『サンキュ!』で笠原将弘さんの連載シリーズが始まってから早5年。撮影のたびに「笠原さんの料理を味わえる」という役得♪に恵まれながら、取材し続けた担当ライターだからこそ知り得た「とっておき情報」を大公開。「おいしい」「アイデアがいっぱい」だけでは言いたりない! 笠原将弘さんの人気のヒミツに迫ります!
笠原将弘さんといえば、予約がとれない日本料理店『賛否両論』(東京・恵比寿)の店主であり、テレビや雑誌などで大活躍の人気料理人。確かなおいしさと伝統に新風を吹き込むアイデアは、和食の範囲を超えて、多くのファンを持っています。
『サンキュ!』でも2014年から連載を開始。2018年4月からは趣向を変えた新連載がスタートし、大好評です。今回は笠原さん担当歴5年目のライターが、人気の秘密を徹底分析。レシピからだけでは読み取れない! 現場を知るからこそわかる「笠原将弘さんが愛される理由」をご紹介します。
人気のヒミツその1 一般的な調味料を使うから、家庭でおいしさが再現できる!
有名料理店というと、食材はもちろん、調味料も特別なものを使っている印象があります。レシピ通りに作ってもうまくいかないとき、「調味料が違うから」と思うことはありませんか? 実は、連載の撮影時、笠原さんが使用しているのは、一般家庭で使うものと変わらない調味料ばかり。それでもおいしくなるのは、配合や組み合わせ、タイミングなど、笠原さんならではのワザがあるからなんです。レシピ通りに作れば、おいしくなる! 料理を作る上で、これほど心強いものはありませんよね。
人気のヒミツその2 初心者でも失敗しない、やさしい工夫がいっぱい
どんなに料理に慣れていても、プロの手際のよさにかなう人はなかなかいません。肉や魚を焼くときも、つい時間がかかってしまい、焦がしてしまうことがありますよね。そんな問題をフォローしてくれるのが笠原さんのレシピ。
たとえば、「豚肉のしょうが焼き」では、肉を下味に漬け込まず、焼いてから味つけ。「下味をつけると焦げやすくなります。しょうが焼き用の肉だったら、後から入れてからめるだけでもしっかり味がつきますよ」(笠原さん)。家庭で作るシーンや起こりがちな失敗の対策もレシピの一部。おいしさとともにやさしい工夫がレシピに散りばめられているんです。
人気のヒミツその3 定番でありながら、おいしさが進化する!
4年間の連載と、特集の中で、繰り返し登場した笠原さんの人気メニュー「鶏から揚げ」。しっとりジューシーでさめてもおいしく、永久保存版にしたいレシピの1つです。でも、レシピを見ると、作り方に少しずつ変化が。
『サンキュ!』5月号に掲載されている最新の「鶏から揚げ」では、下味の際に、卵を加えてから少し時間を置いています。「卵をもみこんで少しおくことで、膜ができて、水分と脂分を閉じ込めることができるんです」(笠原さん)。これは前回のレシピでは登場していないテク。家庭でさらにおいしく仕上がるように、定番おかずも常に変化しています。
人気のヒミツその4 無駄のない手順と段取りがわかるレシピ
撮影した料理は、毎回、笠原さん直筆のレシピをもとに原稿を作成しています。笠原さんのヒミツは、そのレシピの完璧さ。食材の下ごしらえから加熱、盛り付けまで、まるで動画で見ているように、調理の手順が流れとなっているんです。無駄がないからスピードアップができ、さらにメイン食材も付け合わせもベストの状態で皿に盛ることができます。ライターが原稿作成時に流れや段取りを補足する必要はほとんどなし! ここだけの話ですが、毎回原稿作りがとってもラクチンなんです(笑)
店主としてお店に立ちながら、テレビ出演や、雑誌、本の出版、イベントなど、多方面でご活躍されている笠原将弘さん。そんなお忙しい毎日の中でも、仕事に対してのチェックやレスポンスの早さや正確さはさすが! かくいう私も、「分量が違ってるよ」などご指摘をいただいたことも。。。
細かいこだわりや心遣いにあふれた「笠原レシピ」。今晩のおかずにも、ぜひ、作ってみてください!
撮影/木村拓(東京料理写真) 構成・文/田久晶子
雑誌『サンキュ!』に掲載された笠原将弘さんの連載が1冊の本になって好評発売中!! 笠原さんのこだわりが詰まったとっておきおかずが満載です。毎日のごはん作りに役立つこと間違いなし!
『僕の和食、思い出の味 伝えたい味』
定価:本体¥1200+税