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ミドル世代のマッチングアプリ事情とは?中高年の婚姻スタイルの変化なども影響

2024/11/26

若い世代を中心に、広く普及しているマッチングアプリ。じつはミドル世代でもニーズが高まっているんだとか。「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、ミドル世代のマッチングアプリ事情について解説してもらいます。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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婚活市場で主流になったマッチングアプリによる出会い

「マッチングアプリ」、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?犯罪やトラブルを想像されるかた、若者向けの出会い系サービスと思っているかたなど、あまりよいイメージを持たないかたも多いかもしれません。

しかし、近年ではマッチングアプリを通じて「生涯の伴侶を見つける」かたがたが確実に増えています。

『リクルートブライダル総研』が毎年発表している「婚活実態調査」の2024年版によれば、2023年婚姻者のうち、婚活サービス(=結婚相談所、ネット系婚活サービス、婚活パーティー・イベントの3種)を通じて結婚した人の割合は15.3%。とくにネット系婚活サービス(=恋活・婚活サイト・アプリ)を通じて結婚した人の割合は過去最高でした。

たとえば20代女性を例に婚活サービスの利用経験割合を見ると…

結婚相談所:2.0%
婚活パーティー・イベント:4.3%
ネット系婚活サービス:23.7%

ですが、これが30代になると

結婚相談所:6.5%
婚活パーティー・イベント:15.2%
ネット系婚活サービス:29.5%

と、圧倒的にネット系婚活サービスの割合が高くなっています。さらに40代女性でも

結婚相談所:6.6%
婚活パーティー・イベント:16.1%
ネット系婚活サービス:15.9%

とリアルなパーティーとネット系が拮抗しており、婚活市場においては、アプリの利用は主流になったと言えます。

ミドル世代にも広がるマッチングアプリ利用

スマートフォンを使ったビジネスウーマン
maruco/gettyimages

実は最近ではこの流れが、再婚市場やミドルの恋人やパートナー探しにも広がっています。ほとんどのマッチングアプリは会員の主たる年齢層を公表していますが、会員層が40代以上を中心とする「ミドル向けマッチングアプリ」も続々と登場しています。

実際に筆者の周りのミドルにヒアリングしてみると以下のような声が集まりました。

「マッチングアプリで3人とデートをして、そのうちの1人と交際に発展。付き合って半年たち、そろそろ再婚に向けて本気で検討中」(40代女性)

「ミドル向けのアプリに軽い気持ちで登録してみたところ、意外と『いいね』が毎日来る。まだメッセージを送りたいほどの人はいないので様子見だが、とりあえず嬉しい」(50代女性)

「最初に登録したアプリでは、バツイチ子持ちの私にはあまり『いいね』がつかなかった。その後、バツイチの人が多いアプリに乗り換えたら、全然反応が違ってびっくりした」(40代女性)

「結婚はもうこりごりなので、恋活目的でアプリを利用中。本当は年下男子と遊びたいのだけれど、年齢差が邪魔をしてなかなかマッチングしません。実年齢よりも見た目もセンスもだいぶ若い自信があるのだけど、アプリではそれが伝わらなくてモヤモヤします」(50代女性)

アプリの効果はそれぞれのようですが、利用者のすそ野が広がっていることは確かなようです。

ミドル世代のマッチングアプリ利用増加、3つの理由

このようにミドル世代にマッチングアプリの利用が広がっている理由、大きく分けて以下の3つであると考えます。

1点目は「オンラインでのコミュニケーションへの慣れ」。

コロナ禍を経て、オンラインでのコミュニケーション、リモートでの関係構築に多くの人が慣れてきました。以前なら「実際に合って顔を見ないと信用できない」という感覚を持つひとが多かったですが、対面でなくオンラインでも、あるいは音声でなくテキストでも、一定の関係性を作れると考える人は増えてきています。

そうなると、容姿の衰えが気になるミドルとしては、匿名性を保てるオンラインのほうがリアルよりも心地よいと感じるシーンが多いことも…。匿名性もミドルとマッチングアプリの親和性の高さにつながっていると考えられます。

2点目は「中高年の婚姻のスタイルの多様性が高まったこと」。

離婚へのハードルは年々下がっており、「何があっても我慢して、一生一人と添い遂げる」よりも「パートナー選びに失敗したなら、早めにやり直せばいい」という声をたくさん聞きます。

結婚だけでなく生き方そのものも多様化しています。同居婚、別居婚、週末婚、事実婚など婚姻の多様化をはじめ、同性パートナーとの生活やシングルのままで異性との友達関係を楽しむ生き方もあります。従来型の結婚相談所やお見合いパーティーでは対応できないニーズに対して、婚活だけでなく恋活、友人探しなどアプリの多様性がマッチしたことが考えられます。

3点目は「アプリ側の運営の工夫」があげられます。

公的身分証で本人確認を徹底すること、コンシェルジュの常駐、相談窓口の24時間対応など、運営側の工夫も進化しています。これにより、従来のオンラインサービスは不安すぎてハードルが高いと感じていたミドルエイジの安心感が増したことも見逃せません。

ミドル世代が有効にマッチングアプリを活用するには?

手軽に大勢の人と出会える場としてマッチングアプリは有効ですが、上手に利用するにはコツがあります。

1.利用目的をはっきり決める
婚活or恋活or友活なのかによって、利用するサイトや利用の仕方も変わってきます。自分がどのような人を求め、何を目的としてアプリを利用するのかをまずは整理しましょう。


2.出会いは縁と割り切り、執着しない
オンラインだからこそ、コミュニケーションには適度な距離感と礼節が求められます。匿名だからと言って、相手のプライバシーに土足で踏み込むような発言をしたり、距離感を無視して馴れ馴れしく接したりする人は嫌われます。

そして、出会いはご縁です。自分の意思だけではどうにもなりません。一人の相手に執着しすぎず、断れたら潔く去るべし。


3.自分の現実をよく見る
「気持ちはいつも20代」「若い人のほうが話が合う」「自分はいつも若く見られる」など、若さに自信があるミドルも多いこの頃。しかし一度、鏡の前に立つイケてる自分ではなく、電車の窓に映る無意識な自分をよーく見てください。

40、50代の自分の現実の姿をしっかり認識しましょう。年相応に、若いころとは容貌も体形も変化しているのはしょうがない。脳内でいつまでも「20~30代のイケてる自分」を追いかけ、相手にもそれを求めると「イタイ」と感じられます。



人と人との出会いは奇跡的なもの。職場、地域のコミュニティ、趣味のサークルなどリアルな場に、対象がいなくともあきらめないで。運命の出会いはオンライン世界に、星の数ほどきらめいていると信じてよい時代です。

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