教えて!気楽にトライできる村山式・食欲コントロールの方程式~連載『はじめよう!フェムテック』
2023/08/14
2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。
番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。
<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、レタスクラブの編集部やハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。
●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった32歳。
<ゲスト>
●村山彩さん Aya Murayam
アスリートフードマイスター、健康管理士一般指導員。1978年生まれ。体を壊したことをきっかけに健康管理に目覚め、野菜ソムリエとアスリートフードマイスターの資格取得。セミナー講師、イベント、スポーツクライミング銀メダリスト野中生萌選手など、アスリートの食事をサポート。レシピメニュー開発、レストランへのアドバイス、メディアでの連載など幅広く活躍する。 出産前は自身もライアスリートで、トライアスロンの大会での優勝経験もある。出産後、健康を心の面からもサポートしたい思いから、大学で心理学を専攻し学位を取得。2022年から、7歳長女、4歳長男とともに、一家でマレーシアのペナン島へ移住している。
HP: http://ayamurayama.jp/
インスタ: aya_murayama_
まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。今回のゲストは、アスリートフードマイスター、健康管理士一般指導員の村山彩さんです。「さわやかで健康的な笑顔が印象的な村山さん。ご自身の経験を基に考えられた独自の健康管理法はストイック過ぎず、逃げ場をつくってくださるので、気軽に挑戦できそうです。私も始めてみたいと思います」(伊久美)
適性体重を維持するための “食欲のセンサー”とは?
■東島アナ「ゲストは、アスリートフードマイスターで健康管理士一般指導員の村山彩さんです。現在、お住まいのマレーシアからリモートでお話を伺います。はじめに、村山さんの著書『あなたは半年前に食べたものでできている』でも書かれている、正しい食事のために欠かせない “食欲のセンサー” について教えていただけますか」
■村山「はい。人は空腹を感じると、“食べたいという欲求=食欲” のサインを出すのですが、体が何を必要としているのかを知ることが食欲のセンサーになります」
■東島アナ「食欲のセンサーが正常に働いていないと、どうなるでしょうか」
■村山「みなさんもご経験があるかもしれませんが、暴飲暴食をすることになってしまいます。つまり、“偽の食欲=センサーが狂っている状態”です。食欲のセンサーが狂う原因は、ストレスによるもので、イライラして食に走ってしまう。また、センサーが狂った状態で食事をすると、本当に体に必要な食物にたどり着くまで、たくさんの量を食べてしまうことになります」
■東島アナ「“偽の食欲”という言葉がありましたが、それでは “正しい食欲” とはどういうことなのでしょう」
■村山「体にとって必要な栄養素を、適量摂ることですね」
■伊久美「適量というのは、腹8分ということですか?」
■村山「はい。自分の適正体重が維持でき、元気でいられる食事の量が適量になります」
■東島アナ「体が何を必要としているかは、食欲のセンサーが正常に働いていれば、自然にわかってくるということなのでしょうか」
■村山「おいしいものが食べたいというよりも、自分の体にとって必要なものをおいしいと感じるようになるのです。私は出産前に長距離のトライアスロンを行っていたのですが、レース中はお菓子が食べたい、アルコールを飲みたいなどとは思いません。人体の6割以上を占める水分が減ると、まずは水分を欲します。それから体を動かすための糖質。そして、汗と一緒に出てしまう塩分を摂りたくなります。体にとって必要なものが、具体的にわかってくるのです」
正しい食事+運動の習慣化で、必要な栄養を欲する体に!
■伊久美「普段の生活の中で、食欲のセンサーを感じるにはどうしたらよいでしょう」
■村山「運動と食事を、正しく組み合わせた生活をすることです。私はこれを“食欲コントロールの方程式”と呼んでいます。まず、20分以上の体全体が汗ばむ運動を行って、その後に正しい食事を2食続けて摂ります。これを開始の2週間で、3セット行ってください。ポイントは、20分以上、体全体を汗ばむくらい動かすことです。ランニングでも、ダンスでも、一生懸命に掃除をしてもOKです。その後食事を摂ります。1食だけだと、イベントで終わってしまう可能性があるので、朝、運動したら昼ごはん、夜ご飯と2食摂ってください。これを2週間のうちに、例えば水曜日、土曜日、また翌週の水曜日というふうに3セット行い、習慣化して行くことが第一歩になると思います。何事も反復して体に覚えこませることが大切です」
■伊久美「2食の間隔は、均等にしたほうがよいですか」
■村山「そうですね。食事の間隔が空いてしまうと、たくさん食べてしまうことになるので、忙しい方は難しいかもしれませんが、なるべく均等にしてください。続けていくと、失った栄養素を摂取するので、体を修復するためのたんぱく質やビタミン、ミネラルが必要だと感じるようになり、自然に野菜や魚を欲するようになっていきます」
■伊久美「最初は何が必要か?わからないので、計画的にたんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富なものを、計画的に摂ることも大事ですよね」
■村山「最初はそうですね。バランスのよい食事を心がけていただければと思います」
■東島アナ「みなさん、運動が続かない、食事制限がストレスになる、というご経験があると思いますが、そんな場合、何か助けになることはありますか」
■村山「私自身もそうだったので、気持ちはよくわかります。ですから、“2割はさぼっても大丈夫” と思うことが大事です。2割は心の貯金ですね。さぼるっていうと、ちょっとネガティブな表現ですが、“2割は自由、8割は体貯金” と思って行っていただくのはいかがでしょう」
■伊久美「“心の貯金“っていう美しい言葉は、さぼった罪悪感をなくしてくれますね」
■東島アナ「例えば、お仕事で会食がありって、自分だけの食事ができないかたもいらっしゃると思いますが、アドバイスがあれば教えてください」
■村山「できないときは切り替えが必要です。体の決算を1日単位ではなく、2日48時間単位で考えるとよいと思います。食べたものは約48時間で脂肪に変わると言われているので、2日間で決算する、楽な気持ちで行ってください。実は、私自身も猶予がないと続かないです(笑)」
合言葉は「はじめよう!フェムテック!」
●次回も、アスリートフードマイスター、健康管理士一般指導員の村山彩さんをゲストにお迎えします。
【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!
●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/
●撮影/寿 友紀