正社員⇒パートに変更した人へのインタビュー「暮らしもやりくりもうまくいきました」
2020/02/08
本当は正社員を辞めてパートにしたいけど、家計のことが心配でなかなか踏み切れない…という人もいますよね。そこで今回は、正社員からパートになった人に、収入面のことやメリット・デメリットについて聞いてみました。
<教えてくれた人>
松岡亜子さん〈仮名〉(静岡県 39歳)
夫(41歳)、長女(11歳)、長男(8歳)の4人家族。結婚12年目。フルタイムパートを始めてから2つ目の職場で、平日9~17時で働いています。
◎松岡さんのお仕事年表◎
04年〜正社員で働き始める
09年5月長女1歳で育休終了職場復帰
12年10月長男1歳で育休終了職場復帰
16年3月末退社
16年4月週5日のフルタイムパートに転職
18年8月事務パートに転職
なぜ辞めたの?
長男の育休が明け、職場復帰したのは32歳のとき。当初は定時で帰れましたが、年齢が上がるにつれて責任ある立場になり、残業が増えました。同僚は子育て中の私に早く帰るよう言ってくれたけれど、子どもの急病で早退や休みも多いのに、自分だけ先に帰るのは申し訳なく思えました。
帰宅は毎日20時で、保育園のお迎えや夕食作りなどは、ほぼ夫任せ。「せめて寝かしつけは」と21時に子どもたちと寝ていたので、朝起きるとシンクに夕食の食器が山積みに。週末はたまった家事をこなし、なんとなく出かけては洋服や雑貨を買ったりして無計画にお金を使っていました。
いちばんの悩みは、子どもとの時間が取れなかったこと。長男に「保育園に行きたくない」「お迎えはママがいい」と泣かれると、やるせなくて……。家族にも職場にも迷惑をかけている負い目がありました。
数年間悩むうち、「もっと子どもとかかわりたいけれど、責任感から遅くまで働いてしまう。自分の性格上、正社員のまま子育てするのはむずかしい」と思うようになりました。
「正社員時代、週末はたまった掃除と洗濯に追われていました。家事も家計もちゃんと考える余裕がなく行き当たりばったりでした」
どうやって辞めたの?
ある程度の収入と家族との時間を確保するため、フルタイムパートに働き方を変えようと決めました。上司とも相談し、会社に迷惑をかけない時期を見計らって年度末に退社。パートは2月からハローワークで探し、4月から働き始めました。
辞めて不安はなかった?
収入が減る不安より、子どものことが気がかりでした。転職したとき、長女は小2、長男は年中。これからは子どもと向き合う時間をたくさん持ちたいと思いました。
辞めて変わったことは?
パートになってしばらくは、正社員時代と同じ感覚でお金を使っていました。貯蓄は減っていくけれど、どうすればいいかわからず見ないふり。そうこうするうちに1年がたって、なんと貯蓄が100万円減!
さすがにまずいと思い、家計簿をつけ、保険も見直して出費をカット。すると、浪費が多かった分、成果も出やすく数カ月で黒字に!月収が9万円減っても、貯蓄は月3万円も増えたのはうれしい驚きです。
転職後は18時に帰宅し、家族と夕食を囲めるようになりました。正社員時代は何も言わなかったしっかり者の長女が、パートになりしばらくたってから「前は寂しかった。もっとママと一緒にいたかった」と教えてくれました。長男のことは、小学生になってから「働き方を変えてよかった」と、より実感するように。宿題や明日の準備なども余裕を持ってサポートできます。
今の仕事は正社員とほぼ同じ内容ですが、パートの立場なので精神的にとてもラク。やりがいもあって今の私にはベストな働き方です。将来は、子どもたちが高校生になるころに正社員の仕事を探したいです。
「長男はマイペース。低学年の今は、宿題など親がみてあげないと、と思う場面が多いです」
パートになったら時間と心に余裕ができ、収納や不用品を整理できました。ゴチャゴチャだったキッチンの引き出しもスッキリ!
辞めたいと思っている人へメッセージ
私は今の働き方に変わったことで子どもとの会話が増え、それが仕事への励みにもなっています。仕事を変えるのは勇気がいったけど、自分の働き方に自信を持てるようになりました!
参照:『サンキュ!』2月号「仕事、やめていいですか?」より。掲載している情報は19年12月現在のものです。イラスト/おぐらなおみ 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部
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