家族のためにしているつもりが逆効果に!?夫を不幸にする妻の行動とは
2025/01/29
皆さんは世界三大悪妻というのをご存じですか?
一般的には
ソクラテスの妻・クサンティッペ、
モーツァルトの妻・コンスタンツェ、
トルストイの妻・ソフィア
を指すそうです。
クサンティッペは人前で夫を罵倒し頭から水を浴びせたりするような激しい性格の妻。コンスタンツェは浪費家かつ家事をまったくしなかった妻。そしてソフィアはトルストイを家出に追いやった強欲な妻であったことから、彼女らが夫を不幸にした悪妻の代表と言われています。
しかし、夫を不幸にするのはこのようにわかりやすい「悪妻」ばかりではありません。
本人にはそのつもりもないのに、夫をじわじわと不幸にしてゆく“真綿首絞め妻”もいます。夫のほうも、声を荒げて怒るようなことではないので、なんとなく従っているうちにストレスが最高潮に達してゆく。
今回はそんな夫を不幸にする妻の例をご紹介しましょう。
家族のトラブルが立て続いた結果、「申し分ない妻」に変化が…
トモヒロさん(46歳 仮名)は妻と中学生の娘1人との3人暮らし。出産と同時に出版社勤めを辞めた妻のハルカさん(44歳 仮名)は、現在ではフリーランスの編集者として自宅で仕事をしています。比較的時間の自由が利くため、家事、育児のほかに、近所に住む1人暮らしのトモヒロさんの母のところにも顔を出すなど、トモヒロさんにとって申し分のない妻です。
そんなハルカさんに、トモヒロさんが少し違和感を抱くようになったのが2年前。
きっかけは、会社の健康診断でトモヒロさんに初期の大腸がんが見つかったときです。ちょうど同じころ、娘も自転車に乗っている最中に車と接触して足を骨折。ハルカさんも同時期に顔や上半身に帯状疱疹を発症するなど、一家そろって病院通いをする事態が重なっていました。
とくに入院した夫と日常生活に介助が必要になってしまった娘の世話が大きな疲労やストレスとなり、ハルカさんの帯状疱疹はかなり重症で、痛みも相当ひどかった様子だったそうです。
そんな、心身ともにボロボロだった彼女が心のよりどころにしたのが、友人からアドバイスをうけた風水。最初は、家の中に観葉植物を置くとか、掃除をこまめにするとか、幸運の色のグッズを身につけるなど、身の回りの行動を風水に従って実行するようになったそうです。
そして家族思いのハルカさんは、夫や娘の健康のためにと、どんどん風水にのめりこんでいきました。
1年前には、水まわりの近くに寝室があると悪い気を吸収してしまうということで寝室を別な部屋に移動。さらにベッドの置き場所、寝る際の頭の向きも風水に併せて変更しました。
さらに風水にのめり込む妻は15万円の水晶を購入
まじめな性格のハルカさんは、自分でも風水について勉強をするようになり、ますます自宅の風水に熱中していきます。たとえば「玄関の方角がよくない」「部屋の間取りで“欠け”があるのがよくない」など、模様替えだけでは対応できないことがあることが気になり、まだローンが残っているマンションの引っ越しを夫にすすめるようになってきました。
一方、トモヒロさんは理系技術者で、彼にとって「非科学的である」と思う風水などはあまり信じない、気にしないタイプ。
ハルカさんが、真剣な顔で「薬は東を向いて飲んだほうが、効果が高い」とアドバイスするのを「じゃあ、俺は西を向いて飲んでも治るかどうか実験しようかな」などと冗談に変えてしまいます。
ハルカさんにしてみれば、夫の健康を願っての真剣なアドバイスを笑われた形になり、それが原因で夫婦が口論になることも増えてきました。
トモヒロさんのほうも最初は、妻の気持ちが風水で落ち着くなら多少の出費もやむなしと考えていましたが、玄関に置く水晶の原石を15万円で購入したと聞いて動揺。さすがに心配になってきました。
「妻に『風水なんて科学的な根拠がないし効果がない』と言っても、彼女は『風水のなかには、家の中の換気を推奨するなど科学的に正しいものもある。それにもし本当に効果がないなら5千年もの間、受け継がれるはずがない。効果があるからこそ、今でも多くの人が活用しているの。中国やベトナムなどアジア各地では風水を考慮して建物を建てたり、生活スタイルに風水を取り入れたりするのは常識だ』と主張して、話し合いはいつも平行線です。
基本的には家族の健康を願っての行為なので、妻にとっては『体によい食事を作る』と『風水でよい気を流して健康運をあげる』は同じことなのですが、僕のほうがどうしてもそれを受け入れられなくて、夫婦の溝が埋まらないんです」
今のところ、トモヒロさんのがん治療は完了し、再発もしていません。ハルカさんの帯状疱疹も症状が現れず、娘も元気に学校に通っています。家族の健康に不安がないためにハルカさんの風水熱もいったん落ち着いています。
ただ、今後また何かをきっかけにハルカさんが風水に熱を上げるのではと、トモヒロさんは不安を抱えた日々をすごしているそうです。
パートナーが「信じるもの」とはどうつき合うべき?
風水だけでなく、占いや宗教など、目に見えないもの、科学で説明しづらいものは世の中にたくさんあります。そういうものに対してどう考え、どう行動するかは人それぞれです。妻の神社参りを毎回否定する夫がいて、妻がブチ切れた事例もあります。夫の実家に魔除けのおフダがたくさん貼ってあって、実家に行きたくないと嘆く妻もいます。
家族を思ってよかれと思ってやっている行動が、相手にとって迷惑に受け取られることもある。
価値観がまったく一致することはないとしても、相手の価値観をどう受け止め、理解するか。ちなみに筆者は「旅行をするなら吉方位がいい」というタイプですが、大吉方位にいい宿が見当たらなければ、「方位は関係なし!」とすぐ翻ります。運気ものに関してはそれくらいぶれているほうがパートナーは気が楽かもしれません。
占い、推し活、趣味、パートナーの「信じるもの」を頭から否定せず、やんわり受け入れる力を持つのは円満化の術ですが「これ以上は許容不可」という臨界点は日頃から話題に出すようしてください。