「君は性欲モンスターだ」「そんなにしたければ外でしてこいよ」――夫からの「君とはもうできない」に心をえぐられる妻たち
2020/11/17
セックスレスとは言え、面と向かって「できない」と言われるのはツライもの。この問題について、夫婦仲相談所の所長である三松真由美さんに解説してもらいました。
「君とはもうできない」と言う夫たちの本音は?
2020年7月に発売された筆者原作のコミック『「君とはもうできない」と言われまして』(KADOKAWA)。おかげさまで大勢の方に読んでもらっています。
「君とはもうできない」=「ほかの女性にはムラムラするのに妻とだけは“できない”」という男性側の心理。この問題の深刻さについて筆者は「妻だけED」などの言葉を通じて、15年以上前から訴え続けてきました。
「君とはもうできない」なんて、妻からすると失礼極まりない話ですが、男性同士の席で「妻だけEDなんだよ」と場を盛り上げるために発している分には、百歩譲って許せる。しかし、寝室で面と向かって「君とはできない」と告白されたらどうでしょう。
妻の気持ちはズタズタに引き裂かれます。たとえギャグのようにふざけて言われたとしてもです。夫の「君とはもうできない」発言からは、以下のような本音が透けて見えます。
・僕の男としての機能を満たす存在として認められなくなった
・付き合い始めて10年も同じ人と同じことやってても興奮しない
・子どもいるんだし、こんなことする必要ないでしょ
・君のこと「おかあさん」にしか見えないんだよ
・愛しているけど、それは「家族」としてだよ
もし妻側も同じ気持ちであれば、それは“両者納得のセックスレス夫婦”になるわけでなんの問題ない、と考える人もいるでしょう。しかし、いくらレス夫婦とは言え「女性として見ることができない」という言葉に傷つかない人はまずいないでしょう。
「君は性欲モンスターだ」という言葉に傷つき、自分を責める妻
この20年間、筆者が運営する夫婦仲相談所に訪れた「君とはもうできない」と直接言われた主婦は数えきれないほどいます。
直接言葉で言われなくても、クルリと背中を向けて寝たふりをする、腕をツンツンして誘ったらウザそうに振り払われた……といった「行動」も妻たちの心をえぐります。それでもめげずに、妻側が複数回誘おうものなら
「君は性欲モンスターだ」
「いつからそんな淫乱になったんだ」
「子どもがいるのに、みっともない」
「そんなしたければ外でしてこいよ」
などという言葉が出ることも。傷口に塩を塗り込むような言葉です。これを言われると妻は2度と自分から誘わなくなり、夫のことを「ひどい人」と思う一方で、「自分に原因があるのでは?」と自身を責めます。
「私が老けて、おばちゃんになったから?」
「私としても気持ちよくないから?」
「産後、ゆるんでしまったから?」
「私の色気がなくなったから?」
妻だけが原因ではない、が、夫側の意見も無視はできない
「君とはもうできない」の原因が、自分“だけ”にあると考えて自分自身を責める必要はありません。「妻だけED」を妻側の責任にするなんて、あまりにも横暴な話です。しかし、「とは言っても、マジで性的対象に見えないんだから営みなんて無理」という夫側の意見を自分勝手と言い切ることもできない。「じゃあ、どっちもっどちということで……」と話を濁していては、前に進むことができません。
そこで筆者心を鬼にして、女性が「君とはできない」と言われる原因は何か!を挙げてみます。夫に最近「できない」と言われた、あるいは今後言われるかもと危機意識を持つ妻の皆さんは、心してお読みください。
「君とはもうできない」と言われてしまう妻の特徴10
特徴1:交際開始時期の体重より10kg前後太った
特徴2:お肌と髪の毛の手入れを怠っている
特徴3:家で着るものに無関心
特徴4:会話のテーマが半径2km内のことばかり
特徴5:仕事の愚痴、ママ友の愚痴、姑さんの愚痴などを1日1回、夫に告げる
特徴6:家事をもっとしてよ!と強く言う
特徴7:「ありがとう」をあまり言わない
特徴8:口調が常に上から目線
特徴9:夜の営みのとき、ワンパターンで変化を嫌う
特徴10:日常的なスキンシップをしようとしない、面倒くさがる
つまり、外見の変化とともに、夫への対応力も経年老化してきて、夫へのリスペクトが減少している妻は魅力的でなくなり、「できない」と突き放されます。
まず、外見。ウエストのくびれがもっとも美しく見える黄金比率は、ウエスト7に対してヒップ10と言われています(※)。加齢によってある程度ぽっちゃり体型になってしまうのはしかたありません。しかし、ウエストだけは緩ませない努力をすることで、少しは外見が魅力的になるでしょう。さらにリビングの煌々とした灯りの下で見える妻の肌と髪。お手入れの怠りはママ友より先に夫に見つかります。
なによりも重要なのは日々の態度!
しかし外見よりも「君とはもうできない」の発言率が高まるのはやはり、日々の態度。無意識に命令口調、夫が何かしてくれても「ありがとう」はなし。さらに愚痴が多いと、表情も意地悪顔になっていくでしょう。
また営みの「ワンパターン化」への対応は夫の好みによって変わってきますが、これは男女とも向上心がないのが原因。一緒にいる年数とともに、営みも変革していくことをおすすめしています。
そして現在、「君とはもうできない」と言われて心が傷ついている妻がいたら、手前味噌ながら『「君とはもうできない」と言われまして』の内容は何かのヒントになるかもしれません。コミックに登場した夫婦がどうなっていくのか、反面教師として考えてみてほしいと思います。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。