夏になると、せっかく大切に育ててきた多肉植物の元気がなくなってしまったり、気づいたら葉っぱが黒く溶けてしまっていたり…。
そんな悲しい経験、ありませんか?
実は、日本の夏は多肉植物にとってとても過酷な季節。
でも、ちょっとしたコツを知っておくだけで、猛暑のベランダでも元気に夏を乗り越えられるんです。
今回は、初心者がやりがちなうっかりミスを防ぐ「簡単な猛暑対策」5つを多肉植物歴10年以上のライターhikari(ひかり)が解説します。
特別な道具は不要で、ズボラさんでも今日からできる内容は必見です!

初心者がやりがちな夏の「うっかりミス」
夏に多肉が元気をなくしてしまうのは、暑さそのものというよりも、実はお世話の仕方に原因があることが多いんです。
たとえば、こんな「うっかり」に心当たりはありませんか?
・真夏の直射日光にさらしている
・蒸し暑い日中に水やりした
・風の通らないベランダの隅が定位置
・成長期と同じペースで水やりしている
多くの多肉植物にとって、夏はお休みの時期(休眠期)。
原産地では、夏は乾いていて風がある環境で過ごしているので、日本の高温多湿が苦手なんです。
さらに、多肉植物初心者の方は「植物だから光が必要だよね」と思いがち。
日当たり抜群の場所に置いてしまい、気がつけば葉っぱが焦げている…という経験をする方も少なくありません。
でも、夏の性質を知ってちょっと工夫するだけで、元気に夏を乗り越えてくれますよ。
ここからは、すぐに実践できる夏を乗り切るための簡単な対策をお伝えします。
こんなときどうする?猛暑から多肉植物を守る簡単な5つの対策
暑さに弱い多肉植物も、少しの工夫で元気な夏越しが可能です。
特別な道具や難しい作業は不要!初心者さんでも始めやすい、簡単で続けやすい5つの対策をQ&Aでご紹介します。
気になるポイントを早速チェックしてみましょう!
水やりっていつしてもいいの?
水やりのタイミングは、とても大事。
昼間の暑い時間にあげると鉢の中が蒸れてしまい、根が傷むことがあります。
おすすめは、まだ気温が上がりきらない早朝(6〜8時頃)か、気温が落ち着いてきた夕方(18時以降)。
土が乾いているのを確認してから、鉢底から少し流れるくらいの量をあげましょう。
ベストなタイミングは朝のお出かけ前。
夕方も悪くありませんが、熱気が残っている日もあるので、朝の方が安心感がありますね。
【水やりのポイント】
・土がしっかり乾いてから2〜3日待って
・葉にはかけず、株元にそっと注ぐ
・水やり後は風通しのいい場所へ
葉に水が残ったまま日が当たると、レンズのように光を集めて葉焼けすることもあるので、株元だけに水をあげるのがコツですよ。
太陽の光によく当ててあげた方がいいってほんと?
多肉植物は太陽の光が大好き。
とはいえ、夏の直射日光は強すぎることがあります。
夏の間は、午前中だけ日が差して、午後は日陰になるような半日陰で管理するのがおすすめです。
ベランダで育てている場合は、壁際や棚の上などの少し高い位置で、風通しのいい場所が向いています。
特に夕方は西日の影響が強いので注意。
西側に置いている方は、洗濯物を取り込むタイミングで場所を移動させると夏バテを防げます。
【置き場所の目安】
・午前中だけ日が当たる場所
・午後の西日が当たる場所は避ける
・棚の上などの風が通りやすい位置
・地面の熱気が伝わらない高さ
ちょっとした位置調整で、夏の失敗をぐっと減らせますよ。
夏対策ができる100均グッズは?
夏の陽射しから多肉を守るためには、すだれや遮光ネットで半日陰を作るのが効果的。
ベランダの手すりにかけるだけで、簡単に日陰ができるのがうれしいですね。
遮光ネットは100円ショップで手に入るもので十分です。
さまざまな種類がありますが、多肉植物には30〜50%程度の遮光率がぴったり。
「遮光しなくちゃ!」と遮光率の高いものを選んで暗くしすぎると、ひょろひょろと弱々しい株になる原因に…。
やわらかい日差しが届くくらいにしておくのがポイントです。
100円ショップで特におすすめなのが、セリアの「遮光スクリーン」。
遮光率約50%と、ほどよく光を遮ってくれますよ。
カラーはシルバーで、よくあるブラックよりも暗くなりすぎません。
管理しやすいようにコンパクトにまとめているけど大丈夫?
ベランダやお庭の隅っこに、鉢をぎゅうぎゅうに並べている方は要注意!
湿気がこもると、根腐れや病気の原因に。
そこで鉢と鉢の間を適度にあけて、風が通るようにしてあげることが大切です。
また、鉢を地面に直置きするのも危険なポイント。
鉢底の穴が塞がれてしまうほか、地面からの熱で高温になり蒸れの原因になってしまいます。
すのこを1枚敷くだけでも鉢底の風通しを確保でき、温度が上がりすぎるのも防げますよ。
100円ショップのワイヤーラックやすのこで棚を作るのもおすすめ。
ほどよい隙間が空いているから、風通しも良くなるのがありがたいですね。
原産地では常に風に吹かれているので、それに近い環境を作ると元気に過ごしてくれますよ。
水はどれくらいの量あげればいいの?
夏は成長がお休みの時期なので、根からの水の吸収がゆっくりになります。
春や秋のペースで水やりすると、根が傷むことも…。
夏の間の水やり回数の目安は、半月に一回程度で十分。
むしろ、迷ったときには水をあげない方が安全です。
【水やりのタイミングのサイン】
・土が白っぽく乾いている
・鉢が軽く感じる
・下葉が少ししわしわしてきた
慣れてくると、だんだん感覚がつかめてきます。
多肉は乾燥に強い植物。
お水を溜め込む力を信じて、少し我慢してみてくださいね。
夏に気をつけたい!多肉植物のピンチサイン
毎日少しずつ様子を見ていると、元気がないサインに早く気づけます。
以下のような症状があったら、環境を見直してみましょう。
・葉が茶色くなったり白っぽくなる(葉焼け)
・葉が透明に溶ける、黒ずむ(根腐れ)
・カビや虫が発生(蒸れ)
見つけたら、まずは涼しい場所に移して、傷んだ葉を取ってあげてくださいね。
無理のない工夫で、夏も元気な多肉に
夏の屋外は、多肉にとってはちょっとしんどい環境。
でも、ほんの少し気を配るだけで、元気に夏越ししてくれます。
今回ご紹介した5つのポイントを意識すれば、きっと秋まで健やかに育ってくれるはず。
多肉植物は、私たちが思うよりもずっと強い存在です。
環境を整えてあげると、涼しくなる頃にはまたかわいい姿を見せてくれますよ。
今日からできることから、ぜひ始めてみてくださいね。
◾️執筆/hikari
築古賃貸の小さなベランダで150種類以上の多肉植物と暮らす転勤族主婦。ズボラでも楽しめるベランダガーデニングや、築古物件で心地よく暮らす工夫を発信中。インスタグラムは@hikari_comfylife。
編集/サンキュ!編集部