テレビやネットで台風情報を見ていると、なんだか台風が行ったり来たりしていたり、当初予想されていた経路とはまったく違うところを進んでいたりと、まるで迷走しているような印象を受けることがあります。
というのも、じつは夏の台風はもともと「迷走しやすい」のです。
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、台風が迷走してしまう理由と、迷走台風に備えるコツを解説します!

台風が迷走するのは「自力で動けない」から
ニュースや天気予報を見ていると、まるで台風が自ら意思を持って近づいてくるかのように見えることがあるかもしれませんが、じつは台風は自力で動くことはできません。
周りの風に流されて動くので、もし台風の近くで風が吹いていなければほとんど動かずに何日も経つことがありますし、あるいは西風が吹いたあと東風が吹くことがあれば台風は行ったり来たり往復することになります。
そして夏は特に、台風が通る海域で強い風が吹きにくい傾向にあります。
予報官もコンピュータも予想が難しい夏台風
台風の近くで強い風さえ吹いていれば、かなり高い確率でその風に乗って移動するので、今後どの方向に進むのかが予想しやすくなります。
しかし決め手となる強い風がない状態だと、「こっちの弱い風に乗って動けるかもしれないし、動けないかもしれない」「あるいはこの風に少し流されるかもしれない」といった具合で、現場の予報官も判断がしづらくなりますし、コンピュータで計算しても計算するたびにバラバラの答えが出てきてしまいます。
そのため、4~5日前の段階で台風の進路や影響を予測することは難しく、たとえば一度テレビで台風の予想進路を見て「今回は四国に行きそうだな」と思っても、翌日に確認すると九州に上陸する予想に変わっている、というようなことが実際に起きます。
つまり、自分のいる地域に影響が出るかどうかは、台風情報を一度見ただけでは判断できません。
夏の台風は、かなりこまめに情報を確認する必要があるのです。
備えは「3日前まで」と「2日前から」に分ける
今ではどんなに迷走する台風でも、災害を引き起こす前々日くらいにはもう、どこで雨や風に警戒が必要なのかがわかる時代になりました。
つまり、いきなり不意打ちで台風がやって来ることはないのです。
一方で、2日前の時点で急に「明後日この地方は台風で大雨になります」と言われても、それまでに何もしていなければ、十分に備えることができません。
つまり、「3日前まで」にやるべき備えと「2日前から」やり始める備えを分けて考えて、いつ「2日前」がやってきても大丈夫なようにしておくことが大事なのです。
3日前までにやっておきたいこと
まずは、もし台風の大雨や暴風に遭ったとしたらどうするのかを決めておきましょう。
避難所に行くのか、在宅避難するのか、仕事はどうするのか、そして誰に連絡をするのか、などです。
避難所へ行くべきかどうかは、ハザードマップを見ると確認できます。
自分の住む自治体名を入れて「〇〇市 ハザードマップ」と検索してもいいですし、「重ねるハザードマップ」と検索すると全国地図で確認することができます。
離れて住む親などに連絡をしようと思っている場合は、災害が目前に迫った状態でいきなり連絡してもうまくいかないことがあるので、3日前までの時点であらかじめ一旦連絡を入れておくのがおすすめです。
なお、日本では8割近い世帯が大雨災害の危険が少ない地域に位置しているため、大部分の人は避難所へ行くのではなく在宅避難を選ぶことになると思います。
その場合に必要な備蓄品のうち、食品でないもの(バッテリーや保冷剤、養生テープなど)や、食品でも賞味期限が長いものは、3日前までの時点で購入しておきましょう。
■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部
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