますが、当時から大豆の栄養価の高さに注目されていたことがよくわかりますよね。
豆腐花が人気の理由とは?
アジア圏のスイーツのイメージが強い豆腐花ですが、やっぱりヘルシーであることが人気の理由のひとつに。
同じような見た目のムースやブラマンジェなどは牛乳や生クリームを使って作りますが、豆腐花の原料は”大豆”。
大豆には女性ホルモンに似た働きをもつ”大豆イソフラボン”が含まれているので、女性にとってもうれしい特徴があり、畑の肉と例えられるほどの良質なタンパク質も豊富なところもうれしいですよね。
暑い地域のスイーツなので、さっぱりといただけることも魅力のひとつです。シンガポールの有名なお店の豆腐花は、まるでたまご豆腐のような食感でとにかく大豆が濃い!
砂糖入り~砂糖なしまであり、自分の好みで選ぶことができます。
杏仁豆腐との違い
「杏仁豆腐と豆腐花っていったいどこが違うの?」と不思議に思うかたも多いですよね。
薬膳料理のスイーツとしてもおなじみでたしかに見た目はそっくりですが、実はまったく異なります。
この杏仁豆腐の”杏仁”は、アンズの種のなかにある実のこと。パウダー状にしたものを”杏仁霜(きょうにんそう)”といい、砂糖や牛乳を加えてゼラチンや寒天で固めると杏仁豆腐に。
この杏仁はアーモンドの香りと似ているため、牛乳にアーモンドシロップを垂らして手軽に杏仁豆腐を作る方法もあります。
見た目はそっくりだけど、大豆を原料として作られている”豆腐花”とは異なっていることがわかりますよね。
豆腐花は地域によって味つけが違う
デザートのイメージが強い”豆腐花”ですが、実は地域によって味つけが大きく異なります。
発祥の地といわれている中国はとても広く地域によって使われる食材や味つけも異なるため、それぞれの地域の特徴に合わせて”豆腐花”も食べられています。
1:台湾・香港
台湾や香港で食べられるのは「甘い味つけ」です。
日本でも専門店が増えているので、一般的な台湾スイーツをイメージするとわかりやすいですよね。夏は冷たく、冬は温かくして食べるので一年を通していただけます。
黒糖シロップのほかにもしょうがシロップを添えることもありますよ。
2:中国北部
中国北部では「塩辛い味つけ」が主流で”豆腐脳”とよばれています。
南部と比べるとスイーツではなくて”食材”の一種という位置づけになります。
鶏ガラなどがベースになったスープでかきたま風に仕上げることもあり、日本の絹ごし豆腐の食べ方と近いかもしれません。
3:中国西南地方
四川料理など中華料理の中でも辛い味つけが主流の中国西南地方では、辛めのスープに”豆腐花”を合わせることも。
鍋料理のように大鍋で提供されることも多く、ごはんを添えるのが定番のようです。
まるで韓国料理のスンドゥブみたいですよね。
豆腐花の基本的な作り方
本場では”にがり”を加えて固めるのが主流ですが、家庭でも作りやすいように”粉ゼラチン”使ったお手軽レシピを紹介します。
材料は、粉ゼラチンと無調整豆乳の2つだけ。ほぼ冷やして固めるだけで作れるので、さっと作って冷やしておくのがおすすめ。
甘さは控えめなので黒蜜などお好みのトッピングを添えていただけます。
[材料]3~4人分
・無調整豆乳 300ml
・粉ゼラチン 5g
・溶かす水 大さじ1
・好きなトッピング 黒蜜、あずきなど
[下準備]
・耐熱容器に水をいれたら粉ゼラチンを振りいれてふやかしておく
[作りかた]
1.粉ゼラチンがふやけたら600wの電子レンジで20秒加熱し、よくまぜてゼラチンを溶かす
2.無調整豆乳を少量加えてよく混ぜてから、ゼラチン液を無調整豆乳とよく混ぜ合わせる
3.プリンカップなどの器に茶こしなどで濾しながら入れたら、冷蔵庫で固まるまで2~3時間冷やす
4.固まったらスプーンでざっと混ぜ、黒糖シロップやあずきなど好みのトッピングを添える
トッピングやアレンジでさらにおいしくなる豆腐花レシピ
ほぼ豆乳だけで作られているので、甘さの調整も自由にできるところも魅力のひとつ。
シンプルに食べてもおいしいけど、さまざまなトッピングを組み合わせておうちカフェするのも楽しいですよ。
しょうがや黒みつ、黒ごまなど和風のソースとの相性がよいところもヘルシーでいいですよね。
あずきや黒豆、きくらげなどのトッピングを添えると食感の違いを楽しむこともできます。
温かい豆腐花
[調理時間]10分
ゼラチンではなく、にがりを使った本格レシピだけど電子レンジで作れる手軽さが魅力。
しょうが汁入りのシロップと薬膳でおなじみのクコの実を添えていただきます。
身体が冷えているときに食べたい豆腐花です。
本格豆腐花(トウファー)
[調理時間]15分
[カロリー]187kcal
白キクラゲを添えた本格的な豆腐花のレシピで難しそうにみえますが、ゼラチンを使って固めるので意外と簡単に作れます。
アーモンドシロップ入りなので、ほんのり杏仁豆腐のような香りも楽しめますよ。
黒糖シロップをたっぷりかけていただきます。
黒ごまソースの豆腐花
[調理時間]5分
こちらの豆腐花は寒天を使って固めていて、豆乳と相性抜群の黒ごまソースを添えていただきます。
黒ごまソースもはちみつと合わせるだけなので簡単に作ることができます。
トッピングの白キクラゲの食感も楽しそうですよね。
甘酒豆花
材料は無調整豆乳と甘酒、粉ゼラチンだけ。
南国感たっぷりのマンゴーとピーナッツを添えているので食感の違いも楽しめます。
飲む点滴とよばれるほど栄養価の高い甘酒入りなので、シロップなしでいただけるのがうれしいですよね。
黒豆といちごの甘酒豆腐花
甘酒入りの豆腐花に市販の黒豆の煮物といちごを合わせていて見た目もおいしそう!
大豆が原料なので、黒豆などの和風の味つけとも相性ばっちりですよね。
仕上げに甘酒をかけていただきます。
豆腐花風デザート
にがりを入れて作る本格派だけど、電子レンジで作れるお手軽”豆腐花”です。
赤いクコの実と白キクラゲの彩りがキレイで食欲をそそります。
しょうがとはちみつで作ったジンジャーシロップを添えて身体にやさしいスイーツに!
まとめ
日本のカフェで見かける”豆腐花”はさまざまなトッピングが乗っていることが多いですが、海外ではトッピングなしのとてもシンプルな形で販売されているのをよく見かけました。
大豆の味が濃いことも印象に残っており、シロップなしの豆腐花も販売されていることも納得でした。
豆腐花を扱うお店では豆乳も合わせて販売されていることも多く、栄養価の高い大豆が人々の生活になじんでいることがよくわかります。
だんだんと台湾スイーツを扱うお店も増えているので、”豆腐花”もタピオカミルクティーのようなブームがやってくるかもしれませんね。
■執筆/hiroさん…管理栄養士、野菜ソムリエの資格を活かした旬の食材を使った簡単レシピや栄養満点な時短レシピが得意。インスタグラムでは家族が笑顔になるような管理栄養士のおうちごはんを発信中。
Instagramのアカウントは@hiro_recipe5
編集/サンキュ!編集部