不倫された妻が「離婚」をせずに夫を懲らしめる3つの方法
2020/10/27
夫の不倫が発覚!重大な裏切りに対して心情としては「離婚」を選択したいが、さまざまな事情によりそれを選べないケースもあります。そんなとき、妻はどうすればいいのか?夫婦仲相談所の所長である三松真由美さんに解説してもらいます。
「離婚しない」と決めた妻がするべきことは?
夫の不倫が判明した時、妻の対応は2択です。
・「離婚」をゴールに定めて、そこに向けての戦いを始める
・婚姻関係の維持のため、事態の収拾に向けての対策を練る
不倫された側の心情としては迷わず前者を選択したいところですが、たとえば幼い子どもがいたり、経済的に自立する自信がなかったりすれば、後者を選ばざるを得ないこともあります。
とは言え「離婚しない」はあくまで結果であり、それによって夫の不倫が許されるわけではありませんし、簡単に許すべきでもありません。
では「離婚しない」と決めたとき、不倫された妻はどんな対応をすればよいのでしょうか?夫婦関係の専門家として、ベストな対応を考えてみます。
対応1:夫に貸しを作る
最近話題になった某水泳選手の不倫では、妻の対応にも注目が集まりました。不倫した夫が所属する事務所の公式サイトに掲載された直筆の謝罪コメントには、夫だけでなく妻の謝罪コメントも一緒に掲載されていたのです。また、その後の報道によって妻は「離婚」しない考えであることも明らかになりました。
これは専門家から見ても満点対応です。
「離婚」を選択しないのであれば、するべきことはひとつ。スキャンダルによって生じる、家庭の経済的損失の立て直しです。つまり、できるだけ早く夫の失点を回復し、選手としての活動再開をサポートすることでしょう。その第一歩が、被害者であるはずの妻による謝罪コメントだった、というわけです。
そして、そのような妻の行動に夫は感謝しないわけにはいきません。今回の「謝罪」で夫に大きく貸しを作り、妻が今後の夫婦関係において優位に立ったことは間違いありません。
間違いを犯した夫を非難するのは簡単ですが、それを控えて窮地の夫にあえて救いの手を差し伸べる。これぞ、妻のベストな対応です。
著名人でなくとも、不倫によって夫が社会的に追い詰められたり、身内から非難されるようなケースはあります。もし両親や親戚から不倫を非難されたとき、夫婦そろって頭を下げ「以後こんなことはさせません」と妻が言い切る。それによって、親族内における妻の株はうなぎのぼりですし、夫から感謝されることも間違いありません。
対応2:夫の財源を断つ
「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉もありますが、不倫にはお金がかかります。浮気相手とデートをしたり、ホテルに行ったり……何をするにもお金は必要。夫が自由に使えるお金を制限して不倫に使える財源を断つことは、懲罰の意味だけでなく、浮気の再発防止ににつながります。浮気疑惑がわいてきたら夫の使えるお金の種類と流れ、量を再検討してください。
かつての決済方法は現金とクレジットカードぐらいしか選択肢はありませんでしたから、クレジットカードを取り上げたり、郵送されてくるカードの利用明細書を妻が開封確認したりするだけで、かなりの取り締まり効果がありました。
しかし最近はスマホによる「〇〇ペイ」をはじめさまざまな支払い方法があります。クレジットカードを確認するだけではなく、銀行口座からの出金もこまめにチェックし、金額が大きい支払いについては詳細を確認するとよいでしょう。不明な支出が続くようなら、スマホ決済をやめさせるなどの対策も必要になってくるかもしれません。
このような支出の見直しを「浮気をした罰として」という理由で行うと、夫からの反発・抵抗も起こりがちです。そこで「これは将来に向けての家計の支出の見直し」という理由で夫に提案し、総合的に夫婦のお金の使い方を見直す機会にするのが、ポジティブな話し合いにするコツです。
ただし、お金を止めても懲りないで不倫を続けるケースもごくまれにあります。それは、不倫相手の女性にお金がある場合。筆者が聞いたなかでは、夫の不倫相手が会社役員だったため、すべての費用を女性側が持って不倫を継続していたということがありました。
対応3:不倫相手には強く出る
自由な関係である恋人同士とは異なり、既婚者には貞操義務があります。貞操義務に反することは民法709条の「不法行為」に該当し、不倫相手は「共同不法行為者」になるため、された方の妻に対して損害賠償責任を負います。妻としてはこの点をしっかり認識して、相手には遠慮せずに強く出てください。
損害賠償として慰謝料を請求するかどうかは別としても、弁護士に相談したり、内容証明郵便を送ることを検討したりするなど、こちらが法的手段も辞さない考えを持っていることを、不倫相手はもちろん、夫に見せることに大きな意味があります。
相手に厳しい姿勢をとるということは、不貞行為の当事者である夫にも「場合によっては慰謝料の請求など、強い態度に出る準備はありますよ」という無言のプレッシャーをかけることになるからです。泣き寝入りしない姿勢をしっかり見せるように。
離婚しない以上は「寛容と罰のさじ加減」が大切
以上、不倫された妻のベスト対応について専門家としての考えをお届けしました。どれも厳しい内容ですが、不倫とはそれくらい罪深いものなのです。
ただし、「離婚しない」という選択をした以上、夫婦関係は続けるわけですから、厳しいだけではダメです。「寛容と罰のさじ加減」が大切。不貞行為に対しては厳しい対応をとりつつも、夫のプライドを傷つけすぎないように救いの手も差し伸べてあげる。そして将来の夫婦関係については、自分がしっかりマウントをとれるような「貸し」を作っておくことが不倫の再発防止につながり、また夫婦関係の再構築にもなります。
アメとムチ、慈母のほほえみと般若の怒りの両方を賢く使い分けながら、難局を乗り切りましょう。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。